つちや(仮)

大体当クールドラマ感想。たまに漫画、たまに旅、たまに雑談。

アンサング・シンデレラ第1話感想〜ミッドナイトランナーより走っとる〜

「ドキッ!ツンデレだらけの薬剤室24時」みたいになってたな。(なってないよ)

 

主観による評価

★★★☆☆

※私は医療従事者ではないので、現実で薬剤師が救急医療に関わるのかどうかを全くわかっていません。

裏側がわかって興味深かった!

そして、説明がありつつも、基本的には行動で仕事内容を見せているところは、映像媒体ならではだなと思った。

マンガでも、小説でもカバーできないところ。

裏に薬あんなにあるのか!あの中から探してんのか!そりゃ時間かかるわな!イライラしてすまん!と、視覚で納得できる。

 

前のアライブでは外科医と内科医だったけれど、言葉で長々説明しなくても、見ているだけで役割の違いがわかる・すんなり入ってくる物語は、ドラマとして面白いなと思う。

原作を読んだ時も、f:id:tonsemgarden:20200715222013j:image

「医者と何が違うの?」と思いながら読み進めていくと、

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医者との領域の違いが自然と理解できる。

「どうして処方するわけでもないのに薬剤師に病状を説明しなくちゃいけないの?」と考えている、私のようなあんぽんたんでも、薬剤師が最後の砦であることがわかる。

少しでもおかしいところがあったら、確認してくれていたんだなあ。ありがとう薬剤師さん。

↑こんなデータもあるらしい!

それをドラマならではの演出で見せているのが面白いなと思った。

しかし、フジテレビの木曜22時医療枠、安定感ある。

迷走した時期もあっただろうけど、私はすごい好きだな。

 

一方で、映像媒体ならではのデメリットも存在するなと感じた。

マンガでは数コマで終わっていた職務放棄のシーンが、ドラマでは長く描かれる。それは、葵が他の行動をしている間、他の人たちが何をしているのかも描かなければならないから。

実は原作マンガでもそれなりに職務権限を逸脱しているのだが、そこまで気にならなかった。でも、ドラマだと、「それ看護師の仕事だよね?」「他の人仕事してるよね?」「他の人こんなに忙しそうだよね?」「患者慰めるのも薬剤師がするの?」とめちゃくちゃ違和感が生まれてしまった。(普段医療ドラマを見てしまっている分、余計に?)そういう余計なことを視聴者に与えてしまうのがドラマで、与えずに済むのが漫画だと思う。

でも、患者のためになるなら積極的に患者に関わる薬剤師の物語なのだから、合わないなら見るのをやめる以外ない。

 

個人的にとても良いと思ったのは、新人がいるところ!新人がいると、新人への解説という体裁で、視聴者にも解説してもらえる。

間抜けで足を引っ張る新人はイライラもするけれど、ただの無知はものすごくありがたい。特にこういう、専門知識の必要なドラマは。

原作では、主人公が「熱意はあるけどまだ欠けている知識もある」という、ドラマにおける新人の役割も兼ねていた(完全な新人ではなく、下っ端程度)が、ドラマでは主人公に「アワアワ…」感がない代わりに、新人キャラが最初から常に登場している。石原さとみに貫禄がありすぎるから役割を分散させたのかな?

熱意があって堂々と医者に進言する無鉄砲な薬剤師と、新人薬剤師。良い分け方なのかもしれない。

あと、主人公に全てを担わせると、ドラマの場合共感性周知が凄まじいことになる可能性が高いため、これでいいなと思う(笑)どうしても、失敗を経て成長につながるせいで、失敗のシーンが描かれるからね…。

第1話でみどりがしたことは、余計なことではあったけれど、無駄でも失敗でもないから、主人公が新人役じゃないのは良い改変だと思う。

特に、新人がお洒落靴から動きやすい靴に変えたことで、やる気を表現したこと。

だからと言って過度に最高の職場だと讃えることなく、「いつでも辞める」という気持ちも持ち合わせていて、熱意と現実のバランスをとった感想になったのがよかったな。

熱意のある先輩を見て、「いつでも辞める」から「この職場で働き続けます!」になるのは感情の振り幅が大きすぎるけど、仕事をする様子を見て着地した場所は非常に現実的で、ちょうどよかった。

 

そして、成田凌のシーン。

本当はドラマを見ている時こんなこと考えたくないんだけど、どうしてもニュースは目に入るし、撮り直したシーンだと思いながら見ると、何気ない会話なのに涙が出てくる。

そのせいで親が薬剤師の怪しい青年ということしか覚えられなかった。すまん。

 

ちょっと詰め込んでたけど、1話だしこれくらいのスピード感でもいいのかもしれない。

まずキャストがいいから、見続ける以外の選択肢がない…。石原さとみ西野七瀬真矢みき桜井ユキ井之脇海も大好き。田中圭はもちろん。

それに加えて、感動と、医療のスリルのスピード感のバランスもいいし、いいドラマ化だと思う!

ちょっとした懸念としては、よくわからないギャグシーン?笑いを誘うシーン?が全国のお茶の間で滑ってんじゃないかってことくらい!(笑)

 

 

 

良かったところ/悪かったところ

良かったところ
  • 新人がいる→視聴者にわかりやすい
  • ぶっきらぼうな優しさを披露する田中圭(ナイスキャスティング!!)
  • かわいそうな母親役が異常に似合う西原亜希(被害者遺族も似合う)
  • 原作のアレンジが上手い
  • エンドロールが神

 

原作でも素敵なんだけど、もう少し小汚いおじさんっぽいキャラクターなのを田中圭にしたの、1000000000000000点あげちゃうフジテレビ…LOVE…。

 

あと、原作の、1型糖尿病の子供たちのエピソードを、ドラマ用にアレンジしているのが上手いと思った。下敷きにはしているけれど、主体となる女の子が逆だったり、抱えている思いを深掘りしていたり。

漫画の1話でおさまっていたものを、そのままドラマにしたら1時間は保たない。それをドラマの尺に合わせて、尚且つ間延びしないように、感情のやり取りを増やす。

そしてあのエンディング。

なんだあれめっちゃいいな。これからもやってくれるのかな?あの2人が夢を叶える歳になるまで葵みどりがあそこにいることもわかって、ほっとした☺️

 

悪かったところ
  • 薬剤師は症状から診断しないよね?
  • 薬剤師は治療方針決めないよね?(この点滴打ってなんて勧めないよね?)
  • 1話だからか、少し詰め込みすぎかな?
  • さすがにあな番と被りすぎて、新人が悪人に見えてくるレベル(笑)(田中圭西野七瀬、シンイー、管理人かな?)

 

ど素人の私でももやっとしたから、全国のお医者さんや薬剤師さんのもやもやはもっとすごかったんだろうと思う…。

スーパー看護師。家庭の問題まで解決する教師。

職務を逸脱するのはドラマのお決まりだが、それでも薬剤師がここまでやるか?と私でさえ思ってしまった。

でも、もしかすると医療関係者は元々ドラマに期待してないかもしれないな…。(※憶測)

 

 

 

原作と石原さとみ

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第1巻でこのシーン読んだときに、石原さとみだわ…と思った(笑)

仕事にこだわり、妥協を許さない。不正があれば権力にも歯向かう。イメージ通り。(具体的には校閲ガールを思い浮かべているかもしれない。)

石原さとみは、良くも悪くもえぐみが強いから、高嶺の花やHEAVEN?のように、高飛車がそのままメインの個性となった役柄は胃もたれしそうになることもあるんだけど、校閲ガールのように、暑苦しくも愛おしくなるような頑張り屋さんの役は、この女優で良かったと思える、すごい人だと思う。その一方で、アンナチュラルのような役もできるからさらにすごい。

今回の役もそう。暑苦しいけど、壁にぶつかりながらも光を見失わない石原さとみの瞳は、みどりを演じるのにぴったりだと思う。

原作を知らずに見たらどんな印象になったかはわからないけど、私はかなり、今回のキャスティングは好きだ!

 

 

 

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