つちや(仮)

大体当クールドラマ感想。たまに漫画、たまに旅、たまに雑談。

2019夏ドラマまとめ

お疲れ様でした。

 

全体的な感想

毎日ワクワク楽しみにできるようないいクールだった。豊作!

相変わらず、「最終話でくっつくかどうか気になってハラハラしちゃう!」というラブコメの無さが悲しいが、それでも各ドラマキュンとくる組み合わせがいて楽しかった。

 

全体的には地味に力のあるドラマが集まったクールだった気がする。

逃げ恥やアンナチュラルのようなストーリーの完成度の高さと爆発的加速度を兼ねたトップドラマはないものの、TWO WEEKSや監察医朝顔、これは経費で落ちません!など、土台がしっかりしていて、「わりと楽しんで見られるドラマ」が多かった。

駄作が少ないと言い換えてもいいかもしれない。やはり脚本の力は大きいなとも思った。

火曜日だけが爆発的に楽しみ!というのはなく、毎日ほどよい楽しみがあった。

話題性ならあなたの番ですが間違いなくトップだったが、わりとゆるい脚本(オブラート)のなか、「真犯人は誰だ」を餌にして最終回まで連れてきただけだから、土台がちゃんとしていた印象はない。

本当は「考察ドラマについて」という項目で話すつもりだったが最終回で全てのやる気を失った。

 

 

 

今後の課題

とにもかくにも金曜22時ドラマ被り問題をTBSとNHKは協力して解決してほしい。

 

 

 

俳優・子役の良さ

男性俳優と子役が特に良かったけど、各ドラマキャスティングが素晴らしかったと思う!

「普通」の女性を演じる上野樹里、「普通」に優しい夫を演じる風間俊介、可愛い可愛いつぐみちゃん。つぐみ役の子の演技が自然すぎて本当に「どこかの誰かの子供」だった。

  • TWO WEEKS

三浦春馬がめちゃくちゃカッコよくて比嘉愛未が超絶可愛くてはながめちゃくちゃかわいかった。芳根京子も、真面目な役良かった。

  • ルパンの娘

瀬戸康史って可愛い系だと思ってたけど超絶かっこよかった。小沢真珠この役やるために生まれてきたのでは?

  • 凪のお暇

高橋一生が強すぎる。今期ナンバーワン。慎二のイメージじゃないとか言って申し訳なかった。こんなにも役を自分のものにできる人他にいない。中村倫也も強い。黒木華もすごい。

  • これは経費で落ちません!

山田太陽!!!!!!!!!!重岡大毅強い!!!!!!かっこいいのに普通で年下ワンコで素晴らしかった。彼はいい。もっとラブコメに出して欲しい。多部ちゃんも良かったけど伊藤沙莉さんが特に良かった。

 

 

 

「追い詰め方」を魅せるドラマと「誰が真犯人か」を魅せるドラマ

サインやTWO WEEKS、ボイスは前者に近く(韓ドラリメイクばかりだ!)、あなたの番ですは後者に近かったと思う。ルパンの娘は前者寄りのハイブリッドかな。

前者は最終回より前に正体が明かされる。後者は最終回まで犯人を隠さなければならない分、補足などにかけられる時間が限られる。(2時間サスペンスを思い出すと、最後まで犯人を暴くシーンを引っ張るため、自白に頼ることも多い気がする。本人が語るのが手っ取り早いからなんだろう。)

私は、どのように追い詰めるのか?どうすればこいつの罪を法で捌けるのか・もしくはこの難攻不落の敵を倒す奇策が見つかるのか?をワクワクしながら見たいんだなと思った。逃れられない証拠で犯人を追い詰めてやりたい。

だから、そこに時間をかけられる前者の方が好きだ。もちろん好みの問題だが。

理想としてはあなたの番ですよりサインが近かった。TWO WEEKSは、柴崎を追い詰める証拠を隠し持っていることをもっと前から匂わせてくれていたら良かった。

なるほど!あの時の証言はここで追い詰める証拠になるのかー!だからあの時ここの人たちに話聞いてたのか!とか、「目的を見据えて行動していた」ことが後からわかるのが一番伏線回収の快感を味わわせてくれる。

少年漫画でも、根性で、敵より倒れるのが遅かったとかじゃなく、外したかに見えた剣が実はブーメランのように後から戻ってくることを想定して投げられていたから勝てたとか、そういう智略がある方が好きだ。後からなるほどと思いたい。

ただ、問題としては、追い詰め方を魅せるドラマは、追い詰め方が面白い=追い詰める登場人物の頭が良い必要があることだろう。

物語を書く人は、自分より頭のいいキャラクターを描けないと聞いたことがある。

書ける脚本家と書けない脚本家がいるんだろうな。


誰が真犯人かもわりと明白なのに追い詰めたのではなく自白で終わらせたあなたの番ですの「最終回」が私にとって駄作だったのは当然だろう。追い詰め方でも真犯人の正体でも惹きつけられなかった。最終回以外は期待感があって良かったが。

何も推理できてない。「主人公ならこういう立ち位置が怪しい」とAIで疑ってただけ。証拠も何も突きつけてない。

期待していた分悲しかった。

 

 

 

各ドラマまとめ

丁寧さが抜群だった。

解剖のめちゃくちゃ地味な作業と、朝や夜の食事シーン。

監察医はこうやって地道に検証や作業を重ねているんだなということと、どんな人もこうやって日常的なコミュニケーションを重ねて日々を送っているんだなということ。

事件自体はドラマティックじゃないのに、むしろ地味さが面白いドラマだった。

そして、爆破事件に配慮した回も誠意を感じた。

 

  • TWO WEEKS

毎週ハラハラドキドキしながら見ていた。

一つの方策がダメになっても後から挽回する姿勢があってストレスなく見られた。

みんな幸せになってほしい。

 

つまらんと思って1話で感想を書くのはやめたが、感想書かないぞと思うとハードルが下がったのか、それなりに楽しく見ていた。

石原さとみにもう傲慢な役をやらせないでほしい。

 

  • 偽装不倫

なぜ未婚だと打ち明けられないのかに全く感情移入できなかったが、その分姉の不倫と家庭内不和を楽しんだ。

でも不倫してたのに終わり方が爽やかすぎる。

 

  • サイン

パワハラが過ぎて真面目に見たらイライラすると思って流し見していた。

最終回の衝撃がすごかった。

 

  • ルパンの娘

ラブとシリアスとコメディの配分が抜群。ふざけ倒せば視聴者は流される。

テンポとキャラクターがいいとこんなにも画面から離れられないのかと思った。

全ての役者がこの人しかいなかった感じがする。

幸福の黄色いハンカチくらいしかわからなかったのだが、「エンタメへの知識が多いほど楽しめる遊び心」が満載なのも良かった。

「どうしてミュージカルは突然歌いだすのか?」というミュージカルに不慣れな人間の疑問を逆手に取って演出にしていたのが面白かった。もうミュージカルがないと物足りない体になってしまった。

 

  • 凪のお暇

原作へのリスペクトをめちゃくちゃ強く感じた。

原作の慎二とゴンの再現より、慎二とゴンの立ち位置を実写に落とし込むとどうなるのかを考え、モラハラだけどなんとなく見捨てられない男と、人誑しの男にぴったりのキャストを当てはめることを優先したのがすごい。

「いいところと悪いところがせめぎ合う絶妙な男たち」が見事だった。

映像の美しさや各演出もくどくなくて良かった。

 

  • これは経費で落ちません!

金曜22:00に被らせるな!!!!

今期は特に最悪。凪のお暇楽しい人間と経費楽しい人間って一致してるよ。なんてことしてくれるんだ。

ブコメ要素は今期のオアシスだし、経理という視点を通して会社内のあらゆる問題に切り込むというのがとても面白かった。

現実は、スカッとジャパンのようにはいかない。悪が完全に成敗されることはあまりなく、被害者でも「まあこのへんを落とし所にして、ね?」と言われ、モヤモヤすることが多い。

そういった若干の後味の悪さと、ただただ真っ直ぐで太陽のような年下の男の子との恋愛への眩しさのバランスが素晴らしかった。

 

  • ボイス 110緊急指令室

真木よう子、他の喋る役の演技では思ったことなかったのにめちゃくちゃ滑舌が悪くて驚いた。何かあったのかなと思うくらい。

増田くんが地味で良かった。顔面から人の良さがにじみ出ているから次は悪役やってほしい。

単独行動が多くて困った。

 

  • あなたの番です

半年間も見ていたから喪失感がすごい。

最終回までは本当に本当に楽しかった。面白いではない、楽しかった。リアルタイムで見るからこそのエンターテイメントだった。こういう文化は是非続いてほしい。

賛否両論あれど、秋元康の手腕はすごい。疑いようがない。

しかし伏線を丁寧に回収する手腕のある脚本ではなかったんだろう。

脚本と秋元康の思惑が噛み合えば次のドラマはさらに良くなりそう。

 

 

 

全話リンク

-監察医朝顔

監察医朝顔第1話感想〜第1話からの彼氏と別れないでね!絶対絶対別れないでね!〜 - つちや(仮)

監察医朝顔第2話感想〜いざという時そばにいられない男〜 - つちや(仮)

監察医朝顔第3話感想〜フジテレビ!やればできんじゃん!〜 - つちや(仮)

監察医朝顔第4話感想〜病院でついでに告げられる話は妊娠か重病と相場が決まっている〜 - つちや(仮)

監察医朝顔第5話感想〜非実在彼氏〜 - つちや(仮)

監察医朝顔第6話感想〜「ジャムあるもん!」ないよ…〜 - つちや(仮)

監察医朝顔第7話感想〜未来にあるのはあなたのいない幸せだけ〜 - つちや(仮)

監察医朝顔第8話感想〜アンナチュラルでもなかった展開〜 - つちや(仮)

監察医朝顔第9話感想〜つぐみエンジェル〜 - つちや(仮)

監察医朝顔第10話感想〜悪いことの予兆を丁寧に積み重ねるな!〜 - つちや(仮)

監察医朝顔第11話(最終話)感想〜ラジハで味をしめたか〜 - つちや(仮)

 

-TWO WEEKS

TWO WEEKS第1話感想〜頭脳使って逃げるのかと思ったらただの事故かい〜 - つちや(仮)

TWO WEEKS第2話感想〜爆発にも「映画かよ!」って突っ込んでほしかった(天丼)〜 - つちや(仮)

TWO WEEKS第3話感想〜三浦春馬と公衆電話、良い〜 - つちや(仮)

TWO WEEKS第4話感想〜だから早めに婚約者に言っとけって言ったじゃん〜 - つちや(仮)

TWO WEEKS第5話感想〜運命のいたずら〜 - つちや(仮)

TWO WEEKS第6話感想〜これは有馬負けルート〜 - つちや(仮)

TWO WEEKS第7話感想〜有馬疑ってごめんな!〜 - つちや(仮)

TWO WEEKS第8話感想〜「パパでしょー!」ああああああああああああああああ〜 - つちや(仮)

TWO WEEKS第9話感想〜みんな賢いので騙し合いが楽しい〜 - つちや(仮)

TWO WEEKS第10話(最終話)感想〜恋はスリル・スピード・ストレスフリー〜 - つちや(仮)

 

-ルパンの娘

ルパンの娘第1話感想〜IQ低めのキャッツアイ!いつか「君は僕の愛する人に似ている」と言ってほしい〜 - つちや(仮)

ルパンの娘第2話感想〜ばあちゃんは敵か?味方か?(そんな話ではないのでは)〜 - つちや(仮)

ルパンの娘第3話感想〜あんたなんか牡丹じゃなくて泥棒猫!〜 - つちや(仮)

ルパンの娘第4話感想〜オイかず坊記憶失えやオラ〜 - つちや(仮)

ルパンの娘第5話感想〜恋人のLINEとその仮面の下〜 - つちや(仮)

ルパンの娘第6話感想〜もし、俺以外の奴に捕まったら〜 - つちや(仮)

ルパンの娘第7話感想〜「愛」として100点満点〜 - つちや(仮)

ルパンの娘第8話感想〜ミュージカルパートがあると震えがおさまる〜 - つちや(仮)

ルパンの娘第9話感想〜つらすぎて 地球爆発 しないかな(5・7・5)〜 - つちや(仮)

ルパンの娘第10話感想〜世界一難しい恋、テンポ最優秀賞のドラマ〜 - つちや(仮)

ルパンの娘第11話(最終話)感想〜「見ないでください!」のダブルミーニング〜 - つちや(仮)

 

-凪のお暇

凪のお暇第1話感想〜生身の生きづらさ5割増し〜 - つちや(仮)

凪のお暇第2話感想〜もはやバラエティの高橋一生の笑顔を信じられなくなりそう〜 - つちや(仮)

凪のお暇第3話感想〜凪いだ風のようなお暇の男の人〜 - つちや(仮)

凪のお暇第4話感想〜男女の大切なシーンに雨が降ると空が代わりに泣いてくれる〜 - つちや(仮)

凪のお暇第5話感想〜ゾンビランドナギ〜 - つちや(仮)

凪のお暇第6話感想〜花火じゃなくて君の横顔を見ていた、夏〜 - つちや(仮)

凪のお暇第7話感想〜高橋一生じゃなく愛されたかった我聞慎二が泣いている〜 - つちや(仮)

凪のお暇第8話感想〜見た目は大人!恋愛スキルは子供!〜 - つちや(仮)

凪のお暇第9話感想〜米寿のばあちゃんかわいそう〜 - つちや(仮)

凪のお暇第10話(最終話)感想〜恋はタイミング〜 - つちや(仮)

 

-ボイス 110緊急指令室

ボイス 110緊急指令室第1話感想〜いやお前こそ拡大せえや!!!!!〜 - つちや(仮)

ボイス 110緊急指令室第2話感想〜次回から「アニキ!」カウントしたいくらいアニキ!〜 - つちや(仮)

ボイス 110緊急指令室第3話感想〜8アニキ〜 - つちや(仮)

ボイス 110緊急指令室第4話感想〜室長と合わせて12アニキ〜 - つちや(仮)

ボイス 110緊急指令室第5話感想〜多分4アニキ(アニキへの違和感が消え失せ無意識に受け流している)〜 - つちや(仮)

ボイス 110緊急指令室第6話感想〜4アニキ〜 - つちや(仮)

ボイス 110緊急指令室第7話感想〜AI未希ちゃん!〜 - つちや(仮)

ボイス 110緊急指令室第8話感想〜4アニキくらい(曖昧)〜 - つちや(仮)

ボイス 110緊急指令室第9話感想〜透の死亡フラグを折れるのはアニキだけ!〜 - つちや(仮)

ボイス 110緊急指令室第10話(最終話)感想〜単独行動ノルマクリア〜 - つちや(仮)

 

-あなたの番です反撃編

あなたの番です特別編感想〜俺は社会人探偵手塚翔太。妻で15歳年上の手塚菜奈とマンションに引っ越すと…ゲームに巻き込まれてしまっていた!〜 - つちや(仮)

あなたの番です第11話感想〜西野七瀬さんがめっちゃ可愛かったな!考察と感想〜 - つちや(仮)

あなたの番です第12話感想〜読解力がないからキャンパスLoveなのか容疑なのかわからない 感想と考察〜 - つちや(仮)

あなたの番です第13話感想〜殺人ゲームはTRPG?翔太くんあとでどーやんにお礼したか?これで二重人格なら許さない秋元康 感想と考察〜 - つちや(仮)

あなたの番です第14話感想〜付け焼き刃の恋愛要素(悔しいビクンビクン) 感想と考察〜 - つちや(仮)

あなたの番です第15話感想〜仲が深まるたび黒島に落とされる予感が強まりつらい 感想と考察〜 - つちや(仮)

あなたの番です第16話感想〜もはや黒島が黒幕だとつまらんところまできている 考察っていうか感想〜 - つちや(仮)

あなたの番です第17話感想〜警戒している相手なら水道で入れた水でも飲むな 感想と考察〜 - つちや(仮)

あなたの番です第18話感想〜恋はスリル、ショック、サスペンス 考察と感想〜 - つちや(仮)

あなたの番です第19話感想〜愛の形を示すドラマか 感想と考察※ほぼ自分用メモ〜 - つちや(仮)

あなたの番です第20話(最終話)感想〜1つの作品に2人以上のサイコパスはいらない〜 - つちや(仮)

 

-挫折したもの

ノーサイド・ゲーム第1話感想〜体育会系のノリについていけない〜 - つちや(仮)

HEAVEN?ご苦楽レストラン第1話感想〜真剣に見るのはやめよう〜 - つちや(仮)

偽装不倫第1話感想〜事実不倫じゃなくても不倫しようとか言ってくる男はクソだからこいつとのハピエンは無理〜 - つちや(仮)

サイン-法医学者 柚木貴志の事件-第1話感想〜驚きの未解決〜 - つちや(仮)

ルパンの娘第11話(最終話)感想〜「見ないでください!」のダブルミーニング〜

主観による評価

★★★★☆

 

正体バレが中間にあり、そこから「結ばれない二人」の悲しみを中心に動いていたため、悲恋ドラマのようなシリアスドラマのような気になっていたがそもそもこれはおバカなコメディドラマであることを思い出させてくれる最終回だった。

ドラマの最終回として見るのであれば、非現実的で物理的法則を考えていない脱出方法や、死んだ人間と生きていくことの現実的難しさ(子供が生まれた場合に訪れる障害や怪我をした時に保険がきかないことなど)が気になるところだろう。

でも、これは、他でもない「ルパンの娘」の最終回である。

ついていけない量のオマージュ、ミュージカルを始めてしまう泥棒、外に出られず合成音声ソフトで話す泥棒、やたらと演技が大げさな泥棒、五七五でしか己を表現できない警察、その時点で十分非現実的なのに、終わり方にどんな現実を求めるというのだろう。

独自の世界が、現実の世界に絶対に屈しなかった。終わり方だけ普通のドラマになることなど絶対にしなかった。どうせなんだかんだみんな幸せになるだろうという安心感もある。

この、アホなコメディドラマの、深く考えたら負けな「ルパンの娘」の最終回としては、満点だったと思う。

笑って泣けて、本当に楽しめた。ありがとう。

来期からミュージカルのないドラマを見るしかないのが苦しすぎる。円城寺…出てくれない?無理?

 

 

 

同じ言葉・同じ行動

毎話ミュージカルを巧みに挿入することで、視聴者の中にある、突然歌い出すことの意味を麻痺させ、最終話でそれを持ち味として戦うことに導いたように、このドラマは、描写する行動や言葉に意味があり、それを一つ一つ、後から効果を発揮できるように丁寧に描いてきたように思う。

アホドラマに見えて、おばあちゃんが華とかずくんの恋を特別応援していること(そしてその場では深く追求させなかったこと)も、その場ではなんとなくで済ませられたのが、後から意味があったとわかった。

あれ伏線なんじゃない?と視聴者がいつまでも引きずるような意味深さがなく、何気ない描写で、いつのまにか忘れてしまうような軽やかさを散りばめていた。

行動や言葉の反復によって、継続して見てきた視聴者に、単発では与えられない楽しさを提供していた。

 

最終回でそれを感じたのは、エミリの「見ないでください!」という口癖と、仮面を再び外したかずくんのシーン。

 

エミリの「見ないでください」は、最終話だけ違う意味を持った。

元々エミリに「見られたくない」設定がなく、「泣いているから見ないでください」と最終話で出てくるだけでは視聴者に響くものが全く違う。

あなたを想って涙を流しているので見ないでください、あなたを裏切った女の顔など見ないでください、どうせ薄情な私ではない人のところへ行くなら見ないでください…色々な想いを振り切りたいから見ないで欲しいという切なる願いのこもった「見ないでください」になっていた。ある意味では、「見てください」と同義だったとも思う。

一言一句変わらないのに、シチュエーションが違うだけで意味が変わる。こんなセリフになるなど誰も考えていなかっただろう。

(今までは言われればすぐ顔を背けていたかずくんが最後だけ「見た」のはせめてもの誠意だろう。)

 

かずくんが華の仮面を外すシーンも、一度目とは違う意味を持っていた。

一度目は運命から目をそらすため。二度目は運命から逃げないため。

華であって欲しくないという祈りを込めた一度目は、華と自分の運命を受け入れる覚悟が足りなかった。華であって欲しくないと願っていたから。この泥棒が華でもその運命を受け止めようとは思えていなかった。

でも、一度華を失ったかずくんが外した二度目の仮面は、この仮面の奥にいるのが華だからこそ、その運命ごと受け入れようという覚悟をもって外された。

一度目は悲しいシーンだった。かずくんがずっと隠されていたことに気づいてしまう。きっとそれを知ったら華はかずくんを失うだろうとみんなわかっていた。

でも二度目は違う。正体を知っているかずくんがわざわざ仮面を外す必要はない。外すなら、つまり、その仮面をつけた華を、その仮面の奥にいるのが華であることを自分は受け入れるということを、華に伝えるためだから。

あんなに悲しいシーンがしあわせなシーンに変わった。

キスをする二人が、かずくんは結婚式の装いで、華が泥棒の装いとちぐはぐなのも、二人の運命の過酷さを物語る。それでもその姿でキスをすることが、乗り越えるという覚悟を表していた。

(キスが長いのも良かったな…。)

 

ただのアホドラマに見えて、本当に緻密に練られて作られていたんだなと思う。多分、一度目に仮面を外すとき、すでに最終話でもう一度仮面を外すことを考えていたんだろう。

最終話まで合わせて、一つの美しい流れを持つドラマだった。

 

 

 

いろいろ感想

  • 結局、ルパンの娘は運命を神様から盗んで、かずくんとの未来を手にした形となった。やっぱり泥棒の才能があるのであった。でも、盗めなかったばあちゃんの運命もまた、幸せなものだったのがとても良かった。多分華も、かずくんと結ばれなくても幸せな運命があったのかもしれないけど、全ては選択だった。ばあちゃんの選んだ道も華の選んだ道も間違いではなかった。

 

  • 正体発覚が中盤だったから、「バレるかも?バレないかも?」ばかりじゃなかったおかげで中だるみがなかったんだろう。
  • オマージュが、くどいと思う絶妙なラインを攻めて入れられていて面白かった。製作陣が楽しんで作っているのが伝わってきた。(最終話のアルマゲドンにも笑った。) 
  • 詰め込みすぎを逆手に取られた。他のドラマだとくどいとか、あと一話増やせとか思うところが、全くなかった。特に最終回は全部盛り。

 

  • 1話で「なんじゃこのミュージカル」2話で「カラオケかよwwww」と言っていたのに5話あたりから完全に無いと震えが止まらない存在になっていたミュージカルパート。最後は歌で戦うマクロスぴちぴちピッチを想起させた。(そうか…?)敵のツッコミがど正論すぎる。(なんだお前!)(何歌ってんだよ!)その通りである。なんで歌ってんのかもわかんないし、なんで歌いながら戦う世界観を視聴者が受け入れているのかもわからない。これまでの話で丁寧に描いてきたからだろう。(丁寧に描くポイントのクセが強い!)

 

  • エミリはともかく、円城寺は本当に1ミリも悪いところがなかったので、切なかった。ただ人の心が変えられないだけで。

 

  • クランクアップの記事を読んだが、やっぱり小沢真珠が一番楽しんでいたようだった(笑)最終話、どう見てもやりすぎなのにえつこを肯定するパパ、愛である。

 

  • 個性的なキャラクターばかりの中で、ある意味誰にでもできるような、平凡で普通な正義漢役を、瀬戸康史で良かったと思わせる瀬戸康史の強さよ。

 

  • シリアスドラマだと勘違いしていたのはかずくんがバカじゃなくなったせい。

 

 

  • よくわからないポイントで正々堂々としている巌。

 

 

 

  • 渉が、世間的には弱者なのが良かった。栗原類の演技が普通にめっちゃよかった。

 

  • エミリとかずくんも、決して情がなかったわけじゃないから切なかったな。

 

 

 

 

 

実況中のツイート

監察医朝顔第11話(最終話)感想〜ラジハで味をしめたか〜

主観による評価

ストーリー ★★★★★

フジテレビ ★☆☆☆☆(馴れ初めを描くことは評価)

 

いい最終回だった!

大じぃじと光子の涙、歩き出せた朝顔に泣いた。

そして1話からの積み重ねを確かに感じる構成が見事だった。災害で心に傷を負った朝顔が、執刀できない苦しみに苛まれてもそれを乗り越え、災害の現場で今度は解剖医として悲しみに立ち向かう。

解剖医の話であり、災害に苦しみ災害と向かい合いその悲しみを携えて生きていく話でもあった。

最後まで細かいところにも手を抜かないでくれてありがとう。いいドラマだった。

 

褒めるところばかりで、マイナスポイントはストーリーではなく制作側のやり方だけだから、まず評価をマイナスした点だけ簡潔に。

  • 次回予告で「悲劇」などと煽っておいて早々に桑原の安否確認➡︎最終話の視聴率を上げるために誇張表現をした(視聴率を高めることが悪いということは全くない。姿勢くらいは隠せと言っている。)

    ストーリーに集中したい視聴者に「もう桑原くん死なないよね?」ってハラハラさせて楽しいか?そういうドラマじゃないよねと思いながらエンディングまで見るの、ちょっと嫌だった。

  • ラジエーションハウスで先週までドラマを見ていた視聴者をバカにしていると散々書かれていたのに、(番外編だと期待して見た人が多く)視聴率が高かったためか同じ手法をとる(新しいシーン+総集編)(やるなとは言わんがちょっとした新シーンで釣って2時間分の視聴率荒稼ぎするな。そんなんだからフジテレビは信用を失うんだ。)(ラジハ特別編感想記事)

ただ、2つ目については、「あなたの番です」も黒幕の動機解明をこのスタイルにすれば良かったのでは…と思う(笑)

 

マイナスポイントはこれくらいにしておいて。

全体的なストーリーの完成度は本当に高かったと思う。素人の感覚だけど。

 

描いているものはあまりにも地味だ。

世界を巻き込む事件もない。殺人かと思いきや自殺。朝顔は犯人確保の場まで出しゃばることはない。協力はしても越権は基本的にしない。死因がどうしてもわからないこともある。

でも、私のような、解剖の世界とは無縁な人間に、無縁ではないと思わせるような重みがあった。

最終回でその役割を担っていたのは桑原くんだった。

遺体安置所に「並べられた」遺体。この中の一つだったかもしれない。

その人たちがたまたま亡くなった側にいたように、自分が生き残った側にいたのも偶然。

「今生きていることは奇跡なんだから、感謝しないと」「家族とも明日お別れになる可能性があるんだから、悔いのないように謝っておこう」といつも心がけるのは難しいけど、せめて何かあったときに遺された人たちが困らないようにするのは必要なことだなと思った。遺書書こうかな。

 

また、地味でも、視聴者の知らない「解剖医の世界」をかなり丁寧に紹介していたと思う。

有毒ガスが発生したときの対処もそうだが、特に最終回の遺体安置所の設置は本当に興味深かった。

私にとっては遺体安置所は「そこにあるもの」で、「あるもの」も誰かが手を動かして作ったものだという視点が欠けていたことに気付かされた。

生きている被災者への配慮、導線の確保、あらゆることを考えて設置されていた。(そして、法医や歯科医へのケアまで手厚い。)

考えみれば電柱も塗り直された横断歩道も何もかも人手によるもののはずだが、こうやってわざわざドラマのワンシーンとして時間を割いて「取り上げないと見えない部分」を描写した意味はかなり大きいなと思う。

特に、医療ものはドラマティックで派手で、手術シーンや医者同士の揉め事がメインで描かれることが多いから。

派手な部分より、堅実な部分を優先した。すごいと思う。民放のドラマなのに。(そう考えると前クールのラジエーションハウスは派手だった。)

 

そして家族の描写もとてもとても平凡だ。

朝のこだわりのジャムがなくてチーズトーストに心が躍らない子供、ママとパパがいなくて食べたくない子供、誰かが麦茶を継ぎ足して、カレーは作れば何日分かのストックになる。

ドラマを見る誰もが、どこかで見たことあるような、自分でもやったことがあるような家族。

どんなドラマでも描けそうに思うけれど、意外とない。

どうしてもママばかり家事をしていたり「ママ早くやってよ」とパパに言われたり「麦茶ないよ」とじぃじに甘えられたりといった、もやっとする部分があるのだが(もしくは発言はないが他の人が準備するシーンもない)、桑原くんも平さんも朝顔も全員家事能力があり、誰かがつぐみを見ていれば誰かが動き、誰かが疲れていれば誰かが大目に担う。

当然できた方がいいはずなのに誰もが当然できるわけではない協力が目に見えてそこにあったから、余計な部分で「いやお前がやれよ」と思うなどのストレスを抱く必要がなかった。理想の家庭だった。

毎回食事シーンが入っていたの、本当に良かった。

しかも、別につぐみの言葉で事件解決のひらめきが得られる、みたいな重要なシーンじゃなく、ある意味無くても事件解決にも死因解明にも全く影響がない要素を毎回丁寧に丁寧に入れていたって、すごい。

 

そして、最後のメッセージも心に響いた。

愛する人を亡くした悲しみは、忘れたように見えていつも心の中にあって、ふとした瞬間に「そういえばあの人はもういなかったんだ」と思い出す。

東日本大震災から8年。

愛知県で見る報道は減った。東北出身の人は普通に仕事をしていて、結婚していて、あの震災は過去のことだったんだと一見思える。この人は忘れて前を向いているんだろうなどと。

でも違っていて、他人には見せない部分もあるだろうし、平気そうに見えるその人の中にも悲しみの波が寄せる瞬間があるんだろう。

そのことに気付かされた。

悲しみは寄せては返すさざ波のようと言っている人を見て、穏やかでつぐみを可愛がる大じぃじと娘がいないことを悲しむ大じぃじは、どちらも本音なんだろうと思った。

普段我慢しているわけではなく、ただ時々ふと悲しみが押し寄せる。

傷が癒えることは永遠になくて、忘れることも永遠にない。

それでも残された人たちはどうしても明日のために生きなければならない。

何に気づいたところで失った命は元には戻らないことを痛感させられたドラマでもあった。

前回、さぶちゃんが無罪になって思ったことを、泣いた光子を見て、もう一度思い出した。

 

 

まだまだ、細かく書きたいことがたくさんあるから、箇条書きで。

  • やはり土に埋もれてもジャニーズは死なない(コードブルーの山Pももそっと起き上がった)。

 

  • つぐみ役の子役っぽくなさが本当に良かった。棒読みじゃなくて本当にそこに「桑原くんと朝顔の子供」がいた。自然で、無邪気で、演技していないかのような自由なセリフと動き。

 

 

  • 役だけじゃなく、キャラ設定も良い。優しいパパと優しいママと優しいじいじと暮らしているからといって聞き分けのいい良い子ではない。ママもパパもいないからと朝ごはんを食べなかったり(電話ですぐに機嫌を直したり)保育園の準備前に走り回ったり。本当に本当に普通の子の設定なのが新鮮で、そして視聴者に「どこかで見た子供だ」という親近感を抱かせた。

 

  • 朝ごはんを食べようとしないつぐみに、じぃじが「じぃじが食べちゃうぞ〜」って言うの、あまりにもあまりにも見たことがある光景で笑った。「やだ!食べないで!私が食べるの!」を期待してあんな冗談言ったのに反応されないと調子狂っちゃうんだよね。

 

  • 大じぃじ号泣シーン直後、平さんと朝顔が見晴らしのいい丘に行ってしまったけど、桑原くんとつぐみを泣き腫らした大じぃじのところに放置しないで…と思った(笑)気まずい空間…。

 

  • 最後まで理想が服着て歩いてるような夫だった。

 

  • みつこどこいくんだろう?と思ったら椅子持ってきたので細かいなあと思った。現実でああいう場面があったらやはり誰かが椅子を持ってくる指示を出すだろう。

 

  • 志田未来中尾明慶がとても良かった。思い返してみると、「二人の成長をメインに取り扱う回」は一度もなかったのに、二人とも回を追うごとに成長していることがわかるつくりになっていたの、すごいな。二人とも画面の隅で、朝顔の葛藤の近くで少しずつ変化していったことが行動や発言から伺えた。光子が解剖医を選んだことも、さぶちゃんの無罪のために頑張ったことも、最終回で泣いたことも違和感がなくて、そういえばメインじゃないけどちゃんと丁寧に描写が差し込まれていたんだなと思った。

 

 

 

 

 

実況中のツイート

ボイス 110緊急指令室第10話(最終話)感想〜単独行動ノルマクリア〜

主観による評価

★★★☆☆

 

最後まで単独行動してたな…。

誰も変わらなかったな。沖原の犠牲とは何だったのか…。

そして雫を死なせ、犯人さえ死なせるという警察の特大の失態。

上手くまとめたような顔してるけれど、警察内部への侵入さえ許し、犯人は護送の隙を突かれ殺害され、事件に関与した警官は植物状態

現実ならヤフコメ大荒れの大ニュースだよ。

とんでもない最終回だった。

あと数話前から聴力が急に超能力レベルに成長していたのはチートすぎやしないか。

アカン、突っ込み始めたらキリがない。

それでも全話通して見て楽しかった。日本でもこれくらい暴力的でグロい(グロ好きな人には物足りないだろうけど)画面のドラマが22時台に流せるんだなと思った。可能性が広がりそう。

3ヶ月間突っ込みながらも楽しんだ!ありがとう。

(ただ今後、できたら安直にスマホ社会への警鐘のメッセージを唐突に入れないでほしい。なんか浅い。)

 

こはちょっと気になった。結局引き金は引いたんだな…。

いいバディになっていてちょっと安心した。

 

 

 

実況中のツイート

初2.5次元!舞台幽☆遊☆白書感想

幽☆遊☆白書が舞台になってる…

なんかもうずっと泣いてた…。

まず目の前に幽☆遊☆白書がある。幽☆遊☆白書のストーリーが目の前で進んでいる。感動。

紛れもなく幽☆遊☆白書だ…という感動で大体泣いてた。

あとは単純にストーリーで感動した。いや何回読んでんだよ。親の馴れ初めより知ってる話だろ。

通夜。桑原と温子さんと螢子。泣いた。

一人で泣きながら飲む温子さん。泣いた。

夢を見ながら泣く螢子。泣いた。

母親に泣かれるとバツが悪いと説く幽助。泣いた。

同じストーリーでも舞台になった途端「何か」が違っていて、それが新しい感動になって入り込んできた。媒体が変わると違うなあ。

 

私が幽白にハマった頃には原作もアニメもとっくに終わっていて、たまにジャンプの周年記念にグッズが出たりアニメの周年記念に企画されたりしていたけど、まさに今新しい形が提供されている場面に遭遇したことがなかったから本当に嬉しかった。

舞台化の流行もあるだろうけど、またスポットライトを当ててくれてありがとう。

 

最初、好きな演者がいるわけでもないのに2公演も見る必要あるかな、1公演見て「千秋楽はいいや」って思わないかな、原作が好きなだけだから一度「見る」だけで十分かな…などなど考えていたんだけど、1公演見た時点で2公演目が楽しみで仕方なかった。

どれがアドリブだったのか?そしてアドリブだとしたら明日はどんなセリフになるのか?確認したい。めちゃくちゃ見たい。願わくばメモを取りたい。二画面で昨日の公演と比較したい。

(と言うより、1回目はほぼ泣いていたから、2回目の方がストーリーに集中してたかも。)

同じ舞台を何度も見る人の気持ちがわかった。今日の公演と明日の公演で抱く感想は別物なんだ。

実際、千秋楽を見たら、昨日とは全然違う。笑いどころも結構変わるし、アドリブもこんなにも変わるのかというくらい違う。コンプリートできないのが辛いところだ。(ウケの悪い観客だったらこの後のアドリブはやめようとかにもなるのかな?)昨日はウケてたのに!?とか、昨日はスルーされてるのに!?とかあった。

普段映画やドラマ(何度見ても変わらないもの)しか見ないけど、こういうエンターテイメントもいいなあ。

2.5好きのフォロワーに、アドリブがあったり千秋楽は気合が入ってたり…と言われたことを思い出した。とても納得。

 

キャストの方々も仰ってたけど、続編も見たい!

雪菜さんにも出てきてほしいし、暗黒武術会もやってほしい!どんどん続いてほしい!

初の「歌のない舞台」、自分がどんな感想を抱くか不安だったけど、本当に大満足だったし、次があったらまた絶対見に行く!

 

とにかく、原作リスペクトをめちゃくちゃ感じた。大切にしてほしいシーンは全部入っていた。

パンフレットも読んだ。

脚本もキャストも幽☆遊☆白書を大切にしてくれてありがとう…。

 

※全然関係ないんだけど、9000字近く記事書いたのに今編集しようとしたらなぜか6000字になっていた。多分バグでどこかのタイミングの下書きが投稿されてしまったんだろうけどめちゃくちゃショック。もっと色々書いた…。

 

 

 

 

チープじゃない!

こういう舞台をまともに見るのが初めて(四季のリトマ、宝塚のLVは見た)で、もっとチープな感じを想像していたんだけど、全然そんなことなかった。

チープな感じになりそうだと思っていたのは、服装がどうしてもコスプレちっくになると思っていたから。学芸会みたいな見た目になるのかなと思っていた。(舐めすぎでは?)だって、緑と青の制服て。

でも当然ながら布がちゃんとしたやつで、思った以上に馴染んでいて、コスプレじゃなくて舞台衣装になっていた。(ただし小コエンマは除く。)(いやまあこれはこれでめっちゃ面白かったからいいんだけど。)

カツラなどの違和感がなかったのは、撮影するものじゃなくて、遠くてよく見えない舞台だからこそかもしれない。(最前列だと見えるのかもしれない。)

2次元を単純に実写化することと、2.5次元は別物なんだろうなと思った。

再現度だけ高ければいいわけじゃない。2次元と3次元の間のキャラの動き・色を目指すものなんだろうな。(たとえば漫画ではC100の青色をそのまま演者に着せたらチカチカするからマゼンダを混ぜる的な。)

それがうまくいかないと、たとえば実写映画るろうに剣心のフワッとした牙突とか、ドラマぬ〜べ〜のゆきめの服装とか、「そうなるなら無理に再現しなくてもよかったのでは」という事態になる。

2次元の舞台における実写化が流行して、ドラマの実写化とは枝分かれして発展したから上手くいってるのかな。

3次元ではなく2.5次元と言われるのもよくわかる。(私の考えている意味ではないかもしれないけど。)

桑原が舞台上で「2.5次元です!」と言っていて(観客は笑っていた)、演者も認知している言葉なんだなと思った。

 

 

 

 

舞台だからこそ

あと、「舞台だからこそだな」と興味深かったポイントは、演者や小物の移動時間確保が必要なことと、舞台の上にいる以上視界に入るから演じ続けないといけないこと。

移動時間に「増やさないといけない」場つなぎと、「省略できない」人々の動きがあるというのが、普段ドラマやアニメ、漫画だけ見てる人間には結構新鮮だった。

 

1つ目については、コエンマの解説コメントがそういう役割だったのかな。

最初、「このコエンマパートなんの意味が?」「えっ声出して笑っていいところなの?いいの?」と戸惑っていたけれど、衣装が少し変わっていることや上手から出てくる小道具が変わっていることを考えると、掃けた小道具を出る順番に入れ替えるとか上手に掃けた演者が下手に移動するとかいう時間を捻出する必要があるのかな?と想像していた。

リアルタイムで全てが進むからこそ、物理的にカットできないものを観客に見せずに済ませるために、空白の時間を作らないようにしているんだろうなと思った。

でもそこも退屈じゃなくて、コエンマのコミカルな動きや笑いどころがあって、工夫がすごいなと思った。舞台ってみんなこうなのかな?

そのために「回想してみよう」という作りにしたのかな。

 

2つ目については、特に幽助vs飛影戦で思ったんだけど、舞台の中央にいないからと言っても、いつ誰が見ているかわからないから演技し続けているんだなと、当然のことなのに感動した。

舞台中央で幽助と飛影が戦う。観客は基本的にもちろんそちらを見ているんだけど、その真上では邪眼の力を抑えるぼたんと蔵馬がいる。

二人はメインではないけれど突っ立っているわけじゃない。誰も見ていないだろうと気を抜くことはできない。「画面」に居続ける以上は演技が続く。無でも停止でも無言でも、動きは絶対に表現される。

漫画ではコマ内で省略すればいいし、アニメは描かなければいいし、ドラマではカメラアングルで写すことも切り取ることもできる。

観客の見る場所を誘導できないのって、舞台やミュージカルだけなんだなと思った。

 

ちなみに、上で「声出して笑っていいの?」と書いたが、思ったよりみんな笑っていて驚いた。他の舞台もこんな笑う感じなのかな?まあだいたいコエンマのせい。

そして笑っているのに全然おしゃべりしないマナーの良さに驚いた。(前夜に映画館でかぐや様は告らせたいを鑑賞して、笑いもするしおしゃべりもする治安の悪さにイライラしていたこともあってそのギャップにびっくりした。)

笑うことが公然と認められているのに、みんな周りの人の邪魔になることしないんだな。まともか…?

たまにマナーについてメモ帳スクショRTが回ってくるから、運が良かっただけかもしれないけど。

自分がやったことの評価がその場で返ってくるのは怖くもあるだろうけど達成感もあるだろうな。劇場にこだわる漫才師とかもそういうこと言うし。

 

 

 

 

どうでもいいんだけど

カーテンコールってあんなに長いものなの?

なんで何回も出てくるの?動きも同じ感じだったし。それとも何か回ごとの違いがあった?

そういえばリトルマーメイドのときもものすごく長かった。慣習なのかな…。

一度だけやってトークの時間長くするのではダメなのかな?

あと千秋楽でみんな立ち上がって驚いた。なるほどスタンディングオベーション。最前列の方々が率先して立ち上がっていた。勉強になった。

 

 

 

 

細々と感想

※9/21昼の部、9/22夜の部(千秋楽)を観劇。

  • 会場について。一宮市民会館はよろしくないな。遠い。交通不便。まあ大体みんなあんな感じだから道には迷わなかったけど。
  • しかし2.5次元って男性俳優がメインのものなのかな。セリフ量で言えば飛影よりぼたんの方が多かったと思うんだけど、メインキャスト!みたいな扱いじゃなかった。(メイン扱いはコエンマと4人。)まあ元々幽☆遊☆白書はそんな感じだけど。セリフの量で決めるのはナンセンスかも。
  • 幽白ステの他の公演を見ていることを前提としているのか、それとも2.5ならお決まりなのかわからないけど、最初は拍手ポイントも笑うポイントもなかなかわからなかった。コエンマによる回想とい形式も、最初は笑いづらかった。慣れたら楽しかったけど。
  • プロジェクションマッピング的な映像を駆使しているのめちゃくちゃ面白かったな〜!特に飛影のスピードの再現!演者が動くには限度があるから、動く板に次々に飛影を映すんだけど、よく考えるなと思ったしたしかに速そうに見えるんだよ。超面白い。あとは幽助が霊丸放つ前に指に光が集まるところはプロジェクションマッピングじゃないけど舞台の光を使って霊丸っぽさが出ていて良かった。
  • ぼたんが螢子の邪眼抑えてるときも後ろにうようよ表示されてた。
  • オープニングで、微笑みの爆弾に合わせてみんなの戦いっぷり見せてくれるのめちゃくちゃ熱い。まず微笑みの爆弾だけで熱さ一億倍くらいになっちゃうからな。
  • ↑しかし桑原がただのずる賢い奴みたいになってるのは気に入らん!ちゃんと強いもん!正攻法でも強いもん!(ああいうことするのはどちらかといえば幽助では!?)もちろん桑原もそういう戦法を取ることはあるだろうけど、各々の戦い方の象徴みたいな扱いされるほど卑怯な手ばかり使わないもん!たまにだもん!弱っちいから避けてるみたいじゃん!
  • ↑でもそれを一掃する飛影がかっこいいのも事実…。飛影の殺陣は何度見てもかっこよかった。剣をあんな持ち方するな!かっこよすぎるだろ!(OPも蔵馬戦も)
  • もちろん肉弾戦のアクションもすごかったし蔵馬のローズウィップもすごかった。かなり練習してそう。あと螢子が幽助のもとへ走るときの…なんだろうねあれは…精神世界?よくわからないけど動きが綺麗だったな。意外と螢子もアクロバティックだった。
  • 休憩って普通にあるの?優しくない?
  • 千秋楽で休憩に入るときのコエンマとぼたんのやりとりが可愛かった。「おっやーつ!」「あヨイショ」「お、や、つ!」「あソーレ!」
  • コエンマ、ブレスの音が聞こえるくらいだし、息継ぎもせずすごいスピードで話すから噛みそうだなと思っていたら千秋楽の休憩明けに結構しっかり噛んでた(笑)仕方ないわあれは〜。
  • コエンマはいちいち喋り方が大げさで面白かった。敬礼しながらぼたんに「ありがとうございます!」って言うの、昨日はなかった気がする。面白かった。何がありがとうなんだよ。
  • 竹中先生出てこないの悲しい。まとめるために削られるのは仕方ないのかな。(その割にアニアリのジョルジュの名前は何度か出てきた。)
  • ぼたんめっちゃぼたん!とにもかくにも声が似ている。(桑原もかなり似ている。)そういう人を選んだのか?それにしても似ている。あまりにもぼたん。動きもぼたん。コミカルさもぼたん。100000000点。
  • 桑原と思いが通じたシーンで「照れております!照れております!」って幽助をからかうのかわいい。螢子を急がせるときのコーチャーの動き面白い。(どちらも両日あった。)蔵馬のマネめっちゃ笑った。
  • 蔵馬と喜多嶋…!喜多嶋めちゃくちゃ声いい。可愛い。そして切ない…。蔵馬の独白(言えないよ…のところ)もばっちりセリフになってた…。(ただ私は昔から蔵ぼが結構好きなせいで、螢子を助ける時に二人並んでるのもかわいいなと思った。満足。)
  • ↑昨日休憩後にコエンマが幻海に「お前に似たやつがいたように見えた」と言ったの、子役のことか?と思ってたんだけど、喜多嶋も幻海だね!?声がいい。
  • 昨日はなかったんだけど、幽助がぼたんの櫂を手のひらでふらふらさせてぼたんが何してんだい!って奪うのがかわいかった。とても幽助とぼたんだった。
  • 飛影よく喋る。そして声がいい。幽助がチビというほど差はない。
  • コエンマずるいわwwwwwwwwwwwwなんでああした!?wwwwwwwwwwww他にやりようなかった!?
  • 前情報で小さいコエンマがめちゃくちゃ面白いのは知ってたけど、大人のコエンマも面白かった。姿はかっこいいのに笑い方で全てをかっさらう。優勝。笑いどころはだいたいこいつのせい。
  • 言葉遣いが所々古いのも原作通り。ギッてこいとかわからないでしょうwww
  • 幽助が乗り移ったシーンの桑原の意味わからない歌何wwwwww毎公演違うのかな?⬅︎昨日はシンクロしているのにあえて桑原がアドリブで動くことで「乗り移ってるくせにズレる」ことによる笑いだったけど、今日は「コマネチ!」で揃える笑いだった。
  • 剛鬼倒した後に子供に芸見せるシーン。あんなに変える!?びっくりした。昨日は、芸を見せた後で幽助が「わかんない人いるかも」と言いながら剛鬼に重なって「幽体離脱〜!」からの「嘘みたいだろ?俺が倒したんだ」でタッチ(とざたっち)ネタゴリゴリでそれもめちゃくちゃ笑ったんだけど、今日は漫画「幽遊ナントカ」と「タイトルは大人の都合で言えない漫画(ハンターハンター)」の単行本を勧め、さらにはパンフレットまで渡していた。本当に笑った。(実は私のところからは見えなくてハンターハンターはわからなかった。)
  • ↑「水飲んでいいか?」だけでも笑ってたのにこんなに変えられたら笑うしかない。あと子供にタバコ渡そうとして「きったね〜!」って言われてて笑った。子供も昨日より喋ってたな。
  • しかし変顔は遠いと見えなくて残念!
  • 永吉取り戻したときの桑原の変わりよう(笑)これも昨日と今日で違ったなあ。
  • 黒子笑っちゃうな。沢村たちにも蹴られてたのもめちゃくちゃ笑った。
  • 桑原が初登場シーンで飛び降りそうになって飛び降りないの面白かった。でもあれは1階席の方がよかったな。2階席からだとどう降りても落ちない位置にいることが見えてしまう。
  • でも2階席からだと昨日は見えなかった動きが見えて面白かった!位置を示すテープも貼ってあった(笑)
  • 千秋楽は特にメタネタが面白かった。桑原が幽助に殴られて「原作通りです!」と言うところ。あとは、幽助が子供に芸を見せる時に昨日は「これはしたくなかったんだけど」みたいに言ってたけど、千秋楽では「これは絶対にしたかったんだ…冨樫先生!見ててくれよな!」って言ってた。冨樫義博見てるか。
  • あと、桑原が幽助に口づけをするのかというシーンで、昨日は「宣誓!ぼくは絶対にキスしません!」みたいなセリフだったのが、「上唇ばかり攻めるなよ…アンバランスなkissかよ」みたいに言ってて笑った。名曲だよね。
  • 幽助が「俺の身の回りに霊感強いやつなんかいねーぞ」と言うシーン、暗闇でも桑原が舞台に現れたのがわかるからみんなその時点で笑ってた。そいつだよ!そいつ!
  • 蔵馬の用意されたアクションがかっこいいのか蔵馬の役者の動きがかっこいいのかわからないけどかっこよかった。攻撃直後にスンッてスタイリッシュになるのあまりにも蔵馬だった。
  • 気になったポイント…月一で体に戻れる情報は舞台では与えられていなかったのに幽助が急に発言したこと、幽助が飛影を倒すとき鏡を使わなかったこと。

 

千秋楽の挨拶

  • みんな面白かった。コエンマ一言www
  • 崎山さん「一人ずつ代表で挨拶!」どっち(笑)元々ぼんやりした人なのかな?パンフでも、原作を読んでいた世代って言ってた人だと思う。本当にお疲れ様でした。聞き間違いじゃなければ、暗黒闘技場って言っていた。たぶん暗黒武術会と天空闘技場が混ざっている。ということはハンターハンターも読んでいる…?推せる…。
  • 「みんなで霊丸」は今日突然だったのかな?恒例になるなら、ぜひ次からは微笑みの爆弾をBGMとして流してほしい。(撃ったSEは流れた。)

  • 蔵馬と飛影が是非続編を!と言っていて嬉しかった。私も見たい!お二人ともかっこよかったから続投してほしい!
  • 飛影役の方が、「雪菜助けるところまでやりたい」と言っていた。パンフだと確か幽白が連載しているときまだ生まれていなかったと言っていたんだけど、ちゃんと読んでいるんだなとリスペクトを感じた。雪菜も可愛い人がいいな!!!
  • ↑そして即興で「雪菜すわああああああん」と咄嗟に言う桑原。「殺すぞ」と返す飛影。睨み合う二人。解釈一致!!!!

 

幽助と螢子

思ったよりちゃんと幽助と螢子のストーリーをやってくれてて感動した。嬉しすぎる。感謝。良さが拾いきれない。

  • まず「バカ!クソガキ!死んじゃえ!スケベ!」がめっちゃ螢子。かわいい。ありがとう。マジで螢子。
  • 昨日は思わなかったんだけど、基本的に、幽助の人間関係(温子さん、螢子、桑原、教師)→間に戦闘→人間関係というパート構成になっていて、想像していたよりずっと螢子や温子さんのことが大切にされていた。かなり人間模様ベースだった。キスする必要がある理由も丁寧に説明されていたし、キスした後の螢子の態度の変わらなさにも言及されていた。メインストーリーにちゃんと幽助と螢子の甘酸っぱい思いがあった。だって、「螢子50年待たせるわけにいかない」ってセリフさえ入れてくれてるんだよ。
  • キスで目覚めた後のシーンがとてもよかった。何がよかったかと言うと、上でも書いた「省略の出来なさ」のおかげで、漫画では抱きついた瞬間で終わっていたのが、抱きつかれたあとも描かれていたこも。そうだよな、漫画のあのシーンの後も、二人の時間は流れていたんだから。螢子を帰すまでの流れの妄想が捗るわ。
  • 螢子に誤解されたくない幽助かわいい。ニヤニヤしちゃう。螢子の疑いを深めるぼたんの発言に「とどめさしやがった!」と言うのも。螢子に誤解されたくないし、螢子が疑って怒ってることを察して説明するの、あまりにも中学生。
  • しかし夏子は毎公演あんな感じなの?すごい激しいな(笑)千秋楽は昨日ほどウケてなかったな。同じことやってても日によって全然違うんだなあ。
  • コエンマ「友達以上恋人未満」わかる…。「甘酸っぱい」わかる…。

  • キスすることを恥ずかしがっている朝の螢子を見ながらコエンマが悶えていて笑いが起きていた。昨日はコエンマの悶えがなかったから笑うシーンじゃなかった。その違いも面白い。わかるよ、見てると「ン゛ンッ!」てなるよな。ツイッターバズ漫画かよ。わかるよ。
  • 生命エネルギー相手に螢子選んだのなんでだよ!って怒られた時に妥当だろと言い返すコエンマ。わかるよ。

  • 螢子の声も可愛くて、「バカ幽助!」とかもう螢子…螢子だった…かわいい…はあ…。
  • 「待ってる…ずっと、待ってるから…」の言い方。1億点!
  • 「よ…オハヨ」60点。(ええ…。)もう少し無邪気な少年っぽいイメージだった!カタカナだし!でも恥ずかしそうな感じが出ていてめちゃくちゃ良かった…。
  • 桑原の胸に顔を埋める螢子。2.5で見せてくれてありがとう…。千秋楽では桑原がしっかり抱きしめ返していて笑った。
  • 幽助が蘇って抱きつかれてびっくりして、諦めて「やれやれ」スタイルになったあともう一度幽助が驚く。かわいい。このシーンは2日とも可愛かった。
  • 飛影戦のときの「ぼたん!螢子!」は2日目の方が「螢子ぉぉぉぉ!」が力強くてより満足だった。愛じゃよ。
  • 螢子の涙を拭く幽助の声がめちゃくちゃ優しい。愛じゃよ。
  • しかしあのシーンの、「ごめんね…ヴ!(幽助に上に乗られてうめく)」はめちゃくちゃ笑った。
  • 「あいつにとってはこっちの方が難題」なんてラブコメみたいな締めくくり方!!!!!!!!!なんだあれ!!!!!!ギャー!!!!!!!!

 

 

 

 

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かぐや様は告らせたい感想

石上…愛した…

 

主観による評価

総合 ★★★★☆

面白さ ★★★★★(映画館も超笑ってた)

佐藤二朗が好きな人の満足度 +300000000000点

佐藤二朗が好きではない人の満足度 -300000000000点

石上の再現度 ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 

面白かった!

特にちんちんのくだりはめちゃくちゃ笑った。

バラエティで「石上どうした」が撮り直すたびに「石上どしたぁ⤵︎」になるのが面白かったとハシカンが言っていたんだけど、もう一度聞きたい(笑)

 

2時間でどうやって収めるのかな?と思っていたんだけど、いいまとめ方だなと思った。キスさえ二人の智略ということにして、サブタイトルに収束させた。

壇上で告白し合ったから、気持ちはわかっている➡︎付き合うとかキスとか何らかの形にした方が締まる➡︎原作の付き合うまでの紆余曲折は流石に省略しづらい➡︎付き合わないし、お互いに「しようとした」キスではないけどキスがしたいからキスをした(でも相手に付き合ってあげたというテイ)という形で収めたのが、タイトルを回収していて、会長とかぐやの面倒くさい思考はそのままに「恋愛の(一応の)成就」で締めることにもなっていて、良かったと思った。

最初は「なんだなんだ、キスのタスク最後にこんなに雑にぶち込んで回収するんか?」と思ったが、その後二人がいつも通りの頭脳戦を繰り広げて補完されることで、作品のテーマが雑なキスで締めるなどの「主軸からのぶれ」を起こさずに終わっていた。

しかし最後まで素直にできない奴らだな。

でも…そのおかげで続編も作れるじゃん?

会長とかぐやの感情にスポットを当てた結果早坂や石上のあれやこれやが省略されていた(ただのリア充死ねロボット扱いされていた)が、続編があればその辺りも描かれそうだ。ぜひして欲しい。

 

さて、石上についてだが、流石に他にキャストいなかっただろうなと思うレベルではまり役だった。

喋り方もすごいし、前髪隠すだけで…なんだあのクオリティは。石上がそこにいた…。

原作知らない友人が「石上面白かった」と言うくらいまず面白いのだが、原作読んだ人はもっと楽しいんじゃないかと思う。

石上が強すぎた…。

感想を書きなぐったメモには「石上」が20回出てきた。どんだけ。

コーヒーをかけられる石上もかぐやを恐れる石上も地味にソーラン節を踊る石上も何もかも石上だった…。

 

 

 

こまごまと

  • 橋本環奈ブスな瞬間1秒もない。
  • 自らザバー上がって必死で走っても崩れない。何?私全力疾走の顔とか絶対見せられないわ。(私と比べるな。)
  • 平野紫耀、まれにゴリラだったけど基本的には金髪が儚くて美しかったな…。ゴツいくせにどうしてたまに線が細く見えるんだ。線が細い消えそうなアイドルと力強いアイドルを兼ね備えてるのずるいな…。
  • 個人的平野紫耀ナンバーワン演技は、(お見舞い後に)廊下で遭遇するシーンで、かぐやに気づいた瞬間の表情。(要チェック!)
  • 夏の学ラン、実写だとキッツイな…。
  • いやいい体してるけどここぞとばかりに裸のシーンがあって笑った。
  • 名言集の再現度辛かった。痛々しいセリフをキリッと言うの最高すぎる。
  • ケイちゃんとお兄の関係の再現度高いよ!可愛かった。平野紫耀の「ケイちゃん」のマジのお兄ちゃん感がめっちゃ良かった。まあそれを超えてパパがマジで白金父すぎたんだけど。
  • パパ、喋り方くどくないのにクズな行動をクズと思っていないくせにやけにクールな父親っぽさ全開だった。石上の次くらいに再現度高い。
  • キングオブプリンスwwwwwwwwwwww
  • ベランダ?に足かける会長の俊敏な動き笑った。
  • 壇上でソーラン節披露した時、腕の動きにキレがあって笑った。上手い人に下手に踊れって言っても節々にうまさが出てしまうんだな。
  • 後ろでソーラン節踊る石上で笑い死んだ。
  • 佐藤二朗で劇場大爆笑。同行者も「佐藤二朗も面白かった」と言っていた。良かった。私が誘った以上、テンポが悪くなることと蛇足感でイライラさせたら申し訳なかったから。友人が佐藤二朗を好きなタイプの人間でよかった。

以下は佐藤二朗シーンへの文句など。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  • 佐藤二朗のシーン、私以外みんな笑っていたレベルでみんな笑っていたから入れて正解なんだろうけど、個人的な、あくまで個人的な話をすれば最悪だった。急にテンポも悪くなるし、メタネタをぶっこまれてどんな顔をしていいのかわからなかった。この医者の話こんなにする必要ある!?もう本筋戻って良くない!?と思った。蛇足じゃない?もう少し短くても良かった。制作側はアレを入れておもしろいと思ったのか?身内ネタのいじりネタみたいですごく嫌だった。まあみんな笑ってたんだけど。普通に冗長じゃなかった?そう感じなかったからみんな笑ってたわけだよね…。情熱大国とか、医者をあんなに掘り下げるなら石上や藤原書記を扱っても良かったのでは。「いじりで盛り上がってんのに水さすなよw」って言われそうで胸がチクチク痛む。
  • 佐藤二朗ごときらいになりたくないから、もう少し丁寧に、普段佐藤二朗がどんな風に使われているか知らない人でもわかるように(身内ネタにならないように)扱って欲しい。
  • ↑あなたの番ですの袴田吉彦ネタもそうなんだけど、映画の外のこと(俳優の私生活やバラエティでの扱い)を知らないと楽しめない身内ネタはほどほどにした方がいいと思う。
  • 多分だけど、ジャニーズのバーターいなかった…?たとえば「母になる」ではJr.である道枝くんのバーターとして中島裕翔が出ていたし、監察医朝顔でも風間くんのバーターとして森本くんが出ている。黒崎くんのいいなりになんてならないの岸くんは当時岸くんのことなど知らなかった私でも「あっこの人ジャニーズだろうな」とわかるレベルだった。とても意外だった。でも今「秘密」のキャスト見ていたら生田斗真のバーターはいなかった。毎回いるわけじゃないのかな?今回はゆうたろうである必要を感じなかったからあそこJr.でも良かったと思うんだけどな。(番宣の都合?)

凪のお暇第10話(最終話)感想〜恋はタイミング〜

主観による評価

★★★★☆

 

スッキリする終わり方だったと思う!

リアタイできなくて、でも結末を知りたくないから見るまでツイッター見ないと決めて、夜のうちに見終わろうと思ったけど寝落ちして(笑)、結局11時間近くツイッターを開かなかった。こんなに長いツイ禁いつぶり?(長い…?)

 

「現段階ではどちらともくっつかない」というのが最適解だと考えながら見ていたから、納得いく終わり方で良かった。

本当に文句なし。駆け足感もなし。(強いて言えばお金を用意できなかったのは凪なのにコインランドリーの夢を諦めないくだりに少しもやっとしたくらい。)

 

凪と慎二の振り向くタイミングのズレが、一番心に残った。

二人はタイミングさえ合えば最初から内面をさらけ出して今頃結婚していたかもしれない。

でも、そうはならなかった。(ならなかったんだよ、ロック。)

二人は内面をさらけ出すタイミングがいくらでもあったのに流し続けて、そしてたどり着いたのが今だった。だから、振り向くタイミングが揃うことはなかったんだろう。

あの「ズレ」は、ああしておけば二人は結ばれたのかも、でもああしなかったからズレるのは当然だね、ほかにどうしようもなかったねという期待と諦め、ありもしない「あったかもしれない未来」を思い浮かべても仕方ないということを示唆する残酷な描写だったように思う。

 

あとは、とにかく自分の中の高橋一生のイメージが180度変わったドラマだった。

ボソボソ喋る滑舌の悪い俳優だと思っていたら全然違っていて、役やシーンによって喋り方を使い分けていることや、泣き方のレパートリーが多いこと、指先から演技をしていること、「俳優って与えられたセリフを喋るだけじゃないんだな」と初めて思った。

憑依型というよりは、その役を自分のものにしてしまう魔性の男という印象を抱いた。

用意された漫画の「我聞慎二」を演じていたのではなく、高橋一生の演じる不器用なモラハラ男が我聞慎二の名前だっただけだった。

 

このドラマから学んだこととしては、辛い時は息抜きしていいよということではなく、人生は目の前にある二択で決めるものじゃないということ。

たとえば仕事を続けるかやめるかの二択ではなく休むというのも手だし、浮気されてこのまま暮らすか離婚するかの二択ではなく実家に帰るのも手だろう。

それは決断を後回しにしているというのか先送りにしているというのか。逃げてるだけじゃない?と思う人も、多分いるだろう。

でも、このドラマは、後回しも悪くないって思わせてくれた。

ママは、「どちらと生きるのか」じゃなくて「誰かと生きるのか、一人で生きるのか」を選択肢として提示した。

凪の人生はこれからどうなるかわからない。もしかするとあの時ゴンさんか慎二の手を取っておけば良かった!そうしたら結婚できた!と思う日が来るかもしれない。

それでもどれか一つ決めて選んだこと自体は多分後悔しないんだろう。

 

原作との違いもいいドラマだった。

3ヶ月間素敵なお暇ありがとう。

 

 

 

今回は実況していなかったからメモに書いていた感想。

  • 慎二と凪、絆が深まったのか?傷を舐めあっただけでは?
  • ゴンからの告白を「ラッキー」としか捉えていない時点で、ゴンを選ぶことはなかったんだろうな。アイドルと付き合えた!みたいなステータス…慎二と付き合ってた頃の凪はそうだったから、今度は同じことしないと思う。
  • 捨てたものに向き合う日が誰にでも訪れる。おばあちゃんにも凪にも。
  • 緑さんが松山に帰る。このドラマは気ままなニート生活のススメじゃなくて、ただのお暇だったと思い出す。
  • カラオケシーンのためにキャスティングされたのかってぐらいみんな歌上手い。
  • 「人前で歌わないやつ」だと思っていた慎二。優しいけど、実は凪は変わっていたんだよねえ。こいつはそういうやつじゃないっていうのは優しさでもあるけど、可能性を閉ざすことでもあるのかもね。
  • 言われて終わるようなお暇はお暇ではないというか、自分でそろそろやめるかーって思ってほしかった。本当は。しかしきっかけというのはなかなか訪れないからこれしかなかったとも思う。でもみんながみんなお暇は終わりだよって責めてくるようで苦しい。
  • アダのお暇始まる。
  • 子供じゃないから、家具の位置を考えることの意味がわからないはずもなく。
  • 「おばあちゃんになった凪ちゃんの横で、昼寝したい」というプロポーズに対する、「今の私じゃ流されると思う」という断り方!しっかりしてるなあ。
  • 「凪ちゃんいなくなったら俺なんもなくなっちゃう」流されてた時の凪とおんなじだね。だからダメなんだろうね。
  • アパートの前で遊ぶ凪を見て気まずそうに去る人じゃなくて俺も混ぜろー!って言う人だから好きになったんだよね。
  • デート服かわいい!し、「似合ってる」って!そしてコーヒーは「これでいい」じゃなく「これの方がいい」。
  • 「認めてやるよ。お前はもう、一人でしっかり歩いてるよ。」一緒に歩こうって思って欲しかったけどそれを言わずに、凪が一番欲しい言葉を最後の最後にあげたね。
  • 「だから俺も、お前を卒業して、やる。」凪の知っていた頃の上から目線の慎二の話し方をわざわざすることで自分の現在地を確認している気がする。
  • 見直したから元に戻れるわけじゃないのが難しいところね。
  • 慎二の根っこが変わってなくて嬉しいwwwwwSuicaめっちゃ減ったwwww
  • 振り向くタイミングと振り返るタイミングが合ってしまう男女…!恋はタイミングフィーリングハプニング!