つちや(仮)

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アライブ がん専門医のカルテ第2話感想〜今も百合感があるのに真相告白したらもっと感情が強くなるのか〜

主観による評価

★★★★☆

不倫相手に呼ばれただけでは合わない。

でも「恩田先生のことで話がある」と言われると会いに行く。

今の梶山先生の心の中でオンコロ先生の占める割合がどれだけ大きいのかを痛感させられる。

でも仲良くなるたびに、お互いの存在が自分の中で大きくなるたびに、真相を知って亀裂が入る日が来ることに苦しくなる。

 

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今回は、

  • 男性の乳がん
  • 若いうちに乳房切除することになった女性
  • 緩和ケアから亡くなる女性

という、かなり重いテーマが重なっていたが、

乳がんの男性は怖かったけど娘にも検査を受けるよう連絡する勇気が出て、

乳房切除することになった女性は逃げたかったけど手術に挑む勇気が出て、

緩和ケア中の女性は自分のことで手一杯でも人への思いやりを忘れない。

それぞれが前を向いている・前を向くようになる回で、苦しさの中に希望を見出せる良い話だった。

 

特に、乳房切除することになった女性の話は印象的だった。

最初は、職場に言いたくないとか、そういう理由だったのが、同い年の友人が妊娠したのを見て、色々なことを考える。

友達のインスタグラムには、幸せそうなエコーの写真がある。

自分の手元にあるのは、乳房にある腫瘍のエコー写真。

自分だけ置いていかれたような、後退しているような気持ち。明るい未来が想像できない。

「人の幸せを喜べなくなっていることが怖い」

ものすごく正直で、胸に刺さった。

 

「前を向く姿勢」を示したのは患者だけではなかった。

 

男性研修医は、「早く(乳房を)とった方がいい」という考えは最後まで曲げないけど、苦しむ患者に嘘のない言葉で寄り添い、乳房切除に踏み切った患者を見て自分も勇気をもらう。

きっと、患者の気持ちを考えずに早く切除しろなんて言う医者にはならないだろう。

そしてこうやって、患者から勇気をもらいながら一人前になるんだろう。

 

梶山先生はがんサバイバーで、不安になる患者に自分の再建した胸を見せる。

触らせるとそこは確かに暖かい。

「自分の一部になる」それがどれだけ患者の背中を押しただろう。

自分も苦しんだ。でもそれが誰かの背中を押すなら惜しみなく提供する。

緩和ケアをしながら他人を思いやる「おせっかいババア」と同じだ。

自分が苦しいからこそ、誰かの力になりたい。優しくありたい。

苦しんでいても誰かを支えることはできる。支えられているだけじゃない。

 

一方で、前回謎のままで終わった梶山先生の目的は、支えることだった。

しかし明かそうとした言葉は遮られた。

きっとここで言えなかったことは、傷をより深くする。もうたぶん旦那が亡くなるまでに言える機会はないだろう。

民代だけが梶山先生の目的に気づいた。そのことが吉と出るか凶と出るか。

 

誰かに償いたい一面も、がんサバイバーである一面も、梶山先生の一部に過ぎない。

「病気」という点では前を向けても、「償い」という点ではまだ前を向けていない。

前を向くために償いたいのかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

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