つちや(仮)

大体当クールドラマ感想。たまに漫画、たまに旅、たまに雑談。

#リモラブ〜普通の恋は邪道〜第1話感想〜キャベツの松下洸平、理解できる〜

主観による評価

★★★☆☆

新しさを売りにしてるだけあって、関係の始まり方、主人公の孤独の感じ方、愛の深め方が今までのドラマにないもので、新鮮だった。

「ソーシャルディスタンス!」と叫んで距離を取るコメディのシーンも、これから男からの誘いを断る格好の口実になることを予感させた。もうなっているのかもしれないが。

 

マスクを外した八木原くんがスイートなお顔だったり、マスクを外した重たい前髪の五文字が格好よかったり、マスクによって底上げされる顔面への期待値を下回らないキャストを集めたなと思った。

もちろん主演の波瑠さんも!外した瞬間の美しさが、爽やかで開放的でよかった。

 

主人公の性格は悪いと思う(お茶漬け男からのふられ方がよくなかったんだと思うが)が、コロナ禍での過ごし方は、見ていて安心した。

言いようのない不安を感じて、それを誰にも吐き出せない人が他にもいたんだと思った。

私は、誰かが「なんとなく寂しいよ😭」とストーリーに上げれば、次の投稿で「電話くれてありがとう」なんてストーリーを上げている様子を眺めているだけの人間なので、

コミュニケーション不足による言いようのない不安は、言葉にできないだけで抱えている人が沢山いるのかもしれないということを知れただけで、すごく安心できた。

甘えるのが苦手な人間も、当然いるよね。甘えるのが上手い人だけが表面にそれを出せるのだから、当たり前なんだけどさ。

私は配偶者と同居しているから、多分友達からは寂しくなさそうに見えるんだろうけど、家庭と会社だけで閉じられた孤独感がいつも隣にある気がしていたので、これも間違ってないと思える気がした。

 

また、新型コロナ禍は、人の溝を深くしたという考えが一層強くなった。

オンライン飲み会の向き不向き、会わなくてもいいやと思える関係、リモートワークが得意か苦手か、それらに慣れるあなたと順応できない自分。

私はオンライン飲み会が苦手ですぐに誘われなくなったし、友人はタイミングを見極めてオフ飲み会を開催している。そういう順応力や見極め力の違いを見せつけられるタイミングも今だと思う。

オンライン飲み会に誘われてリモートワークも楽しむ五文字と、誰からも誘われず誘いたい人も思いつかない美々の対比がまさにそれ。

みんな誰かといるのに自分だけ1人でいるということを知ってしまう。知らなければ誰かと比較せずに済むのに。

能力の欠けている自分と欠けていない他人の差を痛感する時期を初めて味わった。こんなことがなければ知らずに済んだのにとさえ思う。

美々がこれらの「自分だけできない(ように思える)こと」に向き合う物語になるのだろうか。

…そんなに殊勝な印象はないが(笑)

 

どうでもいいラインが続くことの幸せはすごくわかる!

「自分が誰かと他愛無いやりとりができる」ことも嬉しいのだ。

自分に欠けていると思っていたことが、まだ出会っていないだけだったと思ったのかな。無意味なやりとりしそうなタイプには見えないもんな、美々先生…。

ここからは私個人の話になるので、小文字にしておく(笑)普段自分の体験と重ねるの恥ずかしいと思ってるけど、ちょっとあまりにも身に覚えがあったので。

私は、メール時代から、人と意味のないやりとりをするのが苦手だった。今も苦手で、「おーい元気してる?」みたいなライン、送れる人(送った後に会話する自信がある人)は多分いない。

終わらせ方もわからないし、なんでもない会話をするためにラインを急に送る人のことがわからなかった。

私が人生で初めてなんでもないラインを続けられたのは今の夫だった。当時は好意があったわけでもないし、どんな会話をしたかは全く覚えていないものの、一日中、毎日ラインが続いた。

そんな人は初めてだったので驚いた覚えがある。友人にも「ラインが続くなんて初めてだわ」と話したのを覚えている。

私は、誰かとラインができる人間なんだと初めて思ったし、他愛無いやりとりができることはすごく嬉しかった。

だから、他愛無いやりとりができる唯一の人に、他愛無いやりとりが「したい」と思わせてくれた人に、特別な気持ちを抱くという展開は、自然だなと思った。

美々先生が、今までそういう心の安寧のためのコミュニケーションを必要としてこなかった人なら、なおさら。

美々先生にとって、檸檬は自分を変えたくれた人なのだ。

なんだろう、殺生丸がりんを愛しく思うような、アレ。

些細なところから始まる恋愛という現実的すぎて地味なテーマを、ドラマチックに魅せるのが面白いと思った。地味な恋愛を、「推理要素」で彩っているんだなあ。

こんな恋愛模様をおおごとに仕立て上げられる舞台が2020年なんだろう。

 

主人公の性格は悪いけど、推理要素もあるし、誰とくっつくんだろう!?というわくわく感もあるし、少なくとも檸檬の正体がわかるまでは見なくては!と思わされている時点で負け(笑)

性格の良い主人公より好き!私は性格が悪いので。

共感の対象であるはずの主人公のステレオタイプの性格というのも時代とともに変化するんだろうな。

 

あとは、己の新しさに甘えなければそんなにヤフコメなどでも叩かれずに済みそう。(ヤフコメを基準にするな。)

「今求められる新しさは満たしてるんだから他はガバガバでもよくない?」なんてことはないから、「要点だけ押さえてればよくない?」という傲慢さが透けて見えるようなやり方はやめて欲しいなと思った。

 

 

 

良かったところ/悪かったところ

良かったところ

  • 「マスクの下はイケてるのでは?」のプレッシャーに負けない良い顔のキャストたち!
  • 恋のお相手が聖人(「下手ですねー」を無視しない人柄、結婚してえ)
  • このご時世ならではの設定が新しい
  • 誰が檸檬なのか、ふつうにめちゃくちゃ気になる〜!!!!

 

悪かったところ

  • 主人公の性格がよろしくない(が、性格が良いと成り立たないのも理解できるので静観)
  • 主人公のプライドが高すぎ(理由は理解できるので静観)
  • 食べ物で例える品のなさ(ただ恐らく上から目線だった自分に反省する展開がありそうなので静観)←男が女を食べ物に喩えたら炎上する非対称性はありそうだと思った
  • 共感性羞恥がすごい。推理は慎重に!(でもローラー作戦するらしい…)

 

 

 

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