つちや(仮)

大体当クールドラマ感想。たまに漫画、たまに旅、たまに雑談。

G線上のあなたと私第1話感想〜目の前に出てきたものを消費するだけのアラサー、勝手に身につまされるの巻〜

ドラマ 2019秋ドラマ 火曜日22:00

主観による評価

★★★★★

 

面白かった！

とにかく私は凡人なので、初恋拗らせた19歳男子大学生と婚約破棄された無職アラサーと夫に不倫された子持ち主婦40代を「主人公グループ」として組み合わせたら面白くなるという発想がない。

でも第1話で、「なぜこの年代もバラバラの3人組？」という疑問から、「なんだか面白い化学反応だなあ」という気づきへとなだらかに推移できた。

これ、原作1巻読んだけど、原作がまず面白い。

そしてその面白さを無理なく実写に化けさせられる脚本のうまさがすごい。直近だと凪のお暇を思い出す。

(テレビ局関係者にもエンタメ系ライターにも言いたいんだけどドラマの低視聴率は絶対にキャストのせいじゃないし高視聴率は脚本と監督だけのおかげじゃないからな！脚本だよ脚本！)

 

特に、ドラマ第1話で誰もが、この3人をまとめているのは「カリスマ的魅力を持つ主人公(なぜかみんなが付いてきてくれるキラキラオーラを持つ)」ではなく、何の取り柄もなさそうな、何のキャリアもなんの個性もなさそうな40代の主婦だと気づくように演出されているのが良い。

原作1巻ではそこまで思わなかった。

理人は也映子のどこか酔ったような理屈に優しく乗ることはないし、自分の価値観(愛し方)が絶対だと思っている。

一方で也映子は何もかも失ってしまったから「今目の前にあるきっかけを踏み台にすれば新しいものが見えるかも」という希望は確かにあると思っているし、その理屈は通じると思っている。

でも幸恵さんは違う。

理人のような若さがあれば、不倫した夫をお前が悪いと断罪できただろうし、也映子のような根拠のない万能感があれば、離婚したことで逆により一層輝かしい未来が得られると勘違いできただろう。

それでも彼女は夫に「バイオリン教室に通うこと」というカードを切って、現状の生活を送ることを選んだ。

これは、理人にも也映子にもまだ選べないだろう。手打ちにすることはできれば選びたくない。

それは年齢によるものというより、優先順位をつけるのが上手い人、スカッとジャパンするよりも喧嘩両成敗で少しモヤっとしたものを残した方が滞りなく進むと理解している人だからだと思う。

理人と也映子が歳をとってこの選択をできるようになるかはまた別。

揉め続ける中で傷つきあってお互いの妥協点でうまくやっていく物語もそれはそれで面白いけれど、一人「おとな」がいることの安心感がすごい。

10代と20代は40代を見て学び、40代は家庭を忘れて10代と20代を見て懐かしみ、そうやってお互いに学びながら補いながらこれからも前に進めそうでいいなと思った。

特に理人は、本当は幸恵さんと也映子に付き合う必要はない。でも二人の言葉でそこに留まったのは、自分にも足りないものがあって、それが自分と似ても似つかない二人と(自分では歩みそうにない人生を歩む二人と)一緒にいることで変われると思っているからじゃないかなと思う。

自分の青さを何だかんだ自覚しているんだろうな。

 

前向きになる瞬間に、分岐点になる瞬間にたまたまいただけのメンバー。

傷を舐め合うつもりも毛頭ないけど、なぜかいつの間にか傷が塞がっていそうな不思議な魅力のドラマ。

毎週の楽しみができた！

 

 

 

 

  • 目の前に出されたものを消費するだけで生きているから、同じアラサーが自分の生き方を変えようとしているのを見ると辛い。クズでごめんなさい。

 

  • そんなに大好きじゃないけど結婚したい意志だけは強い女の顔してるのかな（笑）

 

  • このストーリーの場合は、みんな今の生活の中変わらないとダメで、でもそれには何か新しいものを取り入れないといけないこともわかっていて、その中で選んだ手段がたまたま感動したバイオリンだったって感じだよね。

 

  • なんだかんだ、二人がめちゃくちゃ無神経だから理人も好きなこと言えてる感があるのがいい。也映子の話を聞いた後にカラオケ延長するのが良かった。かわいい。慰め方は知らないんだろうけどね。こういうところも若いよね。でも付き合わされてるだけじゃないって知ってるよ！

 

  • 也映子の言葉にぴんときていないのも、大学生だからだなあ。

 

  • 滝沢カレン笑っちゃった。演技は全然上手くないんだけど頭足りてないバカ嫁って感じがしてめちゃくちゃいい。あと、似たような系統の顔で、知性のある桜井ユキから天真爛漫な滝沢カレンに乗り換えた(浮気した)のがリアルで説得力があっていい。

 

  • 也映子と幸恵さんの、年が全然違うのに関係が対等で話しやすいところがいいなあ。

 

  • 松下由樹、太ったなと思ってたけど(太ってても美人だけど)、太ってなかったらこの役松下由樹じゃなかっただろうなあ。すらっとして綺麗すぎて、リアルじゃない。でもだからってただの生活感あるおばちゃんだと見ていられない。その辺にいる「美人だけど生活感のあるおばちゃん」役に適していたんだろうな。安心感あるしなあ。声も綺麗。

 

  • キャストの方々、すごい練習したのかな。桜井ユキさんが選ばれたの、弾けるからなのかな？と思ったけど、Wikiにはサクソフォーンしか書いてなかった。

 

 

  • マジで地獄かと思った！息子の婚約者が入れ替わってもこんなに楽しそうに受け入れられるんか。天真爛漫な嫁の方が良かったんか？辛い。この世はクソ。

 

  • どんなに好きでも浮気を知った瞬間愛が冷めることだってあるし、殴り飛ばしちゃう気持ちが今の初恋拗らせた理人にはわからないんだろうな。うーん、青い！

    いや私もよくわかってないけどね。

 

  • わかるなあ〜！ごまかしちゃうよな。気持ち悪いって思われると困るもんな。わかるなあ。

 

  • まあ、でもさ、あんな奴結婚しなくて良かったじゃん！結婚してからじゃ遅いよ！婚約破棄で良かったよ！ね！結婚してからでは取り返しつかないからね！ワハハ！

 

 

 

 

 

 

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