つちや(仮)

大体当クールドラマ感想。たまに漫画、たまに旅、たまに雑談。

監察医朝顔第2話感想〜いざという時そばにいられない男〜

事件は生活の全てではない

2話も、食事のシーンが良いなと思った。
食事をとるって生きることと同じ。生きていたら食事を取らざるを得ない。生活に必要不可欠な行為のシーンで、2人が日々のコミュニケーションを丁寧に行う。晩御飯を外で食べることもある家族にとって、必ず一緒に食べる朝食は重要なはずだ。

監察医朝顔というタイトルではあるけれど、事件のトリックや全容解明ではなく、それにまつわる人の動き、そしてそれに関わる人たちの背景が中心のドラマだ。
事件解決はゴールだ。でも、そこに至るまで、桑原くんとお父さんが地道にホームレスに聞き込みを行なったこと、朝顔が現場を見に行ったこと、みつこがフグのヒントを与えたこと、それらの「人の行動」を描くことが目的なんだろうと思う。事件が中心ではなく動く人たちを追う。明かされていく事件の輪郭をなぞる人たちにカメラを向けているような感覚。だから、全容はドラマチックではない。結末が毎回「そんなもんか」で、社会問題に切り込むわけでもない。刑事にも監察医にも変えられない。ニュースにもならない。
つまり事件も食事と同じように「生活の一部」なんだろうと思う。朝顔は、事件の解決には一生懸命になるけれど、彼が亡くなった悲しい事情にプライベートで思いを馳せない。「彼のような人をなくす」という正義感に駆られるわけでもない。
事件はこれで終わり。そうしたら朝顔の中でも仕事は終わり。
仕事は生活の一部に過ぎないと気づかされるようなドラマだ。朝顔の中にもお父さんの中にも、数年先まで残るのは朝に「晩御飯の話を朝御飯のタイミングでするか話し合ったこと」だろう。重い事件に関わる最中でも、「今そんな気分じゃないからプロポーズなんてやめて」とはならない。仕事は生活の一部に過ぎない。人生の全てではない。
自殺した課長の悲しみを一生背負うわけにはいかないのだから。
ある意味軽い事件の扱いが、人の死を仕事として扱う人々の大変さをかえって浮き彫りにしていく。たぶん、いちいち悩んでいては進まないんだろう。


プロポーズ

いにしえから男がフルネームで呼んだらプロポーズの合図だと決まっている。(そうかな?)

かっこよくない、情けない、ツッコミどころ満載のプロポーズ。でも、だからこそ、嘘っぽくない。純朴で優しい人だ。
そして朝顔も、シチュエーションに難色を示してはいたけれど、「将来子供に」という発言をしていることからも、もう断る気なんかさらさらないってわかる。断る気がないからこそシチュエーションは大事にして欲しかったね。(視聴者としては日常的な場面で勢い余って行われるプロポーズも好きだけれど。) こんなところですれ違わない(断られたと勝手に落ち込まない)のが建設的な若いカップルという感じで良かった。ここで勘違いが進むと「半分、青い。」になる。
あとどうでもいいけど「おまわりさんだから逮捕しちゃうよ」可愛い。本当に成人男性か?

しかしパパ、どの事象から判断したんだろう?
現場に一緒に行ったこと、早く帰った日と朝顔の外食が被ったこと?まず二人が付き合っていると仮定すると説明つくことが多かったのかも。

わた定でへこんでたみんな〜!!今回は安心できそうだぞ〜!!


父親の反対

…とはつぶやいたが、たぶん刑事だから反対しているんだろうな。「桑原くんなら話は別」なのは、自分と同じ刑事だから。いざというときそばにいられない男であることをお父さん自身が一番よくわかっているから。
一番そばにいてあげたいときにそばにいてあげられなかった。一人にした。自分は家で花を用意した。でももう見ることもなかった。花を用意して謝るよりそばにいてあげたかった。そういう後悔が今もお父さんを東北に向かわせる。
同じ思いを娘にさせたくない。
災害が起きた時、事件が起きた時、家で震えて一人で待つ娘のことを思うと、災害でも事件でも市民のために動くことを求められる職業じゃない男と一緒になってほしいだろう。肩を抱いて一緒に不安と戦う人と結婚してほしいだろう。桑原の頑張りと、正義感・責任感を見ていると尚更。きっと、この優しい男は、市民を優先できる立派な刑事だとわかっている。だからこそ、その裏に一人で待ち続けるだけの娘の姿が見える。父親として賛成できないんだろう。
いざというときそばにいられない男と結婚させたくない父親の話が始まる。だって、鑑識さんにちゃんと否定するくらい、評価しているんだもの。桑原くんが嫌いなわけじゃないよね。
隠されていたことに対する不満はあるだろうけど(笑)言うタイミング何度もあったからね…。(桑原くん自身、言わなきゃと思いつつもんじゃ焼き屋からダッシュで帰ってたし…。) 隠していたことがバレたため、一発は避けられなさそうだ。


安定した職場と新人

相変わらず職場に安定感があって良い。ラジハと同じで、主人公を邪魔しないのでイライラしない。
でもたぶん、このままアットホームな雰囲気で職場に波風が立たない安定感をもったまま話が進むと、それはそれで刺激がないだろう。
結婚物語ではないから、今後ずっと桑原くんとのことを認めてもらうための話になるのもつまらないし、成熟した大人たちがぶつかり合い、切磋琢磨する様子が一切ないのもつまらない。
その要素を担うのがこの新人なんだろうと思った。 あと、普通だったら新人女優でもあてそうなところを志田未来にしたのも面白いなあと思った。演技に不安がないからだろうか。



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