※この記事では主に、主人公の人間関係に「仕事パートのバディ」と「プライベートパートの恋人(特に物語開始時点で)」が別で存在する場合について話しています。
※厳密に言うと相棒としての意味の「バディ」ではありませんが、「仕事仲間」「理解し合う」「息の合った連携ができる」という特徴を毎回羅列すると大変なので、「バディ」という言葉でまとめて表現させてください。
※基本的に私の見るものが男と女の物語ばかりのため、その想定で書いています。
グランメゾン東京が最終回を迎えてもう1ヶ月も経ったのか。年々時の過ぎる速度が増していく。
私は玉森裕太演じる平古祥平の周辺にいる二人の女性について「どっちとくっつくのだろう」と考えながらあのドラマを見ていた。
まあ大体物語開始時点からいる恋人というのは別れやすいというのもあるし。
(メインで見ていたわけではなく、グラグラメゾン東京をおまけとして見ていた程度だが。)
なんというか、本筋じゃない部分の恋愛ってちょっと邪推して見たくなるんだよ。(最低!人間物語の恋愛的消費だなんて!)
- 祥平の恋人みゆ
最初から同棲している。
シェフとして働く祥平が好きだが、祥平のことを理解しているような松井と祥平が共に働くのを見るのがつらい。
松井のロッカーの取手に画鋲を仕込む。
父親は祥平との結婚に反対。
- 祥平の後輩松井
祥平のことを徐々に好きになる。
料理という点で祥平とわかり合う。
私は、理解もなく仕事仲間の女に嫉妬するような女の子やめとけ!松井にしとけ!と思う気持ちを少なからず抱きながら見ていた。
しかし、祥平が選んだのはみゆ、つまり物語開始時点からいた恋人の方だった。
(選んだというわけでもないが、その辺りのニュアンスは本題ではないので置いておく。)
選んだというよりも、祥平が松井を選ぶ余地はあまりなかった。松井にキスをされて、気持ちを知ってもみゆのことが好きだったから。
たとえば出会いから見ているとか、息が合うようになる様子を見ているとか、視聴者はドラマで映してくれている範囲で判断するしかないから、どうしても後から好きになった方を推しがちになる。気がする。
名探偵コナンで、蘭より灰原!という声があるのもそういう理由が関係している気がする。
出会いから、感情の成長まで全て描かれている方が、たぶん感情移入しやすい。
自分の子供を見ているかのように。
同じ気持ちを結構最近抱いたことを思い出した。
「先に生まれただけの僕」だ。
こちらのドラマでは「物語開始時点」からいる恋人であるサト(多部未華子)を応援していた。
鳴海(櫻井翔)が、仕事で学校に出向し、グループが経営しているその赤字の学校を立て直す物語。
サトは、出向前の職場で働く恋人だ。
同じ職場で働いていたのに、なかなか会えなくなる。自分にはわからない話が増える。
職場の女の先生と息が合っているように見える。その人とじゃないと分かり合えない話もある。自分では教育の話は共有できない。
不安で不安でたまらなくなっていた。
SNSでも、鳴海を信じて待ってあげられず、不安を抱えるサトへ攻撃的な声が多かった。
学校という場所で教育という点で理解し合う職場の女性(蒼井優)の鳴海への淡い恋心を応援する人が多かった。
「こっちの方があなたのしたいことをわかってくれるよ」と。
でも、主人公は元々の恋人を選んだ。というか、揺らがなかった。
仕事で信頼し合う関係の女性を、一度も恋愛対象として見ることなく。
鳴海の中の「恋」の枠に、もう既にサトが収まってしまっていたんだろう。
グランメゾン東京の話に戻る。
祥平は、自分のことを理解してくれるのは松井だとわかっていたと思う。
料理の感覚は合うし、こいつの料理すごいと尊敬することもある。
自分のやりたいことを松井はわかってくれるし松井のやりたいこともわかる。
長い時間を過ごし、ただの友達以上の存在になる。
理解者ではいられる。
でも、理解「してほしい」のはみゆだった。
理解してくれるから好きなのではなく、多分、好きだから理解してほしいんだろう。
一緒に働ける、気の合う異性。
時に、恋人以上に信頼しているのでは?とさえ思ってしまう。
でも、好きで、会いたくて、他の人にとられたら嫌で、そういう「恋」とは別感情なんだろう。
恋人に、バディの代わりはできないが、バディだからといって、理解者だからといって、恋という感情を埋めることもできない。
その居場所はバディにも埋められるようで実は埋められない。
良い仕事相手と良い恋人は実は全く別物らしい。
(多分、「わたし、定時で帰ります。」でも、巧が浮気しなければこういうエンドを望んでいた。)
この感覚を図で表現するとこうなる。(個人の感覚です。)
※ただしプライベートで恋人がいなければの話。いなければバディがそのまま恋人になることもあり。
多分この辺りを区別する感覚は女性より男性の方が持っているんだろうなと感じる…けど、そう感じるのも私が女性だからかもしれない。
傾向として、職場の気の合う男と恋に落ちる女性主人公のTL漫画は沢山あるし。
仕事でうまくやっていける仲間への感情が恋になりやすい。のかな?(クライアント獲得!打ち上げ!イエー!ベッドイン!ウソこいつと!?みたいなやつも含めて。)
まあでも男性向け漫画でも、職場の女性と…みたいなのは普通にあるから「恋」「仲間意識」の感じ方に性差はあんまりないのかな。
全然関係ないんだけど、この記事書いてる途中に読んだ女子アナ不倫の記事で、「長く一緒にいればいるほど近くで苦楽を共にした相手が家族以上になる」と書いてあって、なるほどな…と思った。
相棒が男だったら、恋愛関係になると考えずにドラマを視聴できるのに、
女になった途端、恋愛になるかも…と考えてしまうのは、
我ながら「相棒への感情」と「恋愛感情」の混同が凄まじいな、と思った。
(BL好きな人は、逆なんだろう。)
そもそも恋愛になり得ない感情なのか、恋愛になり得る感情なのか、なかなか区別がつかない。すまない…。
プライベートで恋人がいない場合は、そもそも心の中の恋人の座席にまだ誰もついていないから、バディがそこに座ることもある、と考えて、多分これからも私はこれからも熱いバディに恋愛の発展を望んでしまうんだと思う。
最低だ、俺って…。
これが、バディに恋愛期待しがち問題への私なりの考え。
だからなんだというお話でした。
恋愛に発展したバディもいるんだけど、それなら「なぜあのバディはあそこまでゲキアツな感情をお互いに抱いているのに恋愛にならないのか」問題の自分なりの解答(個人の感想です) pic.twitter.com/ZgO1s34Anx
— つちや (@twottyeah) 2020年1月30日
工藤新一と園子とか、ボクラノキセキの広岡と皆見とか…と思ったけど、あれはバディというほどでもないね。恋愛感情の生じない男女めっちゃ好き。