つちや(仮)

大体当クールドラマ感想。たまに漫画、たまに旅、たまに雑談。

シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。第10話(最終話)感想〜何度生まれ変わっても、また君に恋をする〜

 

前回の感想

 

 

 

主観による評価

★★★★☆

 

救いがあるというより、むしろこれ以外正解なんかなかったと思う。

直輝の中にレンの記憶が残っていたら、自分のことを忘れたレンと再び出会っても、リコのことを忘れられない。

レンの中に直輝の記憶が残っていたら、ミスパンダにされて利用されていたことを忘れられない。(きっとまた好きにはなるだろうけど、それは純粋な好意ではない。)

2人が健全に出会い、1人と1人として真剣に向き合い寄り添うためには、一度お互いのことを忘れなければならなかったんだ。

どちらかといえば、「直輝のため」の側面の方が大きい。

直輝にもレンにも記憶が残っていてしまうと、騙していた負い目があって、レンが自分に向けてくれるのと同じ気持ちを向けられないことに罪悪感を抱き、それでも突き放せないだろうから。

 

レンは、多分覚えていてもまだなんとかなった。いずれにせよ好きだし。

ただ、直輝は尽くされることに苦しんだだろうな。

特に、催眠の解除に必要のないキスをするくらい、彼はリコに救われていたから。

恋をしていた…のかな。それは定かではないけれど。

「好きになってもらえるよう」振る舞った結果自分を好きになったレンではなく、

どんなに頑張っても、自分のことは見てくれなくて、母親とレンのことしか考えていないリコに、

彼は惹かれていた。

リコは、自分が誰かを苦しめる世界に戻りたくなくて、目を覚ましたくなかった。

でも、他でもない直輝を死なせないために、自分が苦しい世界へ目を覚まして戻ってきた。

その事実がどれだけ直輝の心を救っただろう。

救い続けて欲しかっただろう。

でも彼は、リコのままにすることもできたのに、リコの願いを叶えてレンに戻した。

彼の愛は、自分のためにリコを苦しめリコのまま生きながらえさせることではなく、リコの望みを叶えてあげることだった。

 

リコのそばで生きることも苦しい。

どんなに頑張っても、リコは自分を見てくれないから。

リコにとって心残りは母親のことだけだったという片思いを永遠に突きつけられるだけ。

リコと共にいる自分の夢は叶わないのに、リコだけはもう夢を叶えてしまった。彼女の夢に自分はいないという孤独。

でもリコのいない世界で生きるのも苦しくて、記憶を消したんだろう。

記憶を消すしかなかった。

苦しみから解放されるためには。

レンが直輝に片思いをしていたように、直輝もリコに片思いをしていた。

2人とも、片思いの苦しみを忘れた。そこからまたスタートするんだ。

ちょっとトドメの接吻を思い出した。

 

ただ、リコも、完全に直輝のことどうでもよかったわけじゃないんだよね。

誰かを傷つける苦しい世界だとしても目を覚まして、飼育員のためにパンダちゃんねるを配信した。

それは直輝のため、ただそれだけだったんだよ。

それもまた、愛だったんだと思う。

 

そして、今回ずっと貫かれていた、「女が男の心を守っているようには見えないけれど実は守っている」構図が本当に好き(個人の感想)。

直輝がリコを英雄視しているのがすごく良かった。

 

ちょっとだけケチをつけるなら、レンとリコと直輝のエモーショナルな側面にスポットが当たりすぎて、あずさを殺せなかったこと=父親の事件の決着が曖昧だったのは残念だったかな。

ん?結局心の中での決着はどうやってつけたんだい?死ななかったのはわかるけどさ?みたいな。

 

まあでも、

リコの望みが叶えられて、

直輝は心穏やかな生活を得られて、

レンは夢に向かって生きていて、

そして今度はまっさらな気持ちで道が交わる。

希望があって、救いがある終わり方で、私は好きでした。

3ヶ月お疲れ様でした。

 

 

 

Huluについて少しだけ

「どこまでが本編か」の解釈が公式と違うのかな?

 

 

 

最後のガバ

都合よく自己催眠でレンとリコとミスパンダのことだけ忘れちゃう。

あずさのことは?パパのことは?パパの死とどう決着をつけたのか?どこまで消したのか?どこまで消したら自分の中の決着と矛盾がいかなくなるのか?

 

そんな疑問は美しいラストのために消しちゃいました!はい終わり!

 

 

 

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