つちや(仮)

大体当クールドラマ感想。たまに漫画、たまに旅、たまに雑談。

ラジエーションハウス第11話(最終話)感想〜あと1話ほしかった〜

主観による評価

★★☆☆☆

 

あと1話あれば…!

という気持ちしかない。

 

あと1話あれば、唯織くんの医師免許隠しについてラジエーションハウス全員が心の底から納得するまでに時間をかけられたはずで、9話まで本当に面白かったのに全員の納得までの道筋を大雑把にしたことで最後の最後にがっかりしてしまった。

10話でラジエーションハウスの全員が「五十嵐は技師を馬鹿にしていたわけではなく、本当に技師として仕事に患者に真摯に向き合ってきた」と心から実感し、11話でそれでも病院を離れざるを得ない・もしくは技術向上のために一度離れたいという理由から離れる五十嵐にエールを送る…。

あと1話あればそれだけ丁寧に描けたんじゃないかと思う。

だってみんな「五十嵐は技師を馬鹿にしていたわけじゃないから許そう」と思ったんじゃなくて、離れていくから惜しくなっただけじゃん!?

「何か事情があったんだろう」と思わずに裏切り者だと決めつけて散々冷たく対応したくせに、病院を辞めるとわかった途端ツンデレみたいに「待ってるぜ」のポーズとるって何?都合良すぎない?

そしてみんな、9話かけて「技師には技師のやるべき事・技師にしかできない事がある」ことを理解したんじゃなかったのか。

結局技師に劣等感を持っているじゃないか。

内心バカにしていたんだろ、って。みんな技師であることを全く誇っていなかった。

それが最終回にわかるなんて。

 

あと、なんで「医師免許を持っているから違法ではない」ってメディアに言わないの…?

キャンセル出まくって、経営に支障出てるじゃん。なんで?そこまでして対応しないのはなんで?まさかラストで予約ゼロだからみんなでお見送り行ける!という展開にするため?

ドラマだから仕方ないという理屈もわからなくもないけど、「五十嵐先生は医師免許を持っているので問題はありません」と言うだけじゃん。経営に支障が出ているのに「みんな知らなくて騒いでるだけじゃんw」ってスカッとジャパンみたいな顔し続ける意味がわからない。溜めるなら最後にちゃんと明かしてメディアのぐぬぬ顔を見せて欲しい。

「事を荒立てないでいただきたい」ではなく説明すればいいだけでは。

あのお見送りもあり得なさすぎる。急な検査依頼きたらどうするの?

今まで「ラジエーションハウス」について丁寧に描いてきたせいで、全員が集まってあの場で呑気に見送りしていることに、無知な私でさえ違和感がある。

容態が急変したらお昼ご飯放置して対応するのに、予約ゼロでも当直中に急患が運ばれてくることもあるのに、今までそれをドラマで描いてきたのに、検査の予約がゼロだからと全員席を離れるなんて非現実的な真似をしたのはなぜ?

9話まで、あまりにも丁寧に描かれてきたせいで、ドラマでおきまりのパターンとわかりつつも、今までの信念は何だったんだ?と問いたくなってしまう。

そして結局病院の名誉については何も解決していない。メディアの終息も曖昧な描写。

スペシャルでやるの?それって後回しにしていい描写か?

スペシャル前提、Hulu前提、最近そういった展開が多いけれど、無料で全部見せろ!という問題ではなく、とりあえず1つの流れの中で最後まできっちり描き切るのが当然なのではないか?

病院の名誉が復活した。そこまで描いて初めて、スペシャルや映画、続編を予感させる。

スペシャルってそうやって導入するものでは?最終話で解決できなかった問題を持ち越す先ではないのでは?

(聞いているかSPEC!)

 

ただ、絆の描写は熱い。

鏑木先生、辻村先生とのやりとりに、無理はない。

そうだ、これだけ信用してもらえるようになったと思わせるだけの充分な描写はあった。それくらい丁寧だった。

杏ちゃんとのやりとりもそうだ。

最終回で、杏ちゃんに言わせる言葉は「好きです」ではなくライバル宣言。最高だった。

あのシーンで告白していたら、なんてチープなドラマだっただろう。

9話までに、杏ちゃんは五十嵐の仕事をする姿勢に憧れを抱いた。負けたくないと思った。それは我々に充分伝わっていた。

なのに、それなのにどうして、丁寧に描いてこなかったドラマの丸投げ「終わりよければ全て良し」最終回みたいにするの!!!最終回だけ!!!

クソドラマもこういう終わり方するじゃん!クソドラマじゃないのに!9話まで良いドラマだったのに!どうしてこんな終わり方するの!

よりによって、あんなベタな終わり方選ばなくてもいいじゃないか。

 

好きなシーンも当然ある。手術のシーンだ。

普段色ボケているくせに、恋愛のことになるとヘタレのくせに、「普段」のことなんか思い出させないような格好良さ。頼り甲斐。

恋愛がアイデンティティの一部にある男が、恋愛のことなんか忘れているような顔をする瞬間があるのがとても好きだ。

窪田正孝、本当に格好良かった!

情けない可愛さと、決める格好良さの二面性をあんなに繊細に演じ分ける人、本当に本当に素晴らしいと思う。朝ドラも楽しみだ。

あと、広瀬が甘酸っぱい思いを飲み込むシーンも、とても良かった。

広瀬アリス、いいなあ。銀の匙で認識したけど、なんでも演じられる人になったなあ。

 

本当に本当に面白くて楽しんでいたからこそ、最終話で平凡なドラマの大団円エンドになってしまったことが勿体無いと思う。

ただ、とりあえず今はスペシャルを楽しみにしようと思う。

 

 

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