つちや(仮)

大体当クールドラマ感想。たまに漫画、たまに旅、たまに雑談。

MIU404第5話あらすじネタバレ感想〜未熟な相棒を失った男だったのかい…〜

自分たちの無意識の加害性に向き合わされる回だった。

 

そして、次回予告。

志摩の過去…来るぞ…。

 

 

前回の感想

 

 

 

主観による評価

★★★★☆

 

今回は非常にメッセージをストレートに伝えてきたなと思った。最初からメッセージが丸出しだった。

怖いと思ったのは、「基本は悲しい事件だけど最後にはメッセージが隠されている」ドラマだと思わせて、4話かけて「視聴する土壌」を作り上げて、5話で私たちの責任でもある問題を見せつける。

安いコンビニでさえ過剰なサービスを求めていた自分たちに責任の一端があるなんて、知りたくなかった、知らせて欲しくなかった。その責任逃れの卑怯な心の隙間を突かれたような気分になった。

私たちは、テレビの前に縛り付けられて目を閉じられないように縫い付けられてドラマを見ているわけでもないのに、向き合いたくない、見えないようにしていた現実に向き合わざるを得なくなる。

私たちが気づかないようにしていたメッセージをど直球でぶつけるための1〜4話だったのではと思うくらい、ストレートなメッセージだったと思う。

 

見えていると思っているもの 見えていないもの

前回の感想で書いたことだけど、

正直に言うと、かなりキツイ脚本だと思う。自分からは見えない人たちの苦しみに対して無関心で鈍感でいられたら、そもそも知りもせずにいられたら、その方が絶対に楽なのだから。

今回も、そういう意味で、キツイ脚本だったと思う。ストレートに志摩に言われたのでより一層苦しめられた。

義務教育をしっかり受けられて、望めば大学で教育が受けられて、頑張れば資格がなくても正社員で基本給がもらえて、努力すれば報われる、問題のない社会だと思ってんだろ?違うよ、見えてないだけだよ、目を逸らすな。度の合わない伊達眼鏡に甘えるな。すぐそばにある現実だ。

そんな風に言われている気がした。

知らない・気づかないでいられる環境にいられることを幸せとも自覚せず、「望んで働きにきているんだからそれくらい受け入れろ」と自己責任論に転嫁してしまう、今の日本社会の風潮。

そういう意味では、九重も非常に危うい人間だが、彼は陣場をはじめ4機捜が正してくれるからまだいいのかもしれない。

 

九重について

ナウチューバーに送られてきたDMの送り主が、本物の成川でも、菅田将暉でも、九重の後悔が動き出したなと思った。(個人的には装っている可能性もあると思っている。)

↓前回の感想ツイート

今回も、九重は陣場も志摩も伊吹も気付かなかった視点で事件解決の鍵を手に入れて、きっと、伊吹のように足は速くないけれど、自分にしかできない役割があると思い始めていると思う。数字に意味があると確信して必死で調べる姿にそれを感じた。

九重が、全能感を持っていた方がまだマシだったかもしれない。欠けているところもあるけれど、自分でしか補えないところもあると、自分の居場所を理解し始めた方がキツイ気がする。

さらに、まだ九重は「自己責任論」から抜け出せていない。当然だと思う。まだ成川がどうなったかを知らないから。

分岐点で罪を犯す道に進んだ人と同じように、外国人実習生も、選んで日本にやって来た。安い仕事より、遠い国で働くことを選んだのは自分たちなのに、不満を抱くことがわかっていない。陣場たちは柔らかく九重の思想を正しているけれど、多分思っているより根深い。

自分で選んだ道で辛いことがあっても文句を言ってはいけないという考え方。

成川が再び目の前に現れたとき、「ドーナツEPが目の前に提示されたとき、手に取らない権利もあったのに手に取った、それは自己責任だろ?」と考えそう。

人の弱さを、大きな後悔と同時にしか学べない九重の未来を考えると、胃が痛い。

 

日本語の不思議

私は母語が日本語だから、「大丈夫」という言葉を無意識に使っていたし、他人の「大丈夫」の意味を文脈から当たり前に解釈していた。

でも、一つの言葉で複数の意味を表す怖さが、今回の話では随所に現れていた。「ヤバイ」だって、どうヤバイのか、いいのか?悪いのか?言葉を使い慣れていない人たちは疑問に思っている。

どうして一つの言葉に複数の意味を持たせるのかというと、使う人が卑怯だからなのかもしれないなと思った。

桔梗は、日本語は美しく、都合の悪いことも柔らかく包み隠してしまうと言っていた。(第1話だったと思う。)

「いらない」「必要ない」それをそのまま言うと、自分がひどい人間ということになってしまう。誰だって好き好んで悪者になるわけじゃない。だから曖昧な言葉を選ぶ。

でもその曖昧さは、伝わらなかった人の中に積もって、困惑から不安に姿を変える。

このドラマを見るまでそんなことにも気付けなかった。伝わらなかった人は、こんなにも不安なんだ…。

「人材」という言葉も、どうして存在しているのかを考えてしまった。人材を募集しているなんて言わなくても、労働者と言えばいいはずだから。結局その言葉の奥には本当は、木材みたいに、いくらでも集められるという意識があるのかもしれない。

 

水森とマイちゃん

日本語と同じくらいずるいよ、水森。

大丈夫という言葉で言いづらい本意を包み隠すように、最後までマイちゃんの前では嫌いになりきれない中途半端な優しさを見せて。一番ずるい人間だと思った。

でも人間は弱いから、ずるくても誰かによく思われたいし、誰かを傷つけても幸せに生きていきたい。自分の平穏のためには、犠牲になる人をいちいち気にかけていられない。

私たちも、気付いていないだけで、ずる賢く誰かを犠牲にしながら平穏に見える生活を過ごしているだけなのかもしれない。

水森はずるい。ずるいけれど、「あいつはずるいな」と思うほど遠い人間じゃない。私も水森になる可能性がある。自分さえ幸せなら誰かを犠牲にしてもいいと思ってしまうことがあるだろう。

むしろ今もそうかもしれない。

ショッピングモールのトイレが汚いとか、宅配業者の運び方が雑とか。そういう自分の生活のちょっとした快適さを確保するために、誰かを犠牲にしている自覚を持たないと、明日にでも水森のような行動をするかもしれないことは、覚えておきたいと思った。

 

こまごまと

トラウマ、何で思い出したのかな。ウイスキー?色?

 

「誰が犯人なんだ」以外でワクワクさせられるの、すごいなあ。

 

おまけ:志摩と桔梗さんについての妄想

いつから好きなのかな。

どんなところが好きなのか、なんとなくわかる。

伊吹とは恋話できなさそう…。

桔梗に言われたら、マイちゃんを攻略する伊吹を補佐するという役割もこなしてしまうの、かわいいな。惚れた弱みというか(笑)

 

めっちゃいいツイート

↑それな〜。

 

 

 

第5話あらすじ

1人逃げた強盗
  • 志摩と伊吹は、コンビニ店員のふりをして働いている。伊吹は、系列店バイトのマイちゃん(ベトナムからの外国人実習生)にトキメいているが、好きな男がいると一瞬で振られる。日本人の店だけを狙った強盗事件のための潜入だったが、複数の店に同時に外国人による強盗が仕掛けられる。ほとんどが逮捕されたが、張り込みのいなかったマイちゃんの店に入った強盗は、なぜかバックヤードの金の隠し位置まで把握しており、大金を奪って逃走する
  • 職場から逃げた元技能実習生たちがネットで誘い合って同時に強盗を仕掛ける作戦だった。九重は働きに来ているのになぜ逃げるのか理解に苦しむ。低収入や、言葉が通じないことによるいじめなどがあるのが現状。伊吹は大切な人・ガマさんから聞いたことがあると言う。九重は、2機捜との会話から、父との確執が垣間見える
  • 犯人が隠し場所を知っていたことや、バックヤードの金も渡したことで、マイちゃんは共犯を疑われ取り調べを受ける。すぐに解放されたが、共犯の可能性があるなら泳がせて逮捕しろという桔梗からの伝言を九重が志摩に伝える。志摩は桔梗からの命令に従い、マイちゃんにボディガードを申し出る。家までついていくと、グェンという男と同じアパートに住んでおり仲がいいことが判明。捜査は取り逃した2機捜と合同になる
外国人実習生の真実
  • 2人が通っていた日本語学校の事務員の水森は、グェンもマイちゃんも日本語学校では真面目だと説明。違法な学校も多く、2人を含めみんなお金に困っているからこそ足元を見られていた。でも母国より稼げるから、ジャパニーズドリームを求めてみんな来日する
  • 留学生が働いていいのは週27時間だが、それでは借金返済と生活には足りないためマイちゃんはトリプルワークをして時間オーバーしていた。みんなグェンとマイちゃんを疑っているが、伊吹はマイちゃんがグェンを好きで強盗の罪から庇っているようには見えないと言う。マイちゃんは、水森とのやり取りを思い出す。直接強盗と会話したことから水森を怪しんでいるが、水森への好意から警察に言えずにいた
  • 伊吹は恩人のガマさんとサシ飲み。伊吹を初めて信じてくれた人だ。ガマさんは私営の実習生支援センターで実習生が社会から孤立しないようにバディを組んでいる。ガマさんに機捜での日々を尋ねられた伊吹は、志摩を頭が切れるが他人も自分も信じないムカつくやつだと言う。ガマさんは、他人も自分も信じられない志摩の軸足を心配する。伊吹は銃口を額に突き付けた志摩を思い出す
  • ナウチューバーは、外国人実習生の失踪ネタをテレビ局に売り込むもテレビではウケないと一蹴される
水森とマイちゃん
  • 九重は強盗を呼びかけた最初の投稿を調べる。ホーチミン出身と書いてあるが、ガマさんのバディに訳してもらうと、単語が母語話者では使わない違和感あるもので、日本人だと判断された
  • 水森は借金を抱えていた。実習生1人につき30万円のキックバックがもらえた管理団体で働いていたが潰れ、返済のために日本語学校に勤務していた。その1千万円を返済。マイちゃんが、日本とベトナムが似ていると喜んでいたことを思い出す。マイちゃんは強盗の共犯を疑われコンビニを解雇された。バックヤードのお金の場所を雑談で水森に話したことを思い出す
  • 悔しくて1人で飲むマイちゃんのもとに駆けつける志摩と伊吹。志摩はマイちゃんのスマホの待受が水森とのツーショットであることに気づく。しかし志摩は、ウイスキーを受け取り相棒を失ったトラウマを思い出し、マイちゃんからの聞き取りを伊吹に任せ店を飛び出す。マイちゃんは、日本はベトナム人にとって夢の島だったのに、来てみたら働くロボットでしかなく、日本を嫌いになりたくなかったと嘆く
  • 店の外には志摩がしゃがみ込んでいた。伊吹は、謝ってもロボットにされた人たちは救われないから、マイちゃんになんと声をかけたらいいのかわからなかったとぼやく。なぜ日本人に外国人実習生が見えないのかと問う伊吹に、志摩は見ない方が楽なだけだと答える。「見えてしまったら世界がわずかにずれる。それに気づいて目を逸らす」と言う志摩に、志摩も何かに気付いて自分を信じられなくなったのかと尋ねる伊吹
  • 同時多発的なら目立たないからと誘引する投稿をしたクズの水森を殴りたいと言う伊吹。機捜の手は離れたが継続捜査したいと言う伊吹に、次の当番勤務で日本語学校の近くを通るから寄るくらいならいいと唆す志摩
  • 日本語学校で、志摩はマイちゃんが共犯疑惑で逮捕されそうだと水森に伝える。動揺する水森に、強盗を呼びかけて外国人を犠牲にして自分だけ逃げたのはお前だろうと言うと、国に文句を言えと返す水森。志摩は、何十万人の外国人実習生の話ではなく、たった1人のマイちゃんの話だと怒る。しかし任意同行はできなかった。マイちゃんのことを考える水森
最後の強盗
  • 1時間後の強盗を呼びかける投稿がされる。九重は、今回は拡散されていないことに気づき、ベトナムの不吉な数字が時間に指定されていることから、集まれのメッセージではなく「来るな」のメッセージだと志摩に連絡する。志摩と伊吹は、強盗する様子を見せて現行犯逮捕されるつもりだと気付き、マイちゃんの店に急ぐ
  • 強盗をして逃げる水森は、紫陽花を見たマイちゃんとのデートを思い出す。マイちゃんを見ていると、日本に入国させた沢山の人たちのことを思い出すと言う水森に、優しくて好きだと言うマイちゃん。自分を卑怯者だと言う水森
  • 公園で捕まった水森が叫ぶ主張をナウチューバーが撮影。日本はあなたを人間扱いしないから外国人は来るなと叫ぶ水森。マイちゃんはそれを目撃し水森に駆け寄ろうとするが、伊吹は共犯だと思われると止める
  • 水森の働いていた管理団体のバックにいたのは永田町だった。陣場は、桔梗が4機捜を作ったのは好き勝手やるためだと陰で言われていることを桔梗に伝え、注意を促す。ただ働いているだけなのにと言う桔梗
  • マイちゃんは、特定技能1号を受け、直接雇用で日本人と同程度の扱いでフルタイムで働けるようにして、沖縄で働くらしい。警察署の前でもんじゃ焼きでもてなして送り出す伊吹と志摩。伊吹は、他の署員が志摩を相棒殺しと噂話をしているのを耳にする
  • ナウチューバーはついに水森の動画でバズったが、テレビでは今更使わせないと笑う。水森のアカウントに成川を名乗る人物からDMが届く

 

 

 

実況中のツイート