つちや(仮)

大体当クールドラマ感想。たまに漫画、たまに旅、たまに雑談。

知らなくていいコト第10話(最終話)あらすじネタバレ感想〜恋は、タイミング、フィーリング、ハプニング〜

男女の友情があるとすれば、すれ違い続けるタイミング、もしくは永遠の片思い

(ロングバケーション)

タイミングがすれ違いすぎて、友達に戻れなくなってしまった二人。

タイミングがずれたせいで、ケイトのやり直しの申し出にフィーリングさえ合わなくなった。尾高が好きと感じるケイトじゃなくなってしまった。

思い合っていてもタイミングや気持ちの盛り上がりがすれ違うだけで結ばれない男女の儚さはなんとも言えない苦味があるなとつくづく思う。

ドラマだからこそくっついて欲しい反面、一度盛り上がり終わった男女の現実は残酷で苦い。

 

前回の感想

 

 

 

第10話あらすじ(放送翌日更新)

  • バタバタしている編集部。小泉は休み続ける野中に対し、辞めたい人は辞めればいいと冷たい。ケイトは風邪で病欠。こんなの初めてと驚く黒川。校了したらみんなで様子を見に行こうと話すが、僕は行きませんと安定の福西
  • ケイトはドイツにいる。乃十阿の息子はドイツ拠点のピアニストで、そのコンサートを聴きにきた。尾高からの電話で、「息子に会って聴きたいこともわからないのにドイツまで行くなんて」と呆れられる。じっとしていられないケイトに、そうやって人を追い詰めるから乃十阿も出て行ったのだと言う尾高。部屋には乃十阿の置き手紙。締め切りのあるネタじゃないんだから暴走するな、俺はまた刺されるのは嫌だと、いつになく強い口調でまくし立てる尾高。背中まだ痛い?というケイトの質問に、「痛いよバカタレ!」と怒る尾高
  • 乃十阿の本妻の子は33歳で、ケイトと1歳差。さりげなく両立できないという尾高の言葉を思い出し、乃十阿は二つの家庭を両立するつもりだったのかと考える。乃十阿の息子の戸倉にコンサートが終わって話しかけると、ドイツ人らしき妻子(子は3歳くらい)が駆け寄る。幸せそうな様子を見てケイトはコンサートの感想だけを述べて去る
  • 帰国すると空港のゲートで尾高が待っていた。お疲れ様とだけ言う尾高に、どうだったか聞かないのかと尋ねると、何もなかっただろうと言い当てられる。戸倉の家族を見て、毒草を入れたのが3歳なら罪に問えないのになぜ身代わりになったのかわからなくなったことを話すケイト。夫や父親が無差別殺人事件の犯人の方が妻子はずっと不幸なのにと言うと、尾高は「そんなこと考えずにとっさに庇ってしまったんだろ?」と言う。ケイトはその言葉に歩みを止める

乃十阿の子供は自分だけみたいな錯覚起こしていたけれど、彼にとって人生をかけて守るべき子供は私じゃなくて息子だった。

あの人はママのことをどう思っていたんだろう。大切な子供が既にいたのになんで私をこの世に送り出したんだろう。

  • ケイトの考えを聞いて、理屈で割り切れないのが人生だと言う尾高
  • 一方、ペットショップの魚コーナーで「僕はビッグになりたいの」「愛が欲しいの」とぶつぶつ呟く野中
  • 久々に出勤するケイト。編集部のみんなが心配する中、編集長は真相が掴めたのか尋ねる。迷うケイトに、面白いからそのまま書けと言う編集長。乃十阿が命をかけて守ったものを暴いて、何も知らずに生きてる息子を不幸にすることに抵抗があるケイトに、今まで散々やったのに身内のことだと怖気付くのかと尋ねる編集長。ケイトは身内だとは思っていないが、犯罪者にはしたくないらしい。でもそれが乃十阿を悲しませたくないからなのかもわからない。実は私は殺人犯の娘じゃありませんなんて今更無様に書きたくないと断るケイトに、事実の面白さはそれをかき消すと断言する編集長
  • 3年前の出所姿掲載から人権侵害だと糾弾されたが、継続して無実の証拠を追い続けていたことにすれば汚名返上できる。編集長は、ケイトは書きたくない、尾高は写真を渡したくない、それなら自分が書くと言い出し、特別班を結成しケイトを追い出す。「ケイトが書けばみんな納得するけど、ケイトが嫌なら俺が書く」
  • 特別班が取材や現地調査などをする様子を見つめるケイトは、材料が揃ったところで呼ばれる。元妻は再婚で幸せそう。事件当日のキャンプ場の写真には、乃十阿の息子が飲料タンクに何かを入れている様子が映っており、弁護士の話を裏付けている。元妻は当時夫の浮気で悩んでおり、情緒不安定で子供に当たることもあった。あのキャンプは夫婦関係の修復のために妻が計画したとママ友は証言。自分は事件に無関係だと思っていたが、母と自分の存在が奥さんを苦しめて事件の引き金になっていたことに気づくケイト
  • 尾高のスタジオに行くことを約束し、乃十阿の事件の被害者遺族に会いに行くケイト。真壁ケイトの名刺を渡すと乃十阿の子供だとバレ、妻が亡くなったのにどのツラ下げてと怒られる
  • 尾高のスタジオで二人で話す。話したいことがあるなどと言われたことがなかったから緊張しているケイト。編集長から写真提供依頼があったが断った、でもケイトは書くんだろうと言われるケイト。顔バレしているのに遺族に会いに行くということは書くということだろうと。まだ決めきれないケイトに、取材対象に思い入れがあるとやりづらいなら自分がニュースカメラマンを辞めた時と同じだと言う尾高

尾高「でもケイトは俺と違うよ。

ケイトはわかってる。お母さんが亡くなってから今日までのことを書けば素晴らしいノンフィクションなるってことを。(書きたいか)わからないと言いつつ実は書きたいと思ってる。被害者家族のためにも真実書いた方がいいと思ってるだろ。」

  • 自分が30年前に人殺しをしていたと知らされる息子、その妻子、人殺しじゃなかったと書かれても腫物扱いの乃十阿を生み出す迷いを持つケイトに、ケイトには曖昧に流されていくことを良しとする世の中に斬り込む才能も使命もあると言う尾高。尾高の様子がおかしいことにケイトは気づく。そばにいるとケイトの命が削れる音がするから、削れた部分を埋めたいと言う。息子の居場所は伏せればいいし、乃十阿だって娘の手で無実が証明されたことをいつか喜ぶから、誰にも書けない記事を書けと言われ不安なケイトに、他でもないケイトが命を削って書かないといけないと主張する尾高
  • 洗脳するつもりなのかとケイトが尋ねると、命を削って真実に突き進むケイトが好きなだけだと言い、尾高はケイトを抱きしめプロポーズをする。ケイトが離そうとしても離れない。ケイトがいないとつらいし、ケイトも同じ気持ちのはずだし、離婚届もあとは出すだけで、子供のことで妻と話し合いの最中だと言う。本当は離婚が成立してから言うつもりだったがポロリと出てしまった

ケイト「私も尾高さんが好き。死ぬほど好き。尾高さんがほしい、全部欲しい。。一緒に生きていきたい。だけど、離婚しないで。

  • 弁護士との話をしている際、乃十阿が息子を庇ったことに尾高が深く共感していたことにケイトは気づいていた

ケイト「乃十阿が30年間守り続けた親としての思いを尾高さんも持ってる。私が一緒になったらそれを捨てる。親としての心を失った尾高さんは嫌なの。好きだけど、すごい好きだけど、そんな尾高さん嫌いなの。受け入れられない。」

  • もう後戻りできないと言う尾高に、「後戻りして。子供手放さないで」と言うケイト。尾高の言葉を胸に刻んで記事を書くことを宣言し帰ろうとするケイトを引き止め、一緒になって欲しい、二回も俺を振るなと言いキスをする尾高
  • ケイトは暗い会社で懸命に記事を書く。尾高との日々を思い出し、泣きながら。ケイトは尾高が本当に好きだった
  • 尾高が帰宅すると、妻は子供を置いて出て行っていた。泣き続ける子供を抱きしめる尾高
  • 翌朝、編集長はケイトの記事を絶賛。記事が移動して不満げな倉橋。小泉は佐藤にパンを渡す。ケイトは乃十阿に記事が出ることを言いに行くつもり
  • 野中がふらふらしながら出勤する。編集長は心配するが、退職願を出す野中。引き止めもせず受け取る編集長。お世話になったこと、真相スクープにケイトを売ったのは自分であることを編集部に話し、ケイトに謝ると、乃十阿の無実を知らされる野中。じゃあ何で別れたんだと聞く野中に、ケイトには尾高がいるからお前と別れて正解だと言う編集長。編集部を追い出されながら、ケイトのアドバイス通り小説を書いてやると捨て台詞を吐いて笑いながら去る野中
  • 尾高との別れを編集長に報告するケイト。驚く編集長に、幸せいっぱい腹一杯じゃこの仕事はできないと言うケイト。その日の夜、スタジオで子供といる尾高と話す編集長。子供を置いていくのは復讐なのかと尋ねるが尾高にはわからない。しかし、帰宅が遅ければ死んでいたのかもと思うと自分が守らなくてはと思った。世界は飛び回らなくなるけれど写真の仕事は続けるらしい
  • なぜケイトが尾高を振るのか尋ねるが、尾高は「知りませんよ、3年ぶりに振られました」と答え、ケイトを呼び出そうとする編集長の申し出を断る。タイミングの悪さを嘆く尾高。タイミング悪くても運命だと思うのにと言う編集長に同意する
  • 編集長は、社長が掲載前の記事を見てご立腹で差し止めろと言ってきたと副社長に言われる。3年前(乃十阿出所写真)のバッシングがトラウマらしい。状況証拠で娘が書いた記事では身内を庇ったと思われるからボツにしろと言われ、そもそも副社長に頼まれたと断る編集長だったが、社長の方が立場が上だし指示に逆らえば更迭すると脅される
  • 掲載は取りやめ。社内政治に屈しないと言っていたのにと不服そうなケイト。掲載できるが異動させられたくないだろうと言う編集長。差し替えネタを話し合ういつもの編集部。ケイトは尾高と会社で二人で話す。激動の1週間が無駄になり呆けるケイト。ケイトはよりを戻して子供を共に育てることを冗談めいて提案するが、そういうケイトは好きじゃないと言われる。「ほんっとタイミング悪いよな、俺たち。そんな気分じゃないよ、今の俺」
  • キアヌに会いに行くと言い残して出かけるケイト。家の外でゴミを燃やしている乃十阿にゲラを渡す。暇な時に読んでと言うが、その場で最後まで読む乃十阿

最後まで乃十阿は、真壁ケイトを娘だと認めなかった。

本妻の息子の罪を被り、学者としての将来も人生も捨てて息子を守り、その後、乃十阿はケイトがどんなに聞いても、ケイトが自分の子だと認めなかった。

それは、ケイトを殺人犯の子供にしたくなかったからだろう。

認めないということで、乃十阿はケイトも守ったということになる。

この世には、「知らなくていいコト」がある。

乃十阿はそう考えているに違いない。

  • ゲラを持っておいて欲しいとケイトは言うが、乃十阿は断る。ケイトはゲラを受け取り、炎の中に投げ入れる。燃えて消える真実を見つめるケイトと乃十阿
  • 3年後、著書「闇落ちする亀」が30万部売れドラマ化も決定し、小説家として大成した野中。その出演番組を見る小泉は変わらず佐藤にパンを渡す。岩谷は局長に、黒川は編集長に、ケイトはデスクに昇進。福西は相変わらず。黒川はケイトが言うことを聞かないと嘆く。外出したケイトは、街中で息子を連れて歩く尾高の背中を見つめ、振り返り一人で歩き出す

 

 

 

主観による評価

★★★★☆

 

否定も肯定もしない乃十阿の、愛情があるかどうかなんて、言葉にする必要はない、知らなくていいコトだった。

そういうことなのかな。

 

それにしても、仕事で才能がある女は、仕事と愛の両方を掴むことは難しいのかな…。

まあ私も、そういうドラマ見たら、「全部うまくいってるな」って思っちゃうからな。

何かを得るなら何かを失う。

それが現実だから、現実を超える幸せを手にするストーリーは今求められていないのかもしれない。

ありえない幸せを傍観するより、「仕事しかなくても」「愛しかなくても」たくましく生きていく方が、等身大で、心に残るのかもしれない。

いい子に育つ子供、浮気しない夫、順風満帆な仕事。

それではドラマにならない。確かにそうだ。

誰だって何か欠けている。それをみんな目撃したい、そんな時代なのかもしれない。

 

最終話で色濃く感じたのは、ケイトの決断は、経済力と判断力(判断する自由)を得た女性が一人で歩けるという時勢を大きく反映していたということ。

真面目な話になるが、避けては通れないので少しだけ。

女性が自立し、一個人として尊重されるからこそ、選択肢が増える。

画一的な考えも、みんなに求められる身の振り方も押し付けられることなく、自分の責任で考えて行動する。それが世間で受け入れられようと受け入れられまいと。

自由に選べるということは、自分で責任も取るということ。責任を取る能力があるということ。

2020年代も女性の不倫は起こるだろう。ままならない現実に負けそうな女性も生まれるだろう。

でも、そんな時に、女性自身が流されず自分で選べる、そういう時代の幕開けなのかもしれない。

 

ケイトが尾高さんと別れるときに使った、「一つの命を送り出す」という言葉、ケイトよく使うよね。

男の人は産むわけじゃないけど、妊娠の関係者だから、「一つの命を送り出す」立場だと考えているんだな。

産んだわけじゃないけど、一つの命をこの世に送り出したのだから責任は産んだ人と同じだけある。

尾高さんの、バカと言いながら空港でケイトを待つ愛情。

その一方で、3歳なら罪に問えないしいいだろうと考えず、咄嗟に庇うことがわかってしまう尾高さんは、ケイトの好きな男である前にあの小さな子供の父親だった。

だから、ケイトの求めた通り、責任を取る人になってくれてよかったなと思う。放棄しなくてよかった。

ケイトも、自分と同じ子供をもう一人作らずに済んだと思っただろう。

これでよかった。これ「が」良かった。

(本妻を選ばれたというコンプレックスがない分、母親に捨てられたトラウマは残ってしまうかもしれないが。)

 

ただ、尾高さん。

奥さんの顔出しが少なくて野中という最底辺がいたから人気が出たって忘れんなよ…。

2回も振るなよ、じゃないのよ。1回目で一度折れて他の女に逃げたのは自分だろ!

妻も不倫相手も失う羽目になったこと、笑いたい気持ちもあるけれど、多分本人が一番「どちらも失って情けない自分」のことをわかっているだろうから、私が笑うことじゃないね。

 

 

 

苦いラストを受け入れられる年齢になった

……と思った。

 

真相は世に出ないし、

ケイトは殺人犯の娘のまま。

乃十阿は殺人犯だし、

本当に罪を犯した人物は罪に気づかず生きていく。

そもそも乃十阿は罪を否定していない。

ケイトと尾高はタイミングが合わなくて上手くいかない。

尾高は迷ってケイトを選んだのに捨てられ、

ケイトは苦しんで尾高を捨てたのに今度はフラれる。

にもかかわらず、人道に反することをした男は、新たな道で大成する。

命をかけて書いた記事は載らず、肩透かし。

それでもケイトはゲラを燃やし、自分たちがわかっていればいいと満足する。

多分人生ってそんなもの。

 

全員がスッキリしないという現実の生々しさを残した、何にもなし得ない、ビターエンド…とも取れる終わり方。

でも、どんなに理不尽でも人生は歩みを止めない。

苦みも痛みも抱えずに生きている人間なんてきっといない。

 

最後にケイトとすれ違った人たちも、きっとケイトがそんなものを抱えているとは思わない。

子供と手を繋ぐ穏やかな父親が、不倫して刺されて逃げられた男だとは思わない。

 

平和に生きているように見える人も、きっと何かを抱えている。

それでも平和に振る舞って、一人のときに苦しみに向き合っている。

私も多分、すれ違う人たちには何もない人間に見えている。

 

誰も心の底から手放しで喜べる幸せを手にしなかった。

そもそも、「この終わり方が一番」なんてものどこにもなかったんだと思う。二人で子供を育てるのもスッキリしないし。

 

楽しい終わり方じゃない。

でも、苦しみの中に希望がある。

一つの挫折で全てを終わらせる選択肢もある。でも何も終わらせない選択肢もある。

 

私は好きなドラマだった。

好きな終わり方だった。

素敵な3ヶ月間をありがとう。

 

 

 

ケイトの決断

概ね、予想通りというより私の理想通りだった。

個人的に、ケイトは別れを選ぶと思う。

理由は大まかに3つ。

  1. 野中への「幸せは手に入らないからこそ幸せ」という言葉
  2. ケイトの生い立ち(片親)
  3. ノトアが見せた子への愛情のあり方

ちょっとだけ、裏切って欲しい気持ちもあったけれど。

 

尾高さんのことが好き。

でも自分といると、好きだった尾高さんじゃなくなる。

好きだった尾高さんでいてほしい。

好きなのに、選んでほしい気持ちが確かにあるのに、全てを捨てて自分を選ぶ尾高さんは好きじゃない。

 

身勝手で、矛盾していると思う。

でも、本当に強いとも思う。

この決断ができる人間がどれだけいるだろうか。

理性ではわかっている。でも感情が求める限り抗えない。

そんな人間がたくさんいる中で、ケイトは、胸を締め付ける感情を振り切った。

尾高さんの胸に顔を埋める時間、かけがえのない時間、それを捨てた。

たった一度顔を合わせただけの赤ちゃんのために。

人として正しい、でも選ばなかった人が正しくないわけじゃない。

人生はそんなに簡単に白黒つけられるものじゃない。

でもケイトはきっと、正しくありたかったんだろうな。

 

人は、自分で決めないと、多分後悔する。

逆に自分で決めれば後悔しない。

ケイトは自分で考えて、自分で決めた。心が苦しい道を自分から選んだ。

そもそも不倫だからと諦めようとしていたところに、編集長が「尾高を求めればいい」と言った。

それに従って、感情を最優先していたら、いつかあの小さな子供を思い出して、苦しんで、あの時尾高さんを諦めればよかったと思ってしまう。

 

もちろん、尾高さんを選ばなかったことだって後悔する日が来るだろう。

ちょうど、野中と別れた直後、尾高さんのプロポーズの意味を知った時のように。

でもきっと、自分で選び取ったケイトなら、「私が選んだんだもんね」って思えるはずだ。

 

そうやって人生は苦味をもって未来へ伸びていると思わせるラストシーンだった。

私は好きだ。

 

 

 

続編を求める声、似ているから結ばれない2人

続編を求める声が多いことに、驚いた。

もう、描くことなんかないように思うから。

 

何十年後かに復縁しそう、子供が自立したら、次再会したら…いろんな意見を見た。

でも、私は、次再会してもやはり二人のタイミングは合わないんだと思う。

あの2人は、タイミングがすれ違う運命を2人の間に持っている。タイミングが合わないことも含めて運命の相手なんだろう。

今回だって、離婚が成立してからならケイトもOKしたかもしれない。

子供について引き返せる時期に言ってしまったからああいう結末になった。

まあ結果的に引き返せたのはケイトだけだったんだけど…。そこは、奥さんと子供を捨てようとする前にケイトに相談すべきだったよな…。

愛ゆえに突っ走っちゃったんだな尾高さん。

 

尾高さんも、ケイトも、お互いのことが好きだけど、自分を選ぶ相手は一番好きな状態じゃないと考えたら、それを理由に断ち切れるところが強いなと思う。自分が幸せにならない道の苦しみを選べる。

でも、そう考えると、この2人はタイミングの悪さというより、似すぎていたから結ばれなかったんだろうな。

どちらか一方でも、「ちょっともやっとするけど好きだし結婚しよ!」という気持ちなら、尾高が振られない、もしくはケイトが振られなかった。

思考回路が似ている。

だから運命だし、だからうまくいかなかった。皮肉。

 

ヤフコメにも、2人が結ばれなかったから続編を書く余地があるというものがあった。

でも、同じ価値観で振り合ったのだから、もう難しいと思う。

ケイトが、子供を捨てる尾高さんを好きになれなかったのと同じように、尾高さんも、記事が掲載されなかった、どこか腑抜けた気持ちを振った男と子育てで埋めるような女は情けないし好きじゃないという理由で振った。

好きだけど、この局面で自分を選ぶケイトは好きじゃない。

それは、尾高さんなりの、仕事でできた心の隙間は仕事で埋めろというメッセージだったんじゃないかな。

 

2人はそうやって、挫けたら背中を押して、心の中で支えにして、生きていくんじゃないかなあ。

 

 

 

今、不倫を描くこと

今の時代に、不倫に真正面から挑んだのはすごいと思う。

 

私は、不倫は嫌いだし、許せない。

家庭を壊す覚悟がないならやるべきじゃない。

それは当然だけど、人間ってそんなに綺麗事だけで生きていけるわけでもない。

理想がわかっていて常に理想通りの行動ができるわけじゃない。

不倫しない方がいいとわかっていて、その理屈通りに感情に抗えるわけじゃない。目の前の人が好きなら。

不倫と報道されてバッシングされる様子を、内心苦々しく感じても言葉に出せない人もいるだろう。擁護しているわけでもないのにと。

世の中は白黒はっきりつけられない。誰かが断じることもできない、そう考えている人たちにおすすめしたいドラマだと思った。

 

 

 

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