つちや(仮)

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テセウスの船第3話感想〜こういうのは一回はバッドエンドになるもんだから!気にすんな!〜※原作ネタバレ前ワンクッションあり

「ドラマ化」という蝶の羽ばたきによっても、未来の台風は不規則に発生するんだな。

 

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第3話要約

※原作4巻途中まで。

  • 警察で金丸刑事に取り調べを受ける前に免許証と未来を書き記したノートを崖の上から捨てる心さん(刑事にも佐野にも見られたくない)
  • 未来を知っていることによる行動のせいで疑われまくる心さん
  • なぜか釈放されるも、心さんを待っていたのは、村の人たちの冷たさと、浴びせられる「自分を匿っている罪」を責める声に耐え続ける優しく明るい家族の姿だった
  • 一人では過去を変えられないことを悟り、佐野に、殺人が起こること、犯人として佐野が捕まること、家族はめちゃくちゃになること、自分が佐野の息子であることを告げるも、信じてもらえず追い出される
  • 一方金丸刑事は心さんの未来から来た話を否定はせず、一人で動くな俺が調べると頼もしい発言
  • ノートを拾ったらしい真犯人から、ノート見たぜアピールをされ、鈴を傷つけることを示唆したようなイラストに誘き出され怪我をさせられる心さん
  • 一人で倒れる心さんに駆け寄る佐野は、心さんに協力することを誓うが、「巻き込まれないように村の外に引っ越してくれるか」と問う心さんに、警察としてそれはできないと答える佐野
  • 協力を誓った佐野と心だったが、心が突然霧に包まれ戻った未来では佐野は変わらず殺人犯であり、さらに元々苦しみながらも生きていた母と兄は一家心中で死んでいる世界線に来てしまった

 

 

 

主観による評価

★★★★☆

 

過去変えたら一回は未来一層酷くなるもんだから!ドンマイドンマイ!気にすんな!

タイムスリップってどれもそんなもんだよ!

もっかいやっちゃおうぜ〜〜!!!!

 

って、登場人物も思えたら楽なんだろうけどね。

お試しタイムスリップじゃないからな。(戻る方法も不確定な霧だけだし。)

 

今回は、佐野に自分の正体を告げるシーンで泣いた。

原作の心さんはあくまで冷静に伝えていた。涙を流しても、後悔から一筋の涙、くらい。

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(4巻より)

それが喋るのも難しいくらいぐちゃぐちゃに泣きながらの告白になったのはとても良かったと思う。

心さんは、父親に甘えた記憶がない。

泣きながら、自分が息子だと伝えて協力を仰ぐことは、彼の初めての父親に対するわがままだった。

原作だとあっさり済まされていたからわからなかったが、ドラマで改変されたことで伝わってくるものが大きく変わった。

彼は甘えたかったんだ。

だから感情的になって、涙が溢れて止まらない。

後悔や、会ったことのない父親に本当のことを話せる喜びに似た感情が、あの涙に詰まっていたんだろうなと思うと切ない。

過保護のカホコといい、竹内涼真はイケメン俳優なのに汚く泣く演技ができるんだなあと印象も変わった。

 

ただ、一つ気を付けて欲しかったのは、「あなたが犯人です」じゃなくて「犯人として捕まったのはあなたです」程度に留めてほしかったということ(笑)

そりゃ「俺が殺すわけねえだろ!」ってなるわ。実際殺さないんだろうし。

言い方よ、言い方!

 

しかし、金丸の死亡フラグがすごいが、金丸の動きのあらゆる場面が補完されていていいなあと思った。

金丸、勿論モブというほどでもないが、ここまで丁寧に扱ってもらえる人物ではなかった。

でも、ドラマで行間を埋めることで、人間の動きになっていてとても良いなと思う。(ネタバレの項目で触れる。)

ただしあらゆる行動と発言が典型的な死亡フラグだな…と思った。

タイムスリップで理解ありすぎる過去人は、優しさゆえに損をするんだな。

 

 

 

「こんな家族の中で成長できるはずだったんだな」(ツイートまとめ)

幸せな家庭が描かれるたびに、心さんもここで健やかに育つはずだったんだなあと悲しくなる。

鈴の心配をする両親。

心さんもこうやって心配されてたはずだった。

 

 

 

こまかい感想

  • このシーンのカメラワークと鈴木亮平の演技がめちゃくちゃよかった。隠し事してるってわかる。

     

  • 第2話の最後の霜降り明星せいやの表情が、「お前絶対犯人と違うからその顔やめろwwwwwwww」って言われてて笑った。

 

  • 過去はもっと慎重に変えないとバッドエンドになるに決まってんだろ!!でもすぐにニュース調べたのはえらい!

 

 

 

 

 

原作との違い(ネタバレあり)

  • 原作では仲直りせずに現代に戻る

ドラマでは、佐野と心さんは一度仲違いして、金丸のサポートで再び協力し合うことに決めていたが、

原作では、心さんは佐野に追い出されて失意のままに歩いていたところ霧に包まれ現代に戻る。

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この2ページ後に、

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これ。

ちなみに、戻った現代の状況はドラマと同じ、一家心中世界線

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和解して、これからの希望を持っていたのに現代に戻される、上げて落とされるパターンと、

和解できず、「もっとうまく話せばよかった」と思うしかない下げて下がり続けるパターンと、

どっちが良かったんだろうか。

協力できるはずだったのにできずに戻る方が、心さんに「急に現代に戻した世の理」への憎しみを抱かせるのではなかろうか。

 

 

原作では、金丸は確かにモブではないとはいえ、ドラマと比べるとかなり行動描写が少ない。

それゆえ、急に死ぬ。

一応、捜査方針に疑問を思っている描写はしっかりあるが、

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ここ(27話)から登場せず、なんの前触れもなく38話(5巻)で死んだことが佐野死刑囚から伝えられる。

捜査の様子どころか、見てわかる死亡フラグ発言もない。

(終わったら酒でも飲もうや!なんて言ってたら原作でも「こいつ死ぬな〜」とわかっただろうけど。)

金丸刑事が長谷川・明音殺害事件(原作では明音も長谷川も死亡)の真相を独自に探っていたことはここで初めてわかる。心さんが絶対犯人だと決めつけていなかったことも。

ドラマでの補足は、「金丸刑事も疑わしいことは自分の足で調べていたんだ」ということがわかり、非常に情のある人間だということを伝えてくれる。味方じゃなくても、こんなにフラットに見ていたんだなあ。

まあ、それを補足されたことで、より一層死んだときの悲しみが増すわけだが。

描写増やして悪い奴じゃないじゃん!って思っちゃったら死んだとき悲しくなるじゃん!鬼畜!

 

まあ、原作と同じように金丸が突き落とされて死ぬとは限らないが。

(そこまでの経過がもう全然違うから、原作と同じだろうと断言はできない。)

 

 

 

 

 

 

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