つちや(仮)

大体当クールドラマ感想。たまに漫画、たまに旅、たまに雑談。

アンサング・シンデレラ第3話感想〜9割の辛いこととたった1割のやりがい〜

「理想を追いかけろ」ハラスメントがちょっと辛い回だった。

 

前回の感想

 

 

 

主観による評価

★★☆☆☆

 

わざわざ資格を取っているのだ。小野塚にもきっと理想があるはずだ。

でも、理想をしっかり見つめる時間などない。理想よりも手前に現実があり、それに対応している間に時間は経過し、いつの間にか理想は遠く遠く彼方にいる。読みたいテキストを覆い隠すように、いつの間にか見えなくなってしまう。

好きでそうしているわけではない。理想ばかり追いかけて現実をほったらかしにしてはいけないから、「本当にしたいこと」を望む気持ちを押し殺している。

そんな中で、時間の概念なんか気にしないかのように、目の前の患者を助ける理想のために走り回る人がいたら、青くて眩しくて腹も立つだろう。理想と現実の配分など考えず、理想に向けてアクセルベタ踏みできる人間が目の前にいるのだから。

腹が立つ。それでも羨ましい。なりたい姿がそこにあるから。だから、再び勉強する意欲を取り戻したんだろう。追いつきたい、追い越したい。それが彼の原動力なのかもしれない。

 

それにしたってあの言い方はないだろう。小野塚が瀬野に憧れていたおかげで素直に従ってくれたけど、葵は理想しか追いかけないせいで現実を蔑ろにしているのだから。両立するつもりがハナからないからうまくいっているだけなのに、「誰だって理想を追い求められるはず」なんてよく言えるなと思った。

理想を追究できることがえらいのだろうか。できない小野塚さんを責めないでほしかった。押し殺した気持ちを怠惰であるかのように扱われ、「やっている人もいるんだからお前もやれ」と押し付ける。

瀬野さんは、葵に自分のしたいことじゃなく患者がしてほしいことをやれと言った。

葵は、患者でなくても、他人全般に対して相手のして欲しいことをするんじゃなく自分の気持ちを押し付けることしかできないんだな。

 

このドラマは毎回色々な病気、薬の知識を扱う。そして新人が疑問に思い、周りが解説する。素人の私でも知識が広がる。それと同時に患者を取り巻く人間関係も物語として面白い。

でも、まだ主人公の暴走機関車に心がついていけていない。でも、主人公を好きになりたいと思っている。

 

病気はアイデンティティ

その答えはもちろん人によると思うけれど。

小林麻央が書いていたブログで、すごく心に残っているのが、「病気になったことだけが私の全てじゃない」という内容。

小林麻央乳がんと闘っていたけれど、彼女のアイデンティティの全てが「乳がんと闘う人」になったわけではなかった。彼女は誰かの娘で、誰かの妹で、誰かの妻で、誰かの母で、趣味があり特技があり、彼女自身の考えを持っていた。その中の一つに病気があっただけだった。

確かに全ては命があってこそだけれど、命があったって生きがいを失っては意味がない。その後の命をどう使えばいいのか?持て余す人もいるだろう。

私も、もちろん理性では命あってこそだと理解しているけれど、多分、命のために視力を失い漫画を読めなくなるくらいなら、視力を失わずに命を削ると思う。

だから、病気を治すことに専念して仕事を失いたくない新田さんの気持ち、少しだけわかる。(私は仕事をしなくていいならウェルカムだが。)

生きてるだけで丸儲けって考え方も、もちろんいいけどね。

 

教師という仕事

辛いことばかりだろう。与えればその分返してくれるわけでもない。それなのにおよそ40人の子供を育てなければならない。

それでもなぜその仕事を続けるのかって、どんなに現実が辛くても、理想を見つめる1割の時間が楽しくて、そのために頑張っちゃうんだなと思った。

今度こそ、病気と闘いながら理想の教え方ができるようになるといいね。理想は何度更新したっていい。自分の体にあった理想を考え続けてほしいな。

 

成田凌

普通に演じてるけど、かなりギリギリだったはずだよね。

専門用語が盛り沢山のセリフを早口で言えるようにするためにどれだけ努力したんだろう。

頑張ってるなあ。清原翔も気合入れて帰ってきてほしい。

 

 

 

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