主観による評価
★★★★★
想定してなかったけど(今のところ)今期ナンバーワンで面白かった…!
なんだこの会話劇!?と思って脚本家見たら「俺の話は長い」の人。新作ドラマチェックした時にはちゃんと確認してたのにすっかり忘れてた。そりゃ面白いわ!
劇中劇であるコントは売れなかったことが納得できるくらいつまらないのに、それを作る彼らの会話劇も人生も、動きが少ないのに目が離せないくらい面白かった。
(メロンソーダ面白いと思ってる人いたらごめんなさい!)
「お笑いとして面白くないもの」と「ドラマとして(会話として)面白いもの」を一つの世界で両立させてるってすごくない?
面白いと言っても、彼らのあの会話をそのままお笑いのコントにしてもきっと面白くないのだ。
お笑いとしての面白さ(funny)と、人間同士のやりとりとしての面白さ(interesting)の違いを感じた。
オチも「そう来るか!」と唸った。
ドラマを見ている視聴者には、3人のリアルのエピソードを見ているから納得いくけれど、多分彼らのファンにとっては最高のオチではないし(いつもとオチ違うな〜?程度)、あのオチのコントを現実で見て「面白い芸人だ!」と思って新規のファンが増えることもないんだろう。
あくまで九州のラーメン屋でのやりとりを見たからわかる。コントのオチとしての面白さではなくドラマのオチとしての面白さ。
ファミレスの「何人に見えます?」は、何も知らない時は「自分を面白いと思ってるうざい人間」に見えるのに、中浜との出会いを見た後には意味がわかる。
メロンソーダに変わる水、退職した職場、ラーメンを食べに行く習慣、全てが一つに収束していく快感!
描きようによっては面白くもならない「今にも挫折しそうな芸人の人生」を、彼らが作るコントの内容と紐付けて、さらにそのコントを冒頭に提示することで視点を提供し、伏線が回収されていく面白さを生み出す。
でも、コントそのものは「多分実際に見ても面白くない(売れない)」内容。
うわーすごい面白かったのにそれを表現する言葉がない!くそー!
面白い漫画の単行本の最後に収録されている、作者の過去のレベル高い読み切り短編を読み終わった時のような爽快感と満足感があった。
むしろ単発ドラマとして美しすぎて、この後10話近く何やるのかわからないし、気になる。
会話劇をここまで面白く興味深く1時間保たせられるのは脚本の力も大きいけど、役者の力も大きいなと思った。
やさぐれた有村架純も今までの有村架純の中でナンバーワンレベルで良いが、なんと言ってもマクベスの3人だ。
高校時代は確かに高校生に見えるし、今は挫折したアラサーに見える。(役者は実際アラサーだが。)
神木隆之介の、飄々としているように見えて表情を変えずに切り捨てる声色の変化。
話しているうちに涙が出てくる仲野太賀。(こいつに彼女がいるという納得感もまたすごいわかる。)
一度涙が出てきたら喋ろうとするたびに嗚咽しそうになる菅田将暉。
全員すごくよかった。最高だった。
豪華キャストかつ、がっかりしない活かし方。
最後のナレーションは、これから二人の恋愛が始まるということなのか、中浜妹を含めた5人の新しい関わりが始まるということなのか、それもわからないが、とにかく来週がめちゃくちゃ!気になる!
楽しくないニュースの多いこの時代に、楽しみなドラマができて本当に元気出る!