つちや(仮)

大体当クールドラマ感想。たまに漫画、たまに旅、たまに雑談。

俺の話は長い第10話(最終話)感想〜満のお暇〜

主観による評価

★★★★★

 

最高の最終回だった!

この屁理屈野郎に就職して欲しくない…というより、仕事を得るために何かを曲げて謙る生き方を選んで欲しくないという気持ちもあったけれど、明日香さんに言われたからには、思考しなくていい方向に流れて欲しくないという気持ちもあった。満自身、その言葉が響くということは、変わらなければと思っているということだから。

そんな風に、今の生活を抜け出す覚悟を決めて欲しい気持ちと変わらずにいて欲しい気持ちが同居していたが、最終回はまさにその真ん中で、抜け出す覚悟を決めたがそれはイコールで己を曲げることではないことを示す終わり方で本当に満足した!

面接の結果がわからないのも良い。

満は働いたかもしれないし働けなかったかもしれない。またニートに戻ったかもしれないし他の働き口を紹介されたかもしれない。

でも、6年も休んでいた30代の男が、面接を受ける気持ちになったことをとりあえず評価したい。(こういう甘さがニートをつけ上がらせるのかもしれない。)

特に、あの捻くれ者の満が、みんなの応援で泣くとは思わなかったから感動した。

彼自身もずっと、思うように求められるように立ち直れない自分が歯痒かったんだろう。

でも、立ち直るきっかけをくれた明日香さんとの出会いも別れも、彼の休みの時間そのものも、無駄じゃなかった。

もう一度頑張るための満のお暇だったんだ。

 

春海と陸の関係も曖昧でありながら未来を感じさせてよかった。

その一方で、義父との関係は曖昧ではなく確実に良い方向へ向かったのは心が温まった。

たしかに春海はこうじさんを父親として認めたけど、だからって「お父さん!車出して!」「お父さん大好き!」とはならない。

こうじさんも、いつもお父さんと呼んでくれよぉと急に距離を縮めたワガママは言わない。

二人には、これからも多分、血のつながりのある父親とは違う、距離がある。

親子になれたことと、特別仲の良い親子になれることは別だから。

でも、この世の中には、特別仲が良い親子じゃないけれど、放っておけない、大事にしたい、そういう親子で溢れている。

きっと二人も、そういうありふれた、でも幸せな親子になっていける。

こうじさんはたった数年前に春海と出会っただけの「母親の恋人」だった。

それでも、春海の将来を楽しみにして良い。そして将来を応援することで春海の支えになる「家族」に後からだってなれる。

あとから親になることって多分本当に難しい。

それでも、なんてことないきっかけで認められるようになったり、優しくできるようになったり、お父さんと言いたくなったり。

スタートから親子になれなくても、頑張っていれば優しい変化が訪れることもある。

そんな解決策を示すドラマでもあった。

 

満の屁理屈、綾子との喧嘩、春海との海デート、見られなくなるのはとても寂しい。

是非SPドラマで見たい反面、このまま終わらせて欲しい気持ちもある。

でも13年後に「働けなかった男」って続編やるのはやめてくれよな!

 

寂しくて、楽しくて、泣けて、素晴らしいドラマだった。

3ヶ月間ありがとう。

 

  • G線上のあなたと私でも思ったんだけど、夫婦というものは、一つ二つの欠点で他人が「別れるべき」と断じるものじゃないんだなあ。綾子に不満もいっぱいあるはずなんだけど、でもこうじさんにとっては綾子の作ったロールキャベツが食べられることが幸せなんだろうな。なんでこんなキツい女と結婚してヘコヘコしてるんだ?って思うんだけど、こうじさんにとっては綾子しかいないんだろうな。

 

  • 最初からソワソワしてて笑った。素直に「受けさせて」とは言えない。(振られた時も素直に帰れなかったくらいだから。)でも受けたい。じゃあどうすれば「周りに受けさせられた」ということにできるのか?そんな方向にばかり頭を働かせる満。面接を受ける気になっても尚、「どうやって周りに無理やり受けさせられたことにできるのか」を真剣に悩むところが満である。

 

  • 春海のことを等身大で応援して心配していた満。

 

 

  • ずるいんだよなあ。現実にいたら多分私も好きになってる(笑)唯一無二の男の子って、見えちゃうよね。

    そういえば、最後まで春海が元親友と仲直りしなかったのがシビアで良かったなあ。許せる関係と許せない関係がある。そういったリアルもあった。

     

 

 

 

 

 

 

実況中のツイート