つちや(仮)

大体当クールドラマ感想。たまに漫画、たまに旅、たまに雑談。

ルパンの娘第1話感想〜IQ低めのキャッツアイ!いつか「君は僕の愛する人に似ている」と言ってほしい〜

主観による評価

★★★★★

プラスポイント

  • 常識人主人公×非常識な家族、嫌々ながら家族に付き合わされる主人公のドタバタコメディ
  • 惚れた理由すらアホ(アンジャッシュのコント)
  • ギャグがしつこいと感じそうな直前、適切なタイミングで投げ込まれる深キョンのツッコミ
  • キャストが絶妙

マイナスポイント


久しぶりに、肩の力抜いて見られるラブコメが来ましたよ〜!!
とにかく、ギャグがしつこくない。
いや、本当はしつこいくらいにギャグを詰め込んでいるのだが、その度に深キョンが「あなたたちも犯罪者でしょ」と突っ込んだり、どう考えても視聴者が突っ込むタイミングだなと思われる絶妙な「間」が用意されていたり、とにかくなぜかわからないけどサムイと感じてしまうようなコメディドラマに疲れていた人ほどストレスフリーに見られるドラマだ。
面白いコメディドラマの条件は適切なタイミングと適切なテンションのツッコミであることを痛感した。


しかし、他のコメディドラマと何が違うのだろう。
これは全話を通して考えていきたいが、コメディ要素が大きくなるほど、TBSや日テレでは「サムイ」「滑っている」「痛い」という印象が強くなる気がする。
ただ、上記の2局は「真面目成分多めのラブコメディ」ではちゃんと結果を出している。逃げ恥然り、ボク運然り、セカムズ然り。
くどい演出を逆に面白さにつなげることが、単純にフジテレビの得意技というだけだろうか。
抜き方のうまさ?あとはツッコミのテンションか。
華ちゃんが逆に「いや、あんたたちも泥棒でしょうがァァァ!」と志村新八ばりの大声で突っ込むタイプだったら白けていただろう。テンション低めのボケにはテンション高めのツッコミを、テンション高めのボケにはテンション低めのツッコミを入れるのがちょうど良い温度差かもしれない。
白衣の戦士!を思い返すと、キレる中条あやみに、水川あさみがテンション高めにツッコミをしていた。あの辺のバランスを調整していたら、もっと見やすいコメディドラマになっていたかもしれない。
物語中のツッコミ係の適切なテンションを選ぶのが、フジテレビは得意という説を第1話の時点では推したい。

演出は「デート」、脚本は「グッド・ドクター」の方らしい。そりゃ楽しいはずだ。


また、キャストがすばらしい。
両親役の演技じみた喋り方が物語の中で機能を失わない。舞台のようなくどい演技がくどくない。演技じみた喋り方をしても浮かせない脚本と演出の力が大きいのだろう。
空気が読めないけど憎めない祖母、じっとりした情報係の弟、格好いいけど真面目にアホする役が似合う瀬戸康史、そしてとにかく可愛い深キョン
真面目にアホができるって、すごいことだと思う。
アホだなと言われて「はあ、すいません」と返すのではなく、ただ黙って「こいつ実直でアホだな」と評価されている。それを彼は知らない。本人は真面目でこれが正しいと思っている。彼は自分がアホであることに気づく必要はない。それこそが真面目なアホの魅力である。
上司に馴れ初めを語るシーンなんて、本当にあなた警察一家で育ったの?と問いたくなるくらい純朴でバカで目で見たものをそのまま信じている。
一方で、アクションシーンでは「確かにこの人は根が正義の警察官だ」と感じさせる、最高のアクションを見せてくれた。
瀬戸康史がキャスティングされた理由は、このギャップなのではないか。


シリアスさえ両親の手のひらで、最後には「騙して協力させたのか〜!」と力が抜けるような展開であってほしい。
シリアスかと思ったら全ては手のひらの上だったこと、そして主人公が嫌だ嫌だと言いながらのっぴきならない事情や親切心で悪事に加担してしまうこと、ものすごくコンフィデンスマンJPを思い出す。
おそらく民間の調査会社なんかよりよほどしっかりした調査で、「ハイパーソーシャルクリエイターである」と騙せる根回し術も。コンフィデンスマンJPとコラボしてほしい。 いい人かと思いきや、利己的なところも似ていて、気持ちが良くて楽しい。


ただ、やはりこちらが月9ではいけなかったのだろうかという気持ちは残る。
でも一方で、このテンションのコメディを木曜日に見ればあと1日仕事が頑張れるな…とも思う。難しいところだ。
月9になっていたら、もっとラブムードマシマシになってしまって、ここまで面白くなかったかもしれないな。


また、2人のラブについては心配していない。(心配要素ばかりだが。)
かずくんがとにかく華のこと、アホなくらい一途に大好きだから。

こういうラブコメは正体バレてもハッピーエンドか、「これからも追いかけ続けるぞ」エンドのどちらかだ。うるさい!!!!キャッツアイの終わり方の話はやめろ!!!! 頑張れば頑張るほど、お互いの首を絞めていく切なさ…を感じさせないくらいのコメディにしてほしい。↑聞きたい〜!!!
みんな、怪盗セイントテールを思い出していて面白い。
コメディ要素が強いけれど、本日は確かに怪盗セイントテールだ。
かずくんが華を守っていると思っている一方で、本当は華がかずくんを救っていること、弱いと思っている女が、本当は自分を守れるくらい強いこと、そしてかずくん自身はそれを知らないこと。知らずに守られていること。ラブコメの構図である。ドキドキする。
助けられているのは自分だって、いつ知るんだろう。ドキドキ。
2019年のジェンダー観からはありえないかもしれないことを言うが、私は女キャラクターが守られていることも好きだし、女キャラクターが強いことも好きだし、そしてどんなに女キャラクターが強くても俺が守るという強い意志を持つ男キャラクターも好きだ。
工藤新一が、どんなに毛利蘭が強くても、自分が前に出るのと同じように。(銃弾避けたところ、蘭だー!と思った。)
その一方で、本当はヒロインがヒーローの心も体も守っている、ヒロインがヒーローに助けられているように見えて実はプリキュアタイプで女の子が男の子を救っているという構図も好きだ。 また、その方法が手刀という2019年とは思えない方法で気絶させてからであることも面白い。(おそらく次回予告の映像から、来週もこの展開。)


警察そんなガバガバな調査するか?とか、タワマンで頻繁に起こる窃盗を不思議に思わないのはおかしい!とか、そういうツッコミは全て野暮である。

↑こういうツッコミも、もうしません!


みんなアホで愛おしいなと思いながら、水戸黄門のように最後にまるっと解決するラブコメディを木曜日22時に楽しめるシーズンになりそうだ。


追記。
雑誌(andGIRLかな)で深キョンが、「泥棒一家の娘もありえないし、警察と付き合ってるのもありえないから、非現実的で楽しめると思う」と言っていて、このドラマの面白さはその「非現実が貫かれているところ」なのかなあ、と思った。


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