つちや(仮)

大体当クールドラマ感想。たまに漫画、たまに旅、たまに雑談。

G線上のあなたと私第6話感想〜曲の真名で締めくくるの最高〜

主観による評価

★★★★☆

 

深いドラマだ…と思うと同時に、

こんなことも考えてしまう回だった。

理性では深いメッセージを受け取りたいが、感情はラブコメに興奮してしまう。

これも人間の矛盾したところだな、と思う。

 

今回はそんな話をしています。たぶん。

 

 

情のあり方は一つじゃない

今後理人とやえこの2人は恋愛関係になるんだろうなとは思うけど、今の2人は恋愛関係ではないし、幸恵さんと理人は男女だけど恋愛関係にはならない。(年齢的なものもあるだろうけど。)

でも三人は三人の絆で結ばれている。

恋や愛からは遠くても人は情で結びつく。

恋じゃなくても、「私を見ていてくれる人」はいる。

愛じゃなくても「ほっとけない」って思う。

そう考えると、冒頭のマオ先生の言葉が、第6話全体を表していたんだなと思う。

理人は若いから、まだ「異性(理人の場合は)に対する一途な想いだけが正当な愛」だと思っているようだけど、浮気した夫と別れないのも、婚約破棄した元婚約者の親を気にかけるのも、恋や愛に分類できなくても確かに人と人との間に生まれる「情」だよね。

理人にはやえこの感情が執着にしか見えないみたいだけど、自分の知っている概念に当て嵌めないと納得できないだけなんだろう。

この辺りも、やきもちかな?と思う反面、「好きじゃないのに気にかける感情」が自分の知っている感情に分類できなくて気持ち悪いんだろうな。

許さないからと関係を絶てるものでもないんだろうけど、嫌いになったら関わらなくなる!を選べる大学生とはちょっと事情が違うんだろうな。

やえこや幸恵さんの感情が簡単に分類できないのと同じように、最初は友情ドラマかな?恋愛ドラマかな?って思って見ていたドラマでも、そういう名称をつけなくても、分類しなくても人間と人間のドラマってことでいいじゃん!と思えるようになった。

 

ただ、このマオ先生の発言、たしかにそうだと思いながら、たとえば男女が2人並んでいたら恋愛関係に帰着させてしまうことが多くて、反省した。(でもまたやると思う。)

 

 

 

グレーを選べるのが大人?

幸恵さんは、素直で、人に正直に言葉を伝えられて、言葉の選び方もうまい。

でもストーリーに都合の良い完璧超人ではなくて、幸恵さんも悩んでいて、それをうまく隠して、うまく一部だけさらけ出している。

人間って本来そういうグレーな生き物なんだろう。

浮気されたから別れる!婚約破棄されたから2度と会わない!そんな風に白と黒に分けられない。理由は言語化しにくいけれど。

たとえば、恨んで離婚するよりも、許して続ける方が楽だったり。許さないけれど、一緒にいたかったり。

謝らなければならない側の都合のいい謝り方を許容する必要はあるのか?というのは今回の小木を見ていて思ったけど(笑)、幸恵さんのグレーがそれを許してしまうなら、それは仕方ないことだと思う。

他の人がジャッジできることじゃない。

理性で行動を決めたいけれど、感情が邪魔をするのが人間だなあと思う。

 

 

 

愛される才能

子供の頃、私は勉強が得意だったから、偏差値が低い人は努力が足りないと思っていたし、努力をすれば人は誰でも勉強ができるようになるものだと思っていた。

愛されることに慣れた人、家族や友達に愛されて自己肯定感を高めてこられた人も、たぶん同じで、自分の振る舞いで、人に愛される努力が実ったことで今の自分があるのだから、「愛され」が少ない人は努力が足りないのだと思っているんだろう。努力すれば自分と同じステージに来られると。

だからマオ先生は、「ほっとけない」と思ってもらえないやえこはただ努力が足りないだけなのに、どうして文句だけ言っているんだろう?努力すれば私と同じになれるのに?私が何の努力もせずにみんなに気にかけてもらえていると思っているのは?と本気で思っている。

でも違う。

自分がその能力を高めてこられた「環境」を生まれながらにして持っていたことも、一つの才能だ。

勉強ができる人は勉強だけに集中せてもらえる環境を、スポーツができる人は道具を買える環境を。「あなたは努力すれば人に認めてもらえるんだよ」という自己肯定感を持つ人も、そういう環境の要因が大いにある。

そしてそれらは成長してからどんなに頑張っても得られないこともある。(後天的に身につけても、小さな頃からそれとともに育ってきた人に追いつけないことも多い。)

私は、「ほっとけない」と思われるかどうかについては完全にやえこと同じ気持ちだ。

別に親に虐げられて生きてきたわけじゃない。

でも、街ゆく人が私に向ける視線や、なんとなく美人の友達と順序づけられて扱われてきたこと、友達には誕生日プレゼントをくれる人が多くて私には少ないこと、おめでとうメールが「人より」少ないこと、そういった積み重ねで今の自己肯定感の低さがある。

自己肯定感の低さの何が悪いのかというと、「努力しても意味がない」と思ってしまうところだと思う。

成功体験が少ないから、最初から諦めてしまう。どうせこの人のスペシャルにはなれないと思ってしまう。

きっといつかスペシャルになれる、結果が出ると信じて努力できる勇気が湧くことさえ、子供の頃からの成功体験の積み重ねに裏打ちされた「自信」がないと難しい。

積み重ねで自己肯定感が低い人に、トライし続ければ叶うよ!と言っても努力ができない。それは怠惰だからじゃない。努力が実った経験が、自己肯定感が高い人よりも少ないだけ。努力すれば誰かに特別視してもらえるとは限らないことを知っている。

マオ先生が悪いわけじゃない。環境で分けられてしまう世界が残酷なだけだと思う。

でも、自分の生まれた環境が自己肯定感を育むのに恵まれていたことに気づけないのは、人を見下すことになると思う。(それは、努力すればみんな勉強が得意になると考えているのも同じ。)

マオ先生は、腹が立って、必要以上に強い言葉を意図的に使った可能性はある。

それに、努力してもスペシャルでい続けられなかった経験もある。婚約破棄。

大きな失敗があっても、それまでの沢山の成功が支えてくれているから、また誰かのスペシャルになれると信じられるんだろう。そして実際マオ先生にはそうやって思ってくれる人がまた現れる。人に特別に思ってもらえる振る舞いができるのも羨ましい。(失敗が多いと、人に見てもらえる正解の振る舞いがよくわからなくなっていく。)

こんな私にも、「努力が足りないだけなのにどうして?」と思うんだろうな。そりゃそうだ。

 

 

 

最後に曲のタイトルがわかる

もう、こういう演出大好き。花言葉が後からわかるとかね…!

 

 

 

その他

  • 疑われても構わない、泣いてることを嬉しく思っている顔をするなー!!!!!!(萌)

 

  • そういう終わり方はラブコメドラマなんだけど、これはラブコメドラマではないので6話でまだキスもしてないし2人を表す言葉もまだあやふやなんだよな…。

 

  • 理人に言われたことが勇気になっているなあ💕

 

  • 理由を探す理人。何もなくてもマオ先生と会って良いんだけど、望みがないからこそ口実がないと誘えないよね。次回予告の「やめさせてください」は理人を?自分が講師を?

 

  • 気持ちに無自覚なハーレムラブコメ主人公なら許されるけどお前あの女の好意知ってるだろ!!!!!!うかつに触るな!!!!!!!!!!ここの2人の、うかつに触ったりキャッキャしたりするの、あまりにも若くて眩しかった。

 

  • その一方で、この不器用さ。意識しすぎちゃうか??????ほっとけない相手に贈る曲を演奏すなー!!!好きになってまうやろ!!!

 

  • 情…そしてやっぱりあの夜のこと覚えてた…。やえこは多分ずっと、ふと思い出しては「でも理人くんは忘れてるよなあ」って思ってたんだぞ!!!やえこが言うから続けてたんだよ…。ラブコンみたいな、アホだけどたまに可愛く見えるとか、RDGみたいな、イライラするけどどうしようもなく好きになってしまったけど腹立つけど好きみたいなの大好きなんだよね…。

 

  • やえこにドリンクバーで執着すんなって言うシーン、謝ればいいってもんじゃないからね(笑)

 

  • 前途多難。

 

  • 男兄弟にしか発生し得ない会話めちゃくちゃ好き。私にはわからない世界だから。

 

  • マオ先生強ーーーーー!!!!!!すき!!!!!!!!!

    強すぎて怖いことも多い。

 

  • 浮気するやつの精神が滲み出る小木。

 

 

 

 

 

 

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