つちや(仮)

大体当クールドラマ感想。たまに漫画、たまに旅、たまに雑談。

おカネの切れ目が恋のはじまり第1話感想〜お前も綻びだらけやないかい〜

主観による評価

★★★★★

 

スゲーーーー面白かった!

水と油の男女が一つ屋根の下で暮らすラブコメがそもそも好き(俺はちゃお生まれ別マ育ち)だし、お金という、生まれや環境で価値観が大きく変わるテーマを軸にして人間関係や行動を描くという展開もすごく好みだ。

たった1話だけでも、「お金を大事にする」人を複数描いた。生きていくためにお金が必要な人と、生活を豊かにするためにお金が必要な人とでは、同じ「お金が大事」でもこんなに違いが現れるというのが面白かった。

お金に追い詰められる人、お金を道具にして誰がの興味を引きたい人、お金を使っている感覚がない人。

ただのドケチと散財の物語ではないのだ。

 

そして、第1話丸ごと使った九鬼の「清貧」というイメージを盛大な前振りにして、一見一方的に正すかに思われた猿渡との関係が、正す者-正される者ではなく、ただの似た者同士だというどんでん返しの大オチがめちゃくちゃ面白かった!

あんなに時間かけて描いたのにひっくり返しちゃうの!?1話かけて交際にこぎ着けたら親同士が再婚しちゃった!みたいなやつやん!(わかりにく!)

騙されたー!と思ったし、掴みの1話として天才だと思った。綻びだらけってお前やんけ!

↑こんな風に思ってたのにwww

脚本が天才じゃない?凪のお暇の人?あーもう、好きです。名前忘れません。


面白すぎて興奮すると同時に、やはり悲しみも押し寄せた。

こんなに、10話見たいと思わせるような1話を見せられて、我々は4話で手を離されるのだ。


また、このドラマの問題提起が是非見てみたかったとも思った。10話かけて紐解かれる様子を見たかった。

火曜22時の枠、最近は現代の諸問題を柔らかくじわじわと描く印象がある。

このドラマが10話で、ラブコメに織り交ぜながらどんな人間関係を、どんな現実の苦しみを取り除くのか、ゆっくり見たかった。


もちろん4話でも面白いものに仕上げるんだと思う。

でも、そこにはどうしても「大変なことがあったから、どんなまとめ方でも仕方ないよね」という低いハードルが用意されているように感じる。

実際私も、4話が尻切れとんぼで終わっても、仕方ないよねって思うだろう。

本当はもっともっと高いハードルを超えられたはずのドラマだっただろう。

ミスチル主題歌だよ?かなり力入ってたんじゃないかな。

低いハードルで甘い評価をされなくても最高のドラマになるポテンシャルがあったんだとわかってしまった。


でも、撮り直して当初の予定通りの話数作るわけにいかなかった理由もよくわかった。

猿渡は、三浦春馬しかいない。

人懐っこく、それでいて誰の一番にもなれず孤独な優しい笑顔。金遣いが荒く、それでいて嫌味がない。

コンフィデンスマンJPで恋愛詐欺師役を演じたのも超納得の人誑し。

軽薄だけど優しくて、少しずつヒロインに惹かれる猿渡を三浦春馬が演じるの、納得感しかない。


ドラマを見ていると、三浦春馬がこの世にいないことを一瞬忘れ、直後に思い出す。かけがえのない俳優を失ったことを。

それでもドラマの中での笑顔は美しく、他のキャストも最高のメンツで、悲しみに暮れて楽しまないなんて失礼だと思った。

だって面白いんだもの!


お金の遣いどころが違うだけで、似た2人。

だって九鬼さん絶対値段見ずにプレゼント買ってるでしょ(笑)

推し関係以外を節約してるだけで、金の遣い方は猿渡より激しい。ヒロインの方が問題ありって最後にわかるなんて…。金継シーンで「ものを大切にするタイプなんだね」って思ったのに!(笑)

推しからの認知のために貢ぐ自分を肯定するなら猿渡を否定することはできないんだけど、猿渡も九鬼も今のところ互いのことは綻びに見えてるのがおもしろい。

ここからどうやって変わっていくんだろう?

4話、存分に楽しむぞ!

 

 

 

良かったところ/悪かったところ

良かったところ

  • とにかく脚本!
  • キャストがかなりいい。主役はもちろん、上司勢も!アインシュタインも出てる〜!
  • 現実と程よくリンクしているから、クルミっ子食べたいとか、鎌倉行きたいとかいう気分になる
  • 主人公が一方的に相手を是正して主人公の考える「正しさ」に矯正するのではなく、破れ鍋に綴じ蓋なふたりの関係。

悪かったところ

  • 4話しかない

 

 

 

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