つちや(仮)

大体当クールドラマ感想。たまに漫画、たまに旅、たまに雑談。

G線上のあなたと私第9話感想〜もう手を離さなくていい関係〜

主観による評価

★★★☆☆

 

最終課題が幸恵さんの家庭問題なのが、とても良い。

幸恵さんが影の主人公だったんだなと思った。

幸恵さんは、素直で、人に正直に言葉を伝えられて、言葉の選び方もうまい。

でもストーリーに都合の良い完璧超人ではなくて、幸恵さんも悩んでいて、それをうまく隠して、うまく一部だけさらけ出している。

人間って本来そういうグレーな生き物なんだろう。

浮気されたから別れる!婚約破棄されたから2度と会わない!そんな風に白と黒に分けられない。理由は言語化しにくいけれど。

(第6話感想より)

幸恵さんの境遇を見て、何一つ身に覚えがない、と感じる人はあまりいないんじゃないだろうか。

白黒はっきりつけられない物事の中で、常にグレーを選ばされ続ける。

ある意味宙ぶらりんであり続ける苦しみを誰しもが味わっていると思う。

それは仕事かもしれないし、家庭かもしれない。

グレーを選び続けることは苦しいし、苦しんで選んだことなのに現状維持を選んだだけだと周りに舐められるのも苦しい。

苦しみが積み重なっていることを周りから理解されないことがもっと苦しい。周囲は、その人が、悩んだ末に自分の意志で決めたということをもっと尊重しなければならない。

このドラマは、やえこと理人の恋愛がメインテーマのように見える。(不変の関係性を探すことも一つのテーマなのは間違いないと思うけど。)

でも、本当は、正解も不正解もわからないのに何かを選ばなければならない人間がメインテーマで、グレーな選択をし続けた人間の、その苦しみが重なって弾けた時に、周りはどうすべきかを最後に学ぶ必要があるんだと思う。

グレーを選ぶ人間は強い。でも何をされても強いわけじゃないし、そのことに甘えていてはいけないんだということも。

 

ただ、個人的には、女の「大丈夫」が大丈夫じゃないのはわかっているけど、なんとなく幸恵さんは、あと1時間くらいは一人でもいいんじゃないかと思った。おでんとお酒で一人旅楽しそうだし。

一人でいる時間があまりに少なくて、積もり積もっての行動だから、理人に8歳年上のやえこのことが分からないように、結婚してない子供いない同居してないやえこには幸恵さんの本当の解放されたさはわからないと思う。

…けど、視聴者よりやえこのほうが幸恵さんのことをわかっているから、きっと大丈夫だ。

 

来週、夫が何を言うのか?幸恵さんがどう救われるのか?それを見守ることが最終回にふさわしい。

我々が幸恵さんに自分を重ねてドラマを見た分、幸恵さんの幸せのあり方を見届けないと最終回は終われない。

 

一方で、恋愛パートはアラサー女をめちゃくちゃに惑わせてきた。

アラサー女を困らせて楽しいか!?楽しそうだな理人!!

ただ、とにかく8歳の差が浮き彫りになる辛い回でもあった。

アラサーだって本当は、刹那的に、今が楽しいから、来年のことは知らない!って付き合っていいはずだ。でもそれができない。目に見えないリミットがある。

でもそれは理人にはわからない。理人が悪いわけじゃない。彼はまだ学生で、身の回りにサンプルもいなければ、自分でリミットを感じる場面もないからだ。

「社会人」同士の恋愛なら、デートを休むための仮病だとしても仮病だと気づかないふりしてあげるのがマナーなんだろうけど、そこで確認するところが大学生で、若い。社会人の「察し」がない。その目で確認する。

熱の時なんて、異性に見られたいものではないのに。

来てくれた気持ちが嬉しいような複雑なような、それでも追い返さないやえこの気持ちを想像すると、甘酸っぱくなる。

若いな、でも嬉しいな…そんなことを思いながら、こんなタイミングで告白するのか!?と私は(お前がかい)その自分勝手さにモヤモヤもしていた。

でも、理人は、まず感謝を伝えた。

やえこが理人との「人としての」関係を大切にしているように、理人も、恋をする前に、やえこの自分にとっての重要さを言語化して理解していた。

恋じゃなくても欠かせない人だと。だから告白の前にまずそれを伝えたかった。伝えるべきだと思った。その上に成り立つ気持ちを伝えるためには。

でもそれ以上に、幸恵さんと3人、「友達」「他にないオリジナルな絆」でいることの方が大切だ。

なぜならそれは、保とうとする限りきっと失われないだろうから。

(中略)

些細なきっかけで、他の人に気持ちが動いたり、嫌いになったりしたら、もう取り戻せない。元の居心地の良さには戻らない。恋が介在するというのはそういうことだろう。

友達のままでいれば、恋とともに、「一緒にいられる関係」まで終わることはない。

(第8話感想より)

恋愛感情がなくても感謝もしているし人間的に尊敬してもいる。

でも、その先を求めてしまう。それは悪いことじゃないんだ。

誰にもとられたくない。尊敬もしているけれど、ただ独占したくなる幼稚な感情も確かにあるから。

終わりがあるかもしれないけど、今好きだから伝えたかった。モタモタしていて、誰かと付き合ってから後悔しては遅いから。

やえこが、年齢にリミットがあると思っているように、理人も、気を抜くと暇になって婚活しちゃう人を、捕まえておかなくちゃ心配で、「気持ちを伝えないでいてもいい」リミットを超えられなかったんだろうと思うと、瑞々しくてドキドキする。

 

そのくせ、付き合い始めるとリードする側でずるい。

手を繋いで引っ張るのも理人。お洒落し損ねたやえこを「面白い」と言えるのも余裕があるから。

あまり意識せず普通でいたい理人と、付き合ったからには意識してしまって肌を気にしたりおしゃれを気にしたりしてしまうやえこの対比が可愛くて苦しい。やえこなんだよ。初恋みたいな行動するなよ。これ喪女物語ちゃうんやぞ。

 

楽しくて、キラキラしていて。だから怖い。多分いつか終わるから。

もうすぐ30歳。婚活急がなくていいやと考えたところで、いつか結婚したいなら、回り道の恋愛をしている時間があるわけじゃない。結婚に繋がる可能性がないなら、「好きだから」で時間を無駄にしている場合ではない。

気持ちはわかる。

でも、8歳差は埋めようがない。それを理由に振るのは酷だ。元々可能性がなかったのに一度思いを通じ合わせて期待を持たせてしまったことになる。

多分いつか終わる関係なのに…というより、終わらないと勘違いするのが怖い、終わらないんじゃないかと期待するのが怖い。

そういうことなんだろう。予防線を張ってしまう。

どういう落とし所が用意されているのか気になる。二人が幸せになるといいけど。

もう終わってしまうのか…。

 

  • 私も両片思い推しカプの双方から相談されたい!

 

  • やえこと付き合えて部屋でニヤつく理人、「案外ドキドキしてるんですよ」に自分と同じ気持ちでキュンとする理人、彼女だよ!と宣言する理人、みんなに見せてやりたい理人。かわいい。やえこと違ってキスだのその先だの考えずにとりあえず想いが通じたことが嬉しいんだろうな。わかるかやえこ。エッチなことは追々…。

 

  • 童貞にみだりに触れるな。
  • 工藤新一も「ほっぺじゃダメだろ」つってたよ。

 

  • 彼女自慢したい。めっちゃ好きやん。

 

  • 女の判定基準で笑った。

 

  • 幸恵さんが他の食事の栄養考えてるから一食くらい素うどんでも構わないだけだしそもそも食うなら連絡しろクソ浮気男、ボケ。深刻な事態じゃ。てめーのせいじゃ。

 

 

 

 

 

 

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