つちや(仮)

大体当クールドラマ感想。たまに漫画、たまに旅、たまに雑談。

アライブ がん専門医のカルテ第1話感想〜患者の患者感に力入れすぎ〜

主観による評価

★★★★☆

 

「主人公の問題も扱うお仕事ヒューマンドラマ」の配分はこれだわ!!と、前日の「知らなくていいコト」と比較して正解を見つけた気分になった。

 

 

 

 

良かったところ/悪かったところ

良かったところ

  • キャスト!目立った不満を抱く人はいないのでは。
  • 患者がめちゃくちゃ患者。眉毛・爪まで患者。
  • 絶妙に片付いていない部屋などの小道具が丁寧。
  • 医療ドラマならではの単話完結のヒューマンドラマパートの長さに負けない、主人公の問題を扱うパートのパンチ力。
  • 木村佳乃の妖しさも加えて。早めに正体が明かされたけどさらに知りたくなる要素は残す絶妙なバランス。
  • ↑引っ張りすぎないのでストレスがたまらない。

 

悪かったところ

  • ヘビーすぎる。

 

 

 

だいぶ、ヘビー

それにしても、「ヘビー盛り盛りセットヘビーマシマシ〜ヘビーを添えて〜」というレベルで重い設定がてんこ盛りだった。

でも、腫瘍内科である以上、がん患者の人生を見つめなければならないし、必ずしも助かる命ばかりではない。

重くなるのは仕方ないんだろう。

 

それにしても、第一話の患者のパートナーを若年性認知症にするのは、あまりにもあまりにも無慈悲すぎやしないか。

…と思っていたが、患者の年齢によってはパートナーが(若年性じゃない)認知症なんてことはいくらでもあるんだと気づいた。

設定盛りすぎなんかじゃなくて、ありふれているのかもしれない。

主人公の夫は、売れない小説家。

でも、主人公が働き、夫は家事と子育て。

幸せに暮らしていた。

そんなある雨の日、外を歩いていた夫は風で飛ばされた看板の下敷きになって病院に運ばれた。

3ヶ月経っても、意識は戻らない。

この設定もそうだが、自分の身にあした起こってもおかしくないんだろう。

決して他人事ではない。

「がんになって、可哀想」「意識不明なんて、可哀想」なんて傍観者でいられないぞと言われた気がした。

現実からかけ離れていると思ってはいられない。

 

 

 

細部までこだわる

ヘビーさに拍車をかけるのが患者の描写。

細部までこだわっている。

それが生々しくて現実的で、自分の身にも起こるかもしれないことを考えると、ぞっとする。

石野真子がすごいだけなのかもしれないが、本当に患者に見えて怖くなるほどだった。

なんちゃって医療ドラマではない。

眉毛も染めているのか薄くなっているし、爪の根元まで変色している。

(さすが勝俣先生監修!と言っている人がいたから、ちゃんとした人なんだろう。)

また、わたしは見落としていたんだけど、高畑淳子(患者役)がヘルプマークを付けていたのもこだわりを感じた。

 

他にも、絶妙に片付いていない部屋。

汚いのではなく、片付いていない。

足の踏み場もないような汚い部屋よりもよっぽど、手が回っていないことが伝わってくる。

掃除してはいるが、常に片付いている状態にできないんだろう。

回想シーンと見比べても、売れない小説家の夫が家事育児を担っていたことがわかる。

 

「このドラマは、きちんと作られている。」

ドラマを作るときに、生きている人間を想定している。

そういう安心感を1話でしっかり与えてくれたと思う。

 

 

 

梶山(木村佳乃)の目的が謎

最初は、不倫相手…?と思っていた。安直に。

近づいて、絶望させるためかと。

でも、やどりぎの会から帰る際のパンクは明らかに作為的だった。

そして回想シーンで明らかになる、梶山の行動。

恩田の担当患者から恩田に情報が回るように、やどりぎの会のチラシを待合室で配る。

目論見通りチラシが渡され、会に恩田が訪れると、車で送れるように自転車をパンクさせる。

急にサスペンス(サイコホラー?)になってびっくりした。

ヒューマンドラマに劇薬で味付けをするドラマらしい。

 

そして、スパイスの正体は明かすけれど、まだ全てを明らかにしないところが面白いと思った。気になって困る。来週も見るしかないじゃん!

今のところの予想は「恩を売って仲良くなってから真相を明かすことで贖罪するため」だけど、贖罪になるとは思えない自己満足以外の何物でもないし、そんなことのために転職までするとは考えにくいから、全くわからない。

 

 

 

無駄のない展開

総じて、無駄のない展開だったと思う。(重いけどね。)

意識不明の家族を抱える家族たちに、「(辛い気持ちを共有して慰め合って)意味あります?」と問いかける恩田先生はあまりにも配慮がなくて、視聴者もモヤモヤしただろう。

でもきちんと謝りに行く。

そこで前回も出席していた妊婦が産気づく。

無事出産した後、卵巣を1つ切除していたことを知る。

自分の患者の症状と結びつく。

モヤモヤも解消するし、展開としても無駄じゃない要素。全てが必要だったんだとわかる。

仕事と、主人公のプライベートが結びつく瞬間。

医療の場という一箇所のみで点と点が繋がる、「仕事」と「プライベート」のバランス。

いいドラマだと思う。感想が続くかはわからないけど。(重いから。)

 

しかし、(文句があるわけではないが、)

恩田心先生

オンコロ先生

オンコロジー(腫瘍学)のためにつけられたような名前

という、「コウノドリ」を思い出すような設定には少し笑った。

「球児」と名付けられて本当に野球選手になった人もいるくらいだし、これも「現実から程遠い」とは言えないかもしれない。

 

 

 

 

 

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