前回の感想
主観による評価
★★☆☆☆
(ストーリーはとんでもなかったけど、横浜流星の演技が素敵だったので。)
半沢直樹でさえ15分延長だったのに2時間SPなんてどうかしているな。
終わり方もどうかしていたように思うけど、まだ終わっていない原作と大きく離す=ネタバレにならないようにするためだったなら、まあ仕方ないのかな。そうかな?
やっぱり「途中まで同じ」「結論だけ変える」のはドラマには向いていない気がする。テセウスの船の話な。
あと不倫は害悪。
良かったところ(ポジティブな感想)
ラストシーンの2人の着物の色が落ち着いていて、派手じゃないのが金沢の街の印象に合っていたと思う。
地味な色が似合うくらいお顔が華やかで素敵な2人でした。
うわー、ラストシーンの着物の色がどちらも渋くてすごくいい…落ち着いた色 #私たちはどうかしている
— つちや (@twottyeah) 2020年9月30日
横浜流星の演技が繊細ですごく良かった。
特に、「これからもっと食べてもらう!」のところ。重力に負けて落ちる涙が美しかった。
「赤い疑惑」の石原さとみを思い出す。(赤い疑惑だったはず。たしか。)
雪の中抱きしめるシーンもすごーくよかった…。美術品だったね。
あと、2人が戦いの前に偶然出会うシーンは、実は原作とかなり違っているんだけど、その改変の仕方がすごく良かった。
2人の思いがたまたま重なり合ったタイミングで同じ場所に向かい、これで最後だと思いながら、泣く七桜を放っておけない。
雪の中、去ったと思ったら戻ってくる少女漫画の王道、本当にありがとう。素敵なシーンだった。
全体的に諸悪の根源は親世代で、大人たちの都合に振り回されて椿も七桜も可哀想だったけど、振り回されなければ2人は出会えなかったから、どんなに傷ついても感情があなたを好き(=どうかしている)な以上は一緒にいるしかないわけで、ちゃんとその結論にたどり着いて嬉しかった。
どうしても2人傷つけ合うのなら離れるしかないなんて2000年代のラブソングみたいなこと言い出さなくて良かった。
気持ちがある以上は、苦しんでも傷ついても感情に従うしかないんだよ。「好き」の前には誰もがひれ伏すしかないからね。
2人がそんな風にハッピーエンドになるかわからなかったから、城島が椿焚きつけるシーンはすごく苦しかった。
出会ったら傷つけてしまうなんて言って遠ざけてるだけで、向き合うことも言葉にすることも避けてきた椿と七桜。
本能で惹かれあってるってお互いわかってたくせに、ケツ叩かれるまで動き出せない不器用な椿は、今まで人との関係性をうまく築いてこられなかったから頭で考えてばかりいて動き出せない慎重な性格になったんだろうなと思った。
大旦那の本当の愛情はむしろ椿に向けられていたからこそ、自分も自由にお菓子を作れなかったあの店から解放してあげたわけで、最後戻ってきた椿を大旦那はどう思ったかな。
自分の意思ならいいか。
選べる立場になったってことだもんね。選べることが一番の自由だから。
城島と栞は周りから冷やかされる感じになっててめちゃくちゃ良かった。
原作でも同じような雰囲気になるんだけど、原作でのフラグがことごとく削られてるから心配した…。
でもオリジナルのマフラーのシーンが追加されて、可愛らしいカップルになってた☺️
城島と栞は、七桜が夢のように話していた、「小さな店で」「夫婦2人で仲良く」お菓子を作る2人になれそうだね。
光月庵という重い名前を背負う2人には決してできない店にしてほしいね。
あと、山口さん、先週の予告でまさか椿の父親候補に?と思ったが、椿と七桜が心置きなく幸せになるために背中を押すなんて作中最高のファインプレーじゃないか?
全編通して優しさゆえの行動ばかりで、なんかもう本当に好きだった。悪いところ1ミリもなくて良かった。(当時いなかった人が女将告発するなんてちょっと無理だろうし。又聞きだし。)
確かに女将のしたことは許されることじゃないけれど、普通に子供を可愛がって育てる親になれなかった彼女もまたあの店の犠牲者なんだよね。
生きているうちに和解できたら良かったのに…。
ていうか樹と百合子が一番悪くね?
百合子もなんだかんだ煽るからな…。負けず嫌いなんだろうね。(職人になるくらいだし。)
観月ありさの怪演で、原作にプラスアルファの価値が生まれたのは、映像化の良さだったと思う。
原作もそこそこやべー女だけどさ(笑)
みんなが知っているはずの歌をゆっくりおどろおどろしく歌うだけであんなに恐ろしくなるというのは、漫画では表現しきれない。
音がついてこそだったと思う。
あと、(原作はまだ完結してないからネタバレではない)ずっとお世話になってた人が1番の敵という展開はシンプルに面白いなと思った。
七桜が「お前!ずっとどんな気持ちでそばにいたんだ!信じきってる私を馬鹿にしてたのか!」とか言うタイプじゃなくて良かったね、多喜川さん…。
このドラマ全話通して、お菓子が美味しそうなのが本当によかったなと思う。
たしか第1話の感想でも書いたと思うけど、漫画では白黒のお菓子をカラーで、お菓子の由来を映像で見せることができるというただそれだけでも映像化の意味があった。
今回、柚子は勿論美味しそうだけど、漫画からもわりと想像がつく。
漫画だと地味だった椿のお菓子が、情感が増していて漫画より美味しそうだった。
大旦那にとっては特別な味わいだったんだろうね。
あとはどうでもいいこと。
色々突っ込むところも多いけど、原作の本筋を変えないようにしたいという気持ちは伝わったし、役者は素晴らしかったので、お疲れ様でしたと伝えたい。
横浜流星が新型コロナウイルスに感染していたから、キスシーンとか排除されるかと思ってたけど、ちゃんと押さえるべきところは押さえていて、すごく頑張って最後まで撮影したんだなと思った。
ガイドラインとか作ったんだろうな。
この状況下で本当に大変だっただろうけど最後まで見せてくれてありがとうございました!
悪かったところ(ツッコミどころ)
どこでヤッたんですか?
光月庵?マジ?最終決戦前に敵陣乗り込んじゃう?
じゃあ七桜の家?多喜川可哀想だな??
でもラブホじゃないもんな。
まさか金沢という街のラブホは全部和風なのですか???(んなわけ〜)
椿の目という伏線のために女将を殺したのはわかった(原作では普通に手術)けど、顔を守らないといけないのによく不確かな「衝突事故」に身を委ねられたな??
っていうかあのスピードとあの距離ならいくら制動距離の長いトラックとはいえ止まれるんじゃない?
顔を守る技術がすごい。
現実的な部分で言うと、ボヤのシーンもそう。
あれだけ油撒いてあれで済む?
そしてスーツ何製?一発で消えるってすごくない?
原作では何も思わなかったけど、実況してる人達がみんな「格付けチェック」って言い出したのがめちゃくちゃ面白かった。
富岡なんで仲間ヅラしてんの?
意味わかんね。
それにしてもこのドラマの男たちはみんな「プロポーズ」の定番を知らないのかな?
みんな唐突だね?
まあ椿は目的があるから理解できる。
多喜川、お前、よくプロポーズしたな。タイミングも立場もやばいじゃん。馬鹿なのかな。まあ馬鹿なんだろうな。
椿なんで黒シャツなの?ホストみたいじゃない?
暗い雰囲気の象徴なのかな…原作では普通に喪服なんだよな。
その一方で原作だと普通の遺影だったはずの大旦那の遺影がデコられてるのはなんで?
あれは………本当に何???ギャルいるの?
何より突っ込みたいのは、警察クソガバくね?
- 戸に付着している、従業員以外の指紋
- ナイフに血がついていない
それらの違和感全部無視して子供の証言信用するか????
っていうか女将が「私だったらあの女のを使う」って言ってたけど、そうだよ。逆に疑われたくないなら自分のナイフ使わないって思わない?警察、そこは疑わない?
色々ツッコミどころもあったけれど、楽しく見ました!でも2時間は長いな!笑
原作ネタバレあり感想(ネタバレ注意)
※2時間で終わらせることがわかっていたので、これまでの感想でやってきた原作比較は雑です。
※ちなみに単行本派なので、本誌の展開は知りません。
原作の真犯人をドラマで先に明かすことはないだろうから、真犯人は多喜川さんではないってことなのかな?
うーん、でもこのまま、今まで顔見えていない多喜川秀幸が原作で真犯人になるのもつまらないよね。ノックスの十戒破ってるし。
原作でも多喜川さんなのかな…。
わざわざ自分を突き止めてほしくてあんなメール送って七桜を追い詰めたの?それも愛?
辻褄は合ってる気がするから、このままだと原作も同じになりそうだなあ。うーん、それなら原作で知りたかった…。
でも、ドラマで強調されていた大倉百合子の指紋の情報がないから、原作では変わってくれると信じている。
まあでも他に犯人候補、もういないんだけどさ…。
第1話から指紋を強調したのは、このオリジナルの終わり方のためだったんだなあ。
すごい意味わからない終わり方だったけど、原作から敢えてずらすつもりだったなら、まあ仕方ないのかなと思う部分もある。
女将が椿の目のために死んだのは流石に笑ってしまったが…。原作にない、椿の目が痛そうなのを女将が見るシーンはこのためだったのね。
ドラマで再現したら絶対に「は?意味わからん」って言われるだろうなと思っていたシーン。
七桜が椿に、光月庵の跡取りを決める最後の勝負の前に抱いて欲しいと頼むシーン。
これかなり好き(ドラマ好きとしてではなく、少女漫画好きとして)だったけど、ドラマで再現したら突っ込まれまくっただろう。
なぜ好きなのかというと、栞のことは頼まれても抱けなかった椿がすぐに帯を解くことで自発的な「抱きたい」気持ちを七桜に対しては持っていることがわかるから。
好きだけど、憎い。
許せないのに、抱かれたい。
一緒にいれば傷つくだけなのに。
そんな2人の、「どうかしている」男と女の生々しい感情の象徴のような出来事だから。
まあ、作中でナンバーワンくらいの濃密な性行為(TL漫画ではないのでシルエットとか使われているけど)だから、完全再現は無理だろうなと思ってた。
それを、めちゃくちゃ上手くドラマ向けにしたなと感動した。
2人が最後に愛し合うシーンはそのままに、成り行きだけを自然に改変した。
偶然同じ場所に走った運命、流れで抱くことになる・抱きたい気持ちを抱く。
抱いてと頼まれたのではなく、気持ちが高まった結果にした。
生身の人間が演じるドラマのためにすごくいい変え方だった。セックスは曖昧だったけど、まあ仕方ないでしょう。
(原作ではわざわざ場所設けてたのが行き当たりばったりで抱くことになったせいで、あそこどこ?みたいになっちゃってたけど…。)
最後に抱いて!というアグレッシブな七桜は多分ドラマだと唐突に映っただろうから、これでよかった。
少女漫画っぽくてドキドキした。
七桜の受難は描く余裕なかったんだなあ。まあ仕方ないか。
大旦那が暖かい気持ちになるシーンは漫画的表現がされなくてよかった(笑)
ここでCG使われたら笑っちゃってたと思う。
城島と栞、描写が限界まで削られてたけど、必要なエピソードだけはちゃんと押さえてた!びっくりした!
つーかちゃんと描くつもりなら省略するなやwwww
できたら、最終話の怒涛のフラグ畳み掛けじゃなく、毎話の小さな積み重ねの上であの結末に辿り着いて欲しかったなあ。
たしかに代わりにマフラー巻いてあげるシーンは良かったけど、最終話で畳み掛けなくてもさ。
栞の椿の湯呑みの伏線はちょっとずつだったのになんで同じように小出しにできなかったの!
フラグ違っても同じ結末になるのはいいけど、ちょっとずつシーン挟むことぐらいできたんじゃないの…。
まあ可愛かったから良し。
- 遺言書を焼くシーンを椿が把握してる
- 山口さんがブラフのためにずっと怪しい
- 人生捧げてきたのに!と口にする女将(モノローグにしようや 素直か?)
- 城島と栞の「なんきん」エピソードがここで入る
- 多喜川の優しいセリフ、ほとんど同じなのに「サイボーグ」だけ省かれた(笑)
- 椿と夕子の邂逅エピソードが違う。なんで!?ボコボコにされる横浜流星見たくないの!?
- 最後の戦いの前に椿が七桜の流産を知る
- 花がすみに訪れるのが城島だけじゃなく栞同行(栞の独白シーンがない代わりに、七桜への懺悔と兼ねるために訪れる)←本来は11巻冒頭で栞が椿に謝るシーンがある
- ↑これまで省略しまくってきた城島とのフラグを立てるためか
- 女将の前で椿の目が痛む
- 包丁に指紋(第1話から、原作との違い)
- 七桜が呼び出すのではなくお互い会いたい気持ちが爆発して走った先に相手がいた(運命っぽくていい改変!)
- 別れようとしたが七桜の涙でほっとけなくなって戻り、自然な流れでセックス(どこで?)原作より少女漫画感があって良い改変
- 城島と栞のシーン増やしたかと思えば行灯つけるシーンはなぜか下っ端たちに変更
- 富岡が重要な何かを目撃
- なぜか病院を拒む大旦那(新型コロナ下で病院が使えなかった?)
- 自由にお菓子を作っていいというメッセージの前に、「私も樹もできなかったが」という言葉がつく(夢を託した?)
- 大旦那の遺影をデコるな
- 椿の黒シャツがなんかホストっぽい
- 栞の姉たちは特に出てこない
- 城島と栞が普通にデートしてる
- 溝口に疑惑がかかる
- 女将が失踪せず部屋の中で秘伝の型を燃やそうとする。部屋の中で灯油を撒くな!
- 燃やそうとしたら多喜川が刃物持って登場する
【以下、ほぼオリジナル】
- 七桜が倒れるのを支えるのではなくスーツで消すために椿が登場(スーツで一発で消える炎)
- 栞の姉がいない代わりに山口さんからの情報で椿が多喜川の所行を把握している
- 花がすみに持ってきた城島のわらび餅はエンディングに
殴られる(=追い出されてやさぐれてる)椿見たかったなあ。
結局椿が最終決戦の前に流産のことを知った意味がよくわからなかったな…。
シンプルな遺影はデコり、白シャツは黒シャツになるのは謎改変だった。