つちや(仮)

大体当クールドラマ感想。たまに漫画、たまに旅、たまに雑談。

凪のお暇第6話感想〜花火じゃなくて君の横顔を見ていた、夏〜

主観による評価

★★★☆☆

ああいう遊びに付き合ってくれる友達もほしい。

認めたくないのわかる〜!

 

 

ゴンの初恋

多分ゴンさんの元を今まで離れていった女の子たちは、苦しんで、苦しんで、最後の思い出をもらって消えていった。

でも、凪の離れ方だけちがった。

決定的な沼の底に辿り着く前に「自分から」「自分のことを考えて」ゴンというドラッグをやめる子が今までいなかったんだろう。

たとえば、浮気された女の子でも、「でも好き、一緒に居たい」と、決定的に傷つくまでやめられない人もいるけれど、凪は「これ以上一緒にいても傷が深くなるだけだ」と考えて、一歩手前で抜けられる人なんだろう。

多分あのタイミングでゴンさんに合鍵を渡さなかったら、ゴンさんの部屋でゴムでも見つけない限り終われなかったと思う。自分の意志で抜けられる最後のタイミングを凪は逃さなかった。

 

この、凪の「『あなた』依存の賢い抜け出し方」を目にして初めて、最後まで自分を責めない優しさと、あくまで1人で生きられるようになりたいという強い意志を、今までの女の子にもない・自分にもないと感じたんだろう。

ゴンさんは自分にないものを求める恋をするタイプだと思う。

一方の恋が閉じた瞬間にもう一方の恋が開いてしまうの、永遠に合わない男女の恋愛のタイミング=少女漫画という感じがして面白い。

いつだったか、テレビで恋はタイミング・フィーリング・ハプニングだと聞いた。

どんなに好きで、どんな出来事を乗り越えても、その時どちらかに恋人がいたらダメだし、どんなに好きでお互いに恋人がいなくても、なんとなく踏み切れる出来事がなければ変われない。

ゴンさん、好きになるのが少し遅かった。タイミングが大事だよ。(ちょっとだけ、悩殺ジャンキーを思い出した。)

でもゴンさんは、一途になったら強い。圧倒的に強い。そもそも優しくて、相手のことを考えた言葉をかけられる。

ゴンさんが変わって、凪の気持ちのタイミングがもう一度訪れたら、もう慎二では勝てないぞ。

 

 

「わ」と「か」と「る」の羅列

たしかにひどかったよね!凪の心のこもってない相槌!どんなにバカでも気づく。「あ、この人わかってない。」「わかってないのにわかるって言ってる。」と。「わかると言う場面だ」と判断しているだけだと。会話はチャートじゃないんだぞ。AIでもできることをやるのはコミュニケーションか?

人との付き合い方がわからないから、肯定する以外の方法がわからない。本当に聞いてくれていることが伝われば、足立さんのような人だって、「それおかしくない?」と言ってもいい。でも多分凪にはそれがわからない。否定とツッコミでも成り立つ人間関係を経験してこなかったから。

会話とは肯定ではない。否定することだってあるし、「わからない」と言うことだってある。

そうすれば「わかるように次は言おう」と相手は思うことができる。でも心のこもっていない「わかる」を返されてしまったら、何も言いたくなくなる。理解できる言葉を使おうと使わまいと、この人は理解する気がないとわかってしまう。

聞く気のない人に伝えようとすることはとても疲れる。でも凪は多分伝えようとしたことすらないから、「話を聞く気のない人に話すこと」がどれだけ苦痛かわからない。誰かに理解してほしいほどの伝えたいことも今までなかったんだろうか。

違う。慎二も言っていたけれど、自分に興味を持っている人にしか興味が持てないだけだ。凪に興味を持っている人は、無条件に凪の話を聞いてくれた。

凪は全てを捨てたけれど、実はとても愛される人だったんじゃないか。甘えていて、それがどんなに恵まれているか気づかなかっただけで。

 

まあ、コミュニケーションの上手さを慎二と比較するのはだいぶハードルが高い。初対面の人間に冗談で「帰れ帰れ!」って言えるの、どんだけ人誑しだよ!

 

 

女がメンヘラになるとき

女がメンヘラになるのは大切にされなかったときだと聞いたことがある。

それはたとえば彼女と紹介してもらえなかったときなんだろう。

付き合っているはずなのに、片思いみたい。今までと雰囲気が変わったことがわかる。社内で顔を合わせたのに、振り返りもしない。ハネムーンは終わってしまった。

もう大切にされていないとわかるのに、直視できない。自分が大切にされない人間だと受け入れたくない。

慎二…人を大切にできるまで、彼女作るのやめな…。

凪の穴埋めじゃなく、その人自身を見つめて、その人自身を愛して、思った言葉は口にして、人格を尊重して大切にできるように成長しなさい。まだ早い。

あと言葉にすることは大切だぞ。これからも。

 

 

演技の下手な慎二役

黒木華ちゃんもすごかったけど、高橋一生の「演技の下手な役」うますぎない?

演技の下手な人だー!演技の下手な男の人がいるぞ!

毎話言ってるけど、本当にこの人が役者であることを忘れる。慌てふためく一人の男だ。今回の場合は、逆に演技の下手な俳優に見える。

あのシーンだけ見たら大層大根役者だろう。

人の話への被せ方が下手すぎる。でもあれが演技なのだから意味がわからない。

あと他の客と意気投合するシーン、めちゃくちゃ若く見える。このドラマの高橋一生、本当に本当に若く見える。若造に見える。

演技が下手な演技は上手いくせに、意気投合した客へのわざとらしいくらいの「わかる」は、心から思っているわけじゃないのに心から思っている雰囲気を醸し出す胡散臭い営業モードの「わかる」だ。あ、営業モードだ。視聴者が全員気づいただろう。

あんなにうまく振る舞えるのに、恋人と元恋人が鉢合わせするとあんなに戸惑うんだから、慎二は若いんだな…。そういうところからアラフォー俳優の若さがにじみ出るのかもしれない。

 

 

自分の行動の責任は自分が取るしかない

個人的に、うーん…と思って今回の評価を星3つにしたポイントはここ。

仕事中でも助けに行く友情、美しい。型破りでロマンティックだ。アイドルがコンサートでステージの上から恋人に告白するのと似ている。

凪は手を差し伸べただけで、手を取ったのは坂本さんだ。

でも、仕事を辞める道をかなり強引に示したところで、凪は坂本さんの人生に責任を取れない。

円満にやめれば、顧客を増やしはしなかったけど減らしもしなかったからという理由で追われなかったとしても、完全に顧客を「減らした」となると、必ず責められたり怒られたり責任を取らされたりするだろう。その時、凪は責任を取れない。

わざわざあの場で見せつけるように去ったことによって増えた責任も、坂本さんが取ることになるだろう。

もちろん、もちろんあの時凪と共に去ることを他ならぬ決めたのは坂本さん自身だ。

それでも、わざわざあのタイミングで手を引くことを選んだ凪は無責任ではないかと思った。背中を押す方は無責任でいられる。

友達を救い出した美談だけれど、坂本さんのその後の人生で何か生じた時に、「まあでも私の手を取ったのは坂本さん自身だよね?」という態度で責任を回避するのだろうか。まあ、坂本さんは責めるような人じゃないけれど。

あれほどの勢いがなければ抜けられない道だったこともわかる。

でも、たとえば恋愛ドラマで「あんな仕事やめろ!俺が養ってやる!」と言うのとは違って、凪は坂本さんが職を失って援助できる財力もなく、そういう関係性でもなく、凪自身はこの行動で失うものもない。安全地帯から手だけ差し伸べることにモヤモヤした。引き上げるだけかい。

そのあと自分で歩き出すドラマとわかってはいるけれど。

 

 

 

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