皆さんは中学校で習った気候区分を覚えておられるだろうか。
これ。
今日はこの話をする。
中国・四国地方に着目すると、気候が3つに分かれる。
北というとシベリアとかそっちの方だから冷たい風が吹く。多分。
でも山に遮られて広島や岡山には特に降らない。
↑夏の季節風が吹くと四国山地の南には雨が降る。(日本全国の太平洋側もこんな感じ。)
南というと南の島とかそっちの方だからまあ暖かくて水分を含んでいるんだろう。多分。
でも山に遮られて広島や岡山には特に降らない。
↑結果、こうなる。
岡山とかは「晴れの国」と言うね。
↑ちなみにこんな感じの名前に分けられる。
雨温図を見比べてみる。
- 山陰(鳥取)梅雨・台風の時期と冬が同じくらい。他の地域と比べると分かるけど、夏の雨が少ないというより冬の雪が多い。(雪は溶けると水だから当然降水量にカウントされる。)
- 瀬戸内(岡山)梅雨・台風の時期にちょっと増えるけど、山陰の年間約1900mmより年間約800mm少ない。800mmの差が大きいのかどうかは南四国を見ると分かる。
- 南四国(高知)年間約2500mmもある。でも冬の降水量は山陰よりだいぶ少ない。夏がめちゃくちゃ多いわけだ。
※降水量の測定の仕方についてはこちら
で、広島の話。ちなみに発端の知恵袋はこちら。
上の分布図と見比べると、降水量の少ない瀬戸内に含まれることがわかる。
そこで広島の雨温図を確認してみる。
年間約1500mm…。
確かに、岡山に比べて確かに約400mm程度多く、南四国に比べて約1000mm程度少ないが、「降水量が少ない」の幅が1500mmくらいまであるかもしれないから、これだけで広島が多いとは言えない。
だから、他の瀬戸内の雨温図を見てみる。
↑高松(香川県)は約1100mm
↑松山(愛媛県)は約1300mm
う〜〜ん…。
微妙だけど、やっぱり少し広島は多めに感じる。南四国よりは断然少ないけど、雨の少ない瀬戸内、と言えるほど少なくはないかなあ。
広島の観測台の位置が悪いのか?
別に悪くはなさそうだけど…。人が多い場所ではあるだろうから、ゲリラ豪雨などはあるかも?
自治体や気象台にも、瀬戸内にしては雨が多い要因に関する記述は無し。
でも、全国ランキングを見ると、全国平均は下回るものの、他の瀬戸内(岡山、香川)との順位の開きが大きいことがわかる。やっぱり瀬戸内の中では異質だと思う。
(ちなみに太平洋側で雨が多いはずの愛知県の方が少なくて驚いた。今回は無視。)
ここで雨温図を見直すと、6,7月の降水量が多い。ということは、台風を無視すると、南四国の気候に近いということになる。
つまり、夏の季節風が吹き込んでいる。
実は四国山地が思っているより短くて、夏の季節風が四国山地で阻まれずに一部だけ広島に来るのか?
あ、これじゃない?
四国山地の標高を見ると、高いところで1900mある。これが高いかは正直知らないけど、少なくとも夏の季節風さんは超えられない高さらしい。
一方で、広島に来る風を妨げる場所の標高は、
こんなもんである。
佐田岬半島、邪魔だなと思ってたけど全然妨げてないじゃん!最高で413mらしい。そりゃ超えられるわ!
とは言え、南四国のように全部吹き込むわけではない。だから南四国ほどは多くない。でも岡山よりは多い。(イメージ)
ということは、広島県内の観測地点のうち、他にも降水量の多い場所があるはずである。
西から、
大竹 1589mm
広島 1619mm
東広島 1349mm
竹原 1244mm
生口島 1132mm
福山 1269mm
(2017年の年ごとの値)
※2018年は豪雨があったため、平年値より数値がかなり大きいと考え、2017年にした。また、山間部に近い地点は気候に影響する要因があり単純比較できないため省略。
広島と東広島でちょっと差があるから、ちょっと標高の高いものがあるかな?と思い確認。
佐田岬半島よりは高い。
ということで、標高の高いものに阻まれないため他の瀬戸内より降水量が多いという結論に至った。
個人的には納得したというか、すっきりはした。
以上、全ては私の推論で科学的根拠はない。これ重要。文献も調べてない。
ちなみにここを見ている中学生は不安になるかもしれないが、入試やテストでは、気候区分と雨温図が一致しない広島は多分使われず、顕著に瀬戸内の気候が現れる岡山や高松の雨温図が使われると思うので、安心してほしい。
しかし、気象庁のページを見ていると、明らかに年々降水量が増えている。ダムが枯れることもあるのに、不思議なものである。
●使用した資料