つちや(仮)

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ラジエーションハウス第4話感想〜焦りと嫉妬、でも広瀬にしかできないこともある〜

主観による評価

★★★★☆

 

新人・広瀬にスポットが当たった回。

ドラマの主役になるのは、めちゃくちゃタフな心を持つ人や、めちゃくちゃ稀有な能力を持つ人など、どこか非凡な人が多い。

でも、世の中には、平凡な人の方が多いのである。

9割の平凡な人と、1割の非凡な人で世の中ができていることを、こういう回を見ると思い出す。

 

同じスタートラインに立っているはずだった人が、平凡な自分とは一線を画す、非凡な人だったら?

比較して、焦って、追い詰められて、それでも、決してその人にはなれないのに、その人のそばで生きていかなければならない苦しさ。

自分が勉強する間にも、その人は知識をつけて、差は埋まらない、むしろ開くことさえある。

その人を見て、決して追いつけないのに努力しなければならない先の見えなさ。出口の見えないトンネルである。

ドラマを視聴するだけの、平凡な私にものすごく刺さった。痛いぐらい。

(視聴者は、五十嵐が医師免許を持ちながら技師をしていることを知っているため、比較しなくてもいいのに、知識で追いつくことはないのに、と思えるが、広瀬はそんなことを知らないのである。)

 

今回の話のいいところは、「非凡な人には追いつけないのだから、私は彼の活動を支えよう」ではなく、「非凡な人にはなれないけれど、非凡な人にはできなくて私にはできることもある」というオチになったところだなと思う。

私は広瀬同様平凡な人だから、とても救われた。

人にはそれぞれ歩んできた歴史がある。

背中まで押さえる様子を目撃したのが広瀬でなくて五十嵐でも、もしかしたら気づいたかもしれない。

でも、広瀬には広瀬の歴史があり、広瀬には広瀬の着眼点がある。知識がない人でなければ気づかなかったものも、たくさんある。

どんな仕事でも、知識があるがゆえに見落としてしまうこともあれば、知識があるからこそ気付けることがある。知識がないからこそ「なんでだろう」と立ち止まれることもある。

一つの場所に、同じ人が集まるより、多様な人がいた方が良い。

理解できないこともあるし、能力差にもどかしさを感じることもあるだろうし、そのせいで衝突することもあるだらう。

でも、どうせ自分と同じ人などいないのだから、人間は、相容れない人々と集まって、補い合うしかない。

 

知識の量では劣る。

でも、だからこそ気付けることもあり、広瀬は「いてもいい」存在ではなく「必要な」存在であると認めてくれる上司・メンバーに囲まれていることの心強さ。

見守る上司、力を貸す同僚の温かさが気持ち良い回だった。

 

 

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