前回の感想
主観による評価
★★★☆☆
「運命の人なんていない。運命の人に"する"の。」
メイのお母さんのアドバイスで、逃げ恥の、みくりのお母さんの台詞を思い出した。
夫婦になったからと言って、最初から最終形の夫婦になれるわけじゃない。
最高の夫婦関係が努力もなしに口開けて待ってれば食べられるわけじゃない。楽しいと思える日々に、幸せだと思える関係にするのは自分。
喧嘩したり、意見が食い違ったり、腹が立ったり。少しずつ二人の価値観の中心を選んだり、どちらかの意見を選んだり、そういう経験を積み重ねて夫婦の形は出来ていく。
そして、完成することはないのかもしれない。永遠に、なりたい形に手を伸ばす作業が続くかもしれない。
最初から完璧な夫婦になれるわけじゃないし、決まった形があるわけじゃない 夫婦生活は自分たちの夫婦の形を探すこと #私の家政夫ナギサさん
— つちや (@twottyeah) 2020年9月1日
メイとナギサさんの生活も、最初から最終形の夫婦関係ではない。結婚で全てがガラッと変わるわけじゃない 一つずつ 少しずつ 何かが変わって いつしかオリジナルの夫婦の形が出来上がっていく #私の家政夫ナギサさん
— つちや (@twottyeah) 2020年9月1日
これから、もしかするとナギサさんに介護が必要になったり、メイが子供を産んだり、さらにもしかするとメイが家事担当になったりするかもしれない。形は次々に変わるんだろう。
だから、最初に沢山のルールを話し合うことも大切だけど、不測の事態が起こってもその都度話し合って夫婦としてのあり方を変えていこうという柔軟な考えとそれを続ける覚悟があることがとても重要なんだろうな。
浮気された知人が言っていた、「浮気された時、離婚すべきか継続すべきか、正解はない。選んだ道を正解にするしかない」という言葉を思い出す。
夫婦の形にも正解はなく、自分たちのその時のあり方を自分たちにとっての正解にしていくしかない。
正直、見終わった当初は、結局大事なことを話し合う時間がないまま「あなたといたいです!」で結婚が決まったことにモヤモヤしていた。子供いる・いらないとか、意見食い違ったらどうするの?とか。
でも、どんな困難があっても、この道で良かったと思えるように二人で決めることが出来るなら、この二人の幸せは続くんだろうなと思えるようになった。そう信じたいと思える最終回だった。
新時代の夫婦のあり方?
トライアル当初は家事分担について悩んでいたメイだったが、2日目にはナギサさんが家事してくれることや、リクエストに応えることを当たり前だと捉えるようになってしまっていた。
そうすると、今まで仕事だったから気にならなかったのに、結婚という形になった途端、ナギサさん「だけ」が家事をする違和感が浮き彫りになった。
「どちらかだけが家事するなんておかしい」という台詞を入れるより、ずっと視聴者の潜在意識に訴えかけてくるようだった。
そして、これが男女逆だったらきっとその歪さは感じず、「そんなもんだよなあ」と思ってしまっていたであろう自分にも気付かされた。反省。
役割から見直すことが、これからの夫婦のあり方なのかもなと思う流れだった。
でも、この辺は、
もしかすると、「この結婚、ナギサさんにメリットあるのか?」
— つちや (@twottyeah) 2020年9月1日
やりがい搾取してはいけないということに自ずから気づくの偉すぎる
#私の家政夫ナギサさん
メイがナギサさんが家事を行うことに違和感をもたない
→夫ではなく家事マシーンがほしかったのでは?
→二人で揉める
→仲直り
という展開も(もう1話あれば)用意されていたかもなと思った。
ハラハラしなくてありがたかったけど(笑)メイが自分で気づいてくれたおかげ!
恋じゃなくても、結婚じゃなくても
結局恋をする前に結婚を提案するなら、結婚トライアルは最終話じゃなくても良かったんじゃないのかと思わずにはいられなかった。
瀬川の心残りの解消も、本来はもっと時間をかけられる予定だったんじゃないだろうか。
2話くらい前に結婚を提案して、
1話くらいかけてあり方を模索して、
結論選んでからの人生も最終話で描いて、
尊敬から始まる現代の結婚は如何なるものか、話し合い二人で決める生活はどのようなものか、ぜひ見てみたかったなあ。
うーん、最終話1話前でやって、最終話は結論を経た世界を見たかったネ https://t.co/qFqEmLr6tN
— つちや (@twottyeah) 2020年9月1日
「シンプルな恋愛感情以外のつながりを持つ二人が、共に生活する未来を具体的に考える」というのは実に現代的だし、考えるべき事柄をかなり具体的に提示していて、「現代の働く女性」を扱ったドラマとしてはふさわしい最終回かもしれない #私の家政夫ナギサさん
— つちや (@twottyeah) 2020年9月1日
まあでも、最終的に恋…になってたんだよね?
前話までの感想でも書いた気がするけど、感情の成長はよくわからず、見ていて置いていかれた気分になってしまった。
私が納得しようがしまいがナギサさんはメイが好きなんだけどさ(笑)
この感情の速度なら、無理に「好き」という結論を出さずに、一緒にいたいし、これから好きになるっていうのでも良かったなーという願望。感情の変化がちゃんと描かれる方が好きっていうだけだけど。
あと、結婚しなくても楽しそうなんだから、結婚という形にこだわらないパートナーもアリだったと思う。まあこれはどちらでも良かった。別にゴリゴリの社会派ドラマになって欲しかったわけでもない。
恋に収束しても、結婚に収束しても、メイとナギサさんの、現代的で新しい家族のあり方には変わりがないので、これでいいと今は思っている。
↑ナギサさんが真剣に考えていたの、すごく良かった。取り決め?めんどくせーな!って言い出す人じゃなくて良かった。「価値観のすり合わせをしないとトライアルの意味がない」言われてみればたしかにそうなんだよな 新婚気分を味わうだけでは「楽しかったので継続しましょう!」と安直に決めてしまいそうだもん ナギサさんもトライアルに真剣に向き合ってる #私の家政夫ナギサさん
— つちや (@twottyeah) 2020年9月1日
二人には思いやりがあって、言葉にしないと伝わらないと二人ともわかっているから、安心感がある。メイは「私との結婚にメリットあるのかな」と考え、ナギサさんは「自分との結婚は彼女の人生を縛るのでは」と考える。互いに「負担になってはいけない」と考えて、一緒にいたい人といられるチャンスを逃すのは寂しいから、ちゃんと考えようって言葉にできてよかった。 #私の家政夫ナギサさん
— つちや (@twottyeah) 2020年9月1日
追記:最終話に感じたモヤモヤの理由を考えた
最終話を見て、一晩経って考えたこと。
ざっくり言うと、制作側が描きたいんだろうなと「私が」勝手に感じていたものと、ドラマがくっつけた相手がちぐはぐだった。
つまり私が勝手にハードルを上げたのが悪いのだ。
恋愛に縛られない結婚・結婚に縛られないパートナー。
典型的なラブストーリーではなく、そういった新しい時代に着地すると勝手に思い込んでいた。反省。理想をドラマに押し付けるな。反省しろ。はい。
でも、ラブコメに見せたドラマでいきなりそんなことをやらかしたらそれはそれで問題な気がする。わかっているのだ。
ドラマの変革もゆっくりと進んでいるんだろう。
恋愛じゃなくても一緒にいていいし、結婚してもいい。でもそこまで先進的なことはまだ描けなかったかな、とも思う。
ラブコメを求める視聴者に誠実だったから、これはこれでいいのだ。私のようなつまらない文句を言っている人間を無視するのはあまりにも正しい(笑)
「おじキュン」というパッケージが最後までなかなか受け入れられなかった私のことなど無視でいい。最終的には顧客じゃなかったのだ。(5話くらいまでは客だったもん!!)
ドラマ制作側はきっと、普通の「身近な人を失いそうになって大切さと本当の気持ちに気づく」というラブストーリーの枠組みを最初から逸脱せず守るつもりだったんじゃないだろうか。
だから、最初と最後でお約束を守れていればそれで良かったんじゃないかと思った。
最初の出会い、見損なって見直して、感謝する・される機会があって…定型の「気持ちを重ねる展開」と、お互いに大切さに気づく終わり方。
でも、「恋愛」感情に違和感があった。
メイがナギサさんの同僚とのわだかまり(逃げ恥でいう呪い)を解決するくだりで、どうしても「好きです!」にたどり着くほどの情緒の成長を感じることができなかった。
他の顧客と比べて特別大切だったことを、もう少し知りたかった。
メイからナギサさんへの気持ちはわからなくもないけど。
また、一晩置いて考えると、やっぱりメイのしていることは「好き」の搾取に思える。向き不向きで役割分担していると言われればそうなんだけどね。
これらをまとめてざっくり言うと、ナギサさんからメイへの気持ちを、不快にならない展開のために「恋愛に"させた"」印象だった。搾取にしないためにナギサさんからも好意があることにしないといけなかったかのような。合意があるならいいだろ?って。
ナギサさんからメイへの「特別」が成長する経過を、もっとゆっくり描いてくれたらよかったのかな。私はモヤモヤしなかったのかな。
特に、ナギサさんが「お母さんにしてくれた」ことに感謝しているというのが大きい。
搾取感が残らないのは、田所とくっついてナギサさんはこれからも生活のパートナー、みたいな終わり方だったとは思う。
でも、「そこまでしなくてもいい」という判断なのかな。
だって、「恋愛」「結婚」という枠に収まったとは言え、家事や介護をしないのは愛が欠けているからではないということを明確に提示したのだ。
それだけで十分先進的だったかもしれない。
妻が介護しないなんて愛がない!なんて血迷った言葉を一蹴する。
それを思うと、介護が遠い田所より、ナギサさんと結ばれたことにも納得がいく。
家事をする仕事で、介護が近い人間と結ばれることが必須だったのかもしれない。それならナギサさんしかいないのだ。
向き不向き、時間、その人に合ったものを選べばいい。愛がないわけじゃないんだということを示すために、彼でなくてはならなかったのだろう。
いや、それならやはり田所と結婚してナギサさんに家事を頼んでもよかったのでは…と思ってしまった。恋である必要は?恋にする必要は?
これも、無理に「大切」を「恋」の枠に当てはめたように感じたから、今更考うだうだとえているんだろうな。
お金で解決することに罪悪感を抱く必要はないという新たな価値観を提示し、恋関係なく結婚トライアルを提案した結果合理的な結末を選ぶなら、「田所の方がいいのでは?」と思ってしまうのは、ナギサさんからメイへの感情に、どうしようもない求心力に引き寄せられた感じがしないからかな。
ナギサさんは言葉で好きだと説明はしてくれたけど、感情の発露は全く見えなかった。
たとえばメイがナギサさんのあとをつけるような、「感情に突き動かされて行ったこと」があまり見つけられなかった。
まあ、相手の負担になるかもしれないと考えて去ってしまうのはかなり感情的ではあるな。
「私は今恋をしているのか?」「この感情は恋だ!」って、わざわざ恋だと決めなくても一緒にいたいって思えばいいと思うんだけど、なんでわざわざ明確な名前のある枠に最終回で急にはめ込みだしたのかを考えている
— つちや (@twottyeah) 2020年9月3日
結局、「これは恋です」「合意です「両想いです」→「だから搾取じゃありません(望んで家事をしています)」という免罪符のために必要だっただけな感じがしたんだよね
— つちや (@twottyeah) 2020年9月3日
その免罪符に一番いい感情が恋だった
あとは単純に、追加した割にナギサさんと拮抗してさえいない、生かし切ってもらえなかった当て馬描写がモヤモヤの原因だな。
せっかく追加したならもう少し上手く使えたんじゃないか…。関係を推し進めるためとはいえ。
プロの当て馬
もうね、びっくりした。当て馬しぐさ
— つちや (@twottyeah) 2020年9月1日
・自分から「僕ではダメなんですね」と先回りフラれしてしまう
・自分を振った相手の幸せの後押しをする
#私の家政夫ナギサさん
当て馬欲張りセットか?と思った。
今日読んだ瀬戸康史の記事に、かっこよくてなんでもできるけど、ちょっと刺激がないという印象の容姿が当て馬のゆえんと書いてあり、すごくわかるけどなんという因果な顔に生まれたのだ…と思った。「俺ではダメでしたか」当て馬人生7周目だから先に言っちゃう だから当て馬なんだよ田所 #私の家政夫ナギサさん
— つちや (@twottyeah) 2020年9月1日
しかし、田所の生かし方には疑問が残った。田所の汚部屋設定、「メイとの親近感」かと思ったら、「メイがナギサさんの有能さを改めて感じるための踏み台」だったので、マジで公園でキラキラ笑ってたお前はどこいっちゃったんだよ、田所 #私の家政夫ナギサさん
— つちや (@twottyeah) 2020年9月1日
もう少しうまく、メイに何かを残す当て馬にできなかったのかな…。第1話から出てたのに!
その他
トライアルを吹聴するのが面白かったなあ。
普通少女漫画だと「隠さなきゃ!」って感じなのに。逃げ恥もそういえばこれだった。
新しいなと思った。
ここ、かなり気になった。土日挟みなよ…。話し合いの時間なんか持てるわけがない。平日あんなに忙しいのに。トライアルするなら土日も含めた方が良かったのでは メイ忙しいし、平日に語り合える時間ほぼないじゃん #私の家政夫ナギサさん
— つちや (@twottyeah) 2020年9月1日